週刊柏﨑 第313回_オリンピックとインフルエンザ
朝晩は本当に寒くなりました。私の住む地域は京都市内でも寒い地域で、もうストーブを出したとかコタツを出したとかいう人もいるようです。さすがに我が家では暖房器具は出してはいませんが、私は厚手の毛布を布団の間に入れました。
先日、宝ヶ池から会社のある北山に向かう狐坂に設置されている温度計は12℃と表示しており、ほぼ冬状態であります。それでもうちの息子は扇風機をつけっぱなしで寝ています。
皆様、お元気でお過ごしでしょうか?
先週のこのコラムで触れた、東京オリンピックの落選の責任者の石原都知事が、またまたとんでもない発言をぶちかましてくれました。なんと「150億円使ったって痛くも痒くもない」という暴言。そりゃ自分のカネではない訳ですから、確かにそのとおりかもしれません。
しかし、石原都知事は就任時に「福祉予算は無駄」と言って、老人福祉手当や特養老人ホームの補助金、障害者などの福祉予算をどんどん切り捨ててきたのです。そして、自らが言い出しっぺで作った「新銀行東京」での巨額損失と、まさに開き直りとしか思えない発言に対しては、唖然とするしかありません。オリンピックといえば、リオデジャネイロの後、2020年の夏季五輪の開催都市として広島・長崎両市が誘致を目指すらしいのです。
広島市の秋葉市長が会長を務め、世界各国の都市が連帯している平和市長会議という集まりがあるのですが、この会議が2020年までに核兵器の廃絶を目指しているのです。
そこで、唯一の被爆国であり、そのターゲットにされた広島と長崎にオリンピックを誘致し、「平和のメッセージ」を全世界に向けて発信しようという考えなのです。
今回の東京への無謀な誘致合戦と違い、平和へ向けての核廃絶というテーマと、ロンドン・リオデジャネイロの次という年の順番といい、十分に勝算はあるように思われます。更に、広島から長崎という広い地域が活性化する可能性が高いという、地域経済にとっても非常にメリットがあると思うのです。私は、この広島・長崎のオリンピック開催を応援したいし、2020年までにCO2を25%削減すると全世界に宣言しちゃった鳩山総理も、平和と環境をテーマにしたオリンピックを開催するのは、願ったりかなったりだろうと思います。(もしそれまで民主党が与党だったらですけど)
核廃絶をすると、これまた宣言しちゃった世界一の核兵器所有国アメリカのオバマ大統が、なんと本人もびっくりのノーベル平和賞を受賞してしまったことで、平和をテーマにしたオリンピック開催の後押しになると思われます。
今は2つの都市による共催オリンピックは前例がないのですが、なんとか開催してほしいものです。
さて、前置きが長くなりましたが、やっぱりインフルエンザのパンデミック状態です。
今日の段階ですでに20数名の方が亡くなられたそうであります。実は息子が通う公立中学校も2回目の学校閉鎖中であります。
何でも息子の右隣と後ろの席の子がインフルエンザになったらしいのですが、今のところ元気そのもので、風邪の予兆もありません
完全に不足状態のインフルエンザワクチンなのですが、日本では生産に必要な有精卵が足りていないのです。なんせ各メーカーで毎日100万個程度必要なのですから。
ちなみに私達が普段食している卵は無精卵でありますので、全く役に立ちません。ワクチンというのは、ウイルスから作った「抗原」のことをいいます。ですから、ウイルスを人工的にたくさん作らなければなりません。
しかしながら、暖かくして湿った所に置いておけば、どんどん増える大腸菌などの細菌と違って、ウイルスは自分で増えることができません。そこで、本当にヒヨコが生まれてくる有精卵一個一個に、注射によってインフルエンザウイルスを注入するという、とてつもなく手間ひまのかかる工程によって、ウイルスを育てるのです。これでは、全国民に必要なワクチンを製造できるのは来年の春以降になるのではないかと言われています。
かと言って、輸入ワクチンは今のところ副作用がどうなるかわからないため、万が一の場合の損害賠償請求にビビって、売る側が怖くて売らないという話も聞いています。今のところ、病院では新型ワクチンどころか従来のA型B型のインフルエンザワクチンも品切れ状態らしく、相当ナーバスになっているもようです。
大体、日本人の薬好きは今に始まったことではありません。タミフルなんかは日本が世界ダントツの保有国なのです。いくら薬を飲んだって、必要以上のものは体外に流れてしまうし、副作用などのリスクもあるのです。今回のインフルエンザワクチンの問題が第二の血液製剤事件になるようなことは絶対にあってはいけません。