第892回　真鍋淑郎先生、ノーベル物理学賞受賞おめでとうございます

「天高く馬肥える秋」、今週に入り、正に秋晴れの日が続いています。先週末に関東に上陸の可能性があった大型の台風は海上を通過した為に影響も限定的で有りました。９月末で緊急事態宣言も解除になり、京都の繁華街や観光名所に人出が戻ると思っていましたが、この土日はそれ程でも無かったようです。私は、家に籠っていまして、外出は近所の銭湯に行った位でした。まあ、飲食店でアルコールが出せるようになりましたので、今週は馴染みのお店にでも出かけてみようと思っています。

１０月６日で６６歳になりました。もう還暦を過ぎますと誕生日だからといって何も感じることは有りませんが、確実に老化していくのが分かります。前にもこのコラムで触れましたが、人の健康寿命に於いて一番気を配らなくてはならないのが認知機能だと考えています。自分が自分として認識できない「人格崩壊」は絶対避けたいと思いますね。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

菅首相が自民党総裁選への出馬を見送り、岸田、河野、高市、野田の４氏による総裁選に突入してから株式市場が活況を呈し、日経ダウは一時３１０００円を回復した訳です。まあ、安倍、菅政権時代の経済運営やコロナ対策に失望して日本市場から逃げ出していた外国人投資家がこれを変化の兆しと受け取って世界的に金余りの資金を日本に振り向けた為と言われています。私の毎月数万円の株式投資信託の積み立てもプラスになって、さあこれからと思っていたのもつかの間、岸田氏が総裁選に勝利してから日経ダウの下げがキツクなってきて、日本の内閣総理大臣に就任しても下げが止まりません。私の虎の子預金もあっという間にマイナスです。

殆どの国民が、岸田氏が首相になったところで日本は変わらないと考えているのですから、相場を主導してきた外国人投資家も同様なのでしょう。世界を見渡せば、アメリカは既に超低金利政策を変更し金利を上昇させるテーパリングに移行しているし、中国は景気減速と３３兆円の負債を抱えると言われている恒大問題が有り、先行きが不透明なのです。米中の景気に左右される日本ですか

ら、確かに今の日本の株式を買う理由は有りません。ただ、今の処株式相場が下がっているのは日本だけでは無く、世界中の株価が下がっています。それでも皆が危惧しているのは、いずれ相場が反転して上昇に転じた時、日本だけが取り残されるように株価が安値で低迷することです。

新政権が発足してこんなことを言うのも何なんですが、ご祝儀相場も無く、日本のマーケットがこれだけ弱いと、岸田政権の評価が低いと言わざるを得ないでしょう。少なくとも外国人投資家は、岸田政権では日本は変われないと判断しているのは間違いないと思います。

今月末に迫った衆院選挙での与党の敗北をマーケットは織り込んでいるのかも知れません。日本が良くなって欲しいと思うのは、私達の切実な望みです。かじ取りを担う政府の責任は重いです。

メジャーリーグの常識を覆した大谷翔平選手の１年が終わりました。今シーズン、皆さんもご存知の通り、最後の最後までホームランキングを争い、投げては９勝、盗塁数も２５個と大活躍をした訳ですが、私は怪我さえしなければ来年はもっとやれると思っています。以前このコラムで大谷選手は日本のベースボール史上最高の選手と言ってきました。あの身体で、あれだけしなやかな筋肉を持ち、スピードや力強さを兼ね備えた選手は、過去にいなかったですね。今では日本だけでは無く、メジャーリーグを含めて最高の選手と多くの野球ファンが考えているでしょう。それに彼は性格も良いし、スポーツ全般何をやらせても超一流であったと思います。正直、私が大谷選手に一番やって欲しかったのがテニスでして、多分彼のポテンシャルであればジョコビッチ選手やナダル選手よりももっと凄いプレイヤーになっていたのではないかと思いますね。

大谷選手が所属しているエンゼルスはメジャー最高のプレイヤーと言われているトラウト選手やレンドン選手など攻撃面では他の強豪チームと比べても決してひけはとらないです。ただ、ピッチャーに関しては先発陣もリリーフ陣も全くあてにならないのが現状です。抑えのピッチャーは一人良い選手がいるのですが、来シーズンもエンゼルスでやるかどうかも定かではないみたいです。

ただ名将と名高いマドン監督のもと、ピッチャーさえ揃えればエンゼルスがワールドシリーズで勝つ可能性が決して少なくは無いと思います。

さて、真鍋淑朗氏のノーベル物理学賞の受賞が決まりました。今でこそ常識である二酸化炭素（CO２）が増えることで地球の温度が上昇することを解明し、世界で初めてコンピューターを使うことで、それを数値化したのです。地球温暖化は現在の地球に迫る大きなリスクであり、それを１９６０年代に唱えることには時代的に異端であったと思います。

御年９０歳、インタビューに答える真鍋氏は実にエネルギッシュであり、雄弁です。「最もおもしろいのは、好奇心に基づいた研究だ。私は気候変動の研究を本当に楽しいと思ってやってきた。」と語る姿は私のような怠け者から見ると眩しく映ります。

真鍋淑郎氏はアメリカに在住し、アメリカ国籍を取得し、名門プリンストン大で研究を続けています。果たして真鍋氏が日本に留まってこの研究を続けられたか疑問です。現在、真鍋氏のような優秀な研究者が海外に流出しています。日本も国として優秀な研究者の待遇や研究施設面等、もっと充実したものにしなければならないでしょう。

「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、それを実践したのが真鍋淑郎先生であります。

「ノーベル物理学賞の受賞おめでとうございます」そしていつまでも奥様と長生きして下さい。

来週の「週間柏崎」は一回お休みさせて頂きます。