週刊柏崎 第870回 松山英樹選手やったね!マスターズ選手権制覇

4月も半ばになりました。気温が思った程上がらず、日中も結構寒かったりします。最近は桜が開花するのが早く、3月の下旬には桜目当ての観光客で久し振りに賑わっていた京都ですが、このところの大阪のコロナ感染激増の影響で人出が急減してしまいました。今は天候的に観光日和の京都でありまして、新緑やツツジの花が美しい観光名所が閑散としているのは残念でなりません。聞いた話では、好調だったゴールデンウイークの宿泊予約もかなりキャンセルが出ている模様です。
京都の3大祭りの一つ祇園祭のフィナーレである山鉾巡航が去年に続き中止されるということです。祇園祭、ゴールデンウイークの葵祭、秋の時代祭と京都の3大祭りも多分中止となるのでしょうね。瀕死の京都の観光業界は大打撃です。
65歳以上の高齢者に対するワクチン接種が始まりました。今はへたな宝くじ並みの確率でしかワクチンは受けられず、まあ個人的には年内に接種出来ればと思っています。先行して接種を開始した医療関係者でさえ、まだまだ進んでいないようですから、国が予定しているスケジュールも眉に唾を付けて聞いております。兎に角、日本のコロナワクチン接種率はお寒い限りの全人口の0,78%でありまして、何故にそれっぽっちしか接種出来ていないか説明して欲しいものです。確かにワクチンの副反応などの懸念は残るものの、現状のコロナ感染爆発を何とかする為にはワクチン接種による集団免疫獲得以外に方法は無いのかも知れません。世界各国がワクチン接種によってコロナ感染を抑えたら、間違いなく世界各国の経済政策はアフターコロナへの新たな形態へと向かうでしょう。先日、ニューヨークタイムズが報じた画期的なコロナワクチンのように、日々化学は進んで時が過ぎればこのコロナも怖くなくなるのかも知れませんが、今は早期のコロナワクチン接種によるコロナ対策が何よりも優先されると思います。今のままではアフターコロナの世界で日本の負け組入りは確実です。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

福島原発の汚染水が2年後を目途に海洋放出すると菅政権が決定しました。東日本大震災による津波の被害で爆発した福島原発は未だ壊れた燃料棒を水で冷やしていて、その汚染水をタンクに入れるという「ホンマかいな」という原始的な方法で何とか凌いできたのです。当たり前ですが、未来永劫こんな方法が続けられ筈が無く、今回の海に流すという措置を取らざるを得なくなったということです。汚染水は「ALPS」という機械で放射能を除去して安全な処理水として放出するという事ですが、トリチウムという物質だけが取り除けないらしく地元の漁業関係者や韓国や中国などの周辺国からクレームが出ています。またセシウムやヨウ素などの放射能も全てが取り除ける訳では無く、何せ凄い量の処理水をエンドレスで流すのですから不安も残ります。大体、国として原発の正確な情報を殆ど発信してこなかったのですから、今更大丈夫だと言っても中々信じられないですね。やっと元に戻りつつある福島の漁業もたまったものでは無いでしょう。今の海にはそれでなくともマイクロプラスティックや水銀やカドミウムなど重金属のリスクが有りますが、それに放射能汚染まで加わったら漁業関係者には死活問題です。
だからこそ、海の影響を全く受けない植物性DHA,EPAが魚油DHA,EPAに比べて5〜6倍と高価でも世界中で品薄になるほど注目されているのです。国として皆が納得出来る安全性を証明する必要があります。

ゴルフのメジャートーナメントであるマスターズ選手権で日本の松山英樹選手が優勝しました。女子ゴルフ界では、古くは樋口久子選手、最近は渋野日向子選手がメジャーで優勝していますし、あの岡本綾子選手が全米の賞金女王になっていますが、日本男子としては初優勝の快挙であります。それもあのゴルファーだったら一番に憧れるマスターズですよ。思い起こせば、私が香港駐在時に、このマスターズを日本で嫁にビデオに録画してEMSで送って貰って、毎年何回も見返していました。当時は、インターネットも無く、香港も貧しかった為にテレビでマスターズどころかゴルフ番組さえ放送されていませんでした。あの番組が始まる時に流れるテーマソングがとっても心地よく好きでした。確か、香港に赴任した時に優勝したのが、イアン・ウーズナムという小柄な英国の選手でした。オーガスタという伝統のゴルフコースで行われるマスターズですが、毎回それぞれドラマが有ります。2年前にタイガーウッズ選手が復活優勝して話題を集めましたが、日本人にとってはそれを上回る松山選手の優勝です。最後の上がり4ホールは一杯一杯で彼の緊張が伝わる位でした。また、一緒に回ったシャウフェレ選手が本当にナイスガイで、同伴者に恵まれたことも大きかったと思います。心からおめでとうと言いたいですね。
私が新卒で就職した頃だから、かなり昔ですが「ジャパンアズナンバーワン」というベストセラーになった本がありました。この本は「当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった日本経済が世界ナンバーワンのアメリカ経済(今も一番です)を抜くよ」という内容で、実際我々ビジネスマンは皆可能であると思っていました。バブル経済が弾ける直前の1990年の日本のGDP(国内総生産)はアメリカの約半分に達し世界2位、3位のドイツの3倍、中国の8倍の規模でありました。その後日本の凋落はご存知の通りで、2010年には、日本のGDPは中国の3分の1、アメリカの4分の1になったというか縮んでしまった訳です。豊かさの象徴と言われている国民1人当たりのGDPですが、これも世界2位から2019年には25位まで転落してしまいました。何故かと言えば、前にも書きましたが日本には新しい技術や産業が育っていないのです。それは政、官を挙げたバックアップ体制が全く機能していないからです。まあ、日本政府がしたことは、公共工事のバラマキと円安政策であり、官はその利権を取り仕切る胴元で新たなビジネスへの投資は殆どしてこなかったというか、逆に規制で既存の産業までがんじがらめにしたのです。今回のコロナワクチン開発で何故世界に後れをとっているか考えれば明らかでしょう。また、世界一の病床数を持ちながら、これくらいのコロナ感染者に対応出来ず、医療崩壊の恐れなんて、政、官のオペレーションがむちゃくちゃな証拠ですな。後で聞いた話ですが、作者のエズラ・ボォーゲルがタイトルを「ジャパンイズナンバーワン」でなくて何故「ジャパンアズナンバーワン」にしたかというと「アメリカが努力もせずにうかうかしていたら、もしかしたら日本に抜かれるかも知れないよ」というアメリカへの警鐘を与えることをテーマにしたからです。まあ、ボォーゲル氏の心配も杞憂に終わった訳ですが、ただ当時の日本企業や国民は本当に勤勉で優秀であり、政、官がしっかり協力していたら日本経済はナンバーワンになれたと私は思っています。

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