週刊柏﨑 第358回_耐性菌という警鐘

今年の暑さがすさまじかったことは誰しも認めることでありますが、毎日愛犬と散歩の時に必ず立ち寄る、我が家から徒歩10秒の公園が今枯れ、落ち葉だらけでさながら冬場のようなんです。あまりの暑さで公園にある木々の葉が落ちてしまい乾燥によってカラカラの枯葉状態であります。少し前は日中に犬を連れて公園に行くと、暑さと乾燥でその枯葉がパチパチ音をたてていて、さながら灼熱地獄の様相であった訳です。こんな陽気がいつまで続くかと思っていたのですが、史上初めての北陸地方からの日本上陸という台風の影響で、今週久し振りにまとまった雨が降りました。あれだけ雨が降ると、さすがに9月、今日は朝晩はかなり涼しくなっています。日中も今日30℃位なのですが、個人的にはかなり過ごしやすいような感じがします。
しかしながら、ただ今関西では、僅差で首位に立っている阪神タイガースフィーバー真っ盛りで、銭湯では暑い野球談議が繰り広げられています。
皆様、お元気でお過ごしでしょうか。
小沢一郎氏が政治資金規正法違反問題で検察からは不起訴処分となったものの、検察審査会からイチャモンをつけられ、彼自身政治活動の大きな足かせとなっていることは皆さんご存じであると思います。私はこのことに対し、大きな疑問を持っています。検察審査会というのは、無作為に選出された国民11人によって構成され、検察官が独占する起訴の権限の行使に民意を反映させたり不当な不起訴処分を抑制することを目的として設置されています。その点では、小沢一郎氏の不起訴は不当であると検察審査会が判断していることは、この会の主旨としては当然問題はないと思います。
しかしながら、あくまで検察審査会というのは、検察が判断したことを民意でもう一度審査するという機関なのですから、不起訴である説明責任は検察にあるのではないかと私は思うのです。要するに検察審査会というのは検察がちゃんと仕事をしているかチェックするのが本来の役目であるのです。プロフェッショナルである検察官が大勢で長い時間を費やして調査した結果を、いわばシロウトの集まりである民間人が簡単にくつがえしてしまったのです。当然、この民間人には調査する権限もないし時、間もありません。しかも相手は政権与党の大物政治家であります。この検察審査会の下した起訴相当の理由が「顔が悪人ヅラ」とか「なんか悪いことをやっていそう」とかいうのでしたら、私なんかはすぐさま犯罪人であります。要するに、検察庁が2回に渡って「不起訴処分」とした小沢一郎氏の問題は検察審査会の一般ピープルの会員に検察が「こういう理由だから起訴しないんですよ」と説明しなければいけないと思います。検察が下した判断を検察審査会が納得できないのであるなら、それは検察のあり方を否定されたことであり、少なくとも担当検察官の責任問題であると思います。ですから、この問題で検察が審査会に相乗りして小沢氏を追求するのは、あきらかにおかしいと思うのです。小沢一郎氏が市川海老蔵さんや小泉進次郎さんのようなルックスであったなら、今とはずいぶん違う展開であったのは間違いないと思います。まあ、小沢さんのことはとやかく言えない柏﨑でございます。
前置きが大分長くなりました。さて、先日大学病院で院内感染と思われる原因で多数の方が亡くなられました。この原因となったのが多剤耐性菌といわれている細菌であります。元々、耐性菌というのは、抗生物質などの薬が効かない遺伝子を持った細菌やウィルスのことをいいますが、この多剤耐性菌というのは2つ以上の薬に抵抗性を持つものであります。国内でこの多剤耐性菌の代表格でいえばMRSAやバイコマイシン耐性腸球菌などが有名であります。日常生活の中でも風邪のウィルスやO157、サルモネラ菌などの病気の原因となる細菌にも多剤耐性菌が存在するといいます。今日の大学病院で問題になったのは多剤耐性を持ったアシネトバクター菌であって、話では海外から持ち込まれたそうです。
ここで私が皆さんに考えてほしいのは、この耐性ということなんです。病気の原因となる細菌やウィルス、ゴキブリや蚊などの害虫も同じ生物であります。このやっかいな細菌やゴキブリなどを排除する為に私達は薬を使っています。言うならば、これらの生物を死滅させようとする訳です。生物であるのですから、たとえ細菌であっても死ぬのは嫌な訳でなんとか生きようとするのです。ですから、この抗生物質のような薬を使っても生き残るような細菌やウィルスが出てくるのです。そうすると、他の普通の細菌は薬によって死滅してしまうので、生き残った耐性を持つ細菌は唯一のものとなり猛烈な勢いで広がります。殺虫剤の効かないゴキブリもかなりの数存在しているようです。細菌やウィルスには感染しないのが一番であるのですが、なんでもかんでも化学的に薬剤で殺すということをする限り、この耐性菌というのは絶対に存在するリスクであるのです。特に今回の多剤耐性菌の場合は、薬を飲むことによって尚更症状がきつくなるという、薬が大好きな日本の高齢者にとっては一番危険性が伴うものであります。私はいつも皆さんに薬というのは「毒」であるということを言っています。この多剤耐性菌の場合においては「薬が病気をつくる」「薬が病原菌をつくる」という事実を認識してほしいのです。
薬というのは、確かに私達にとって必要なものであるというのはわかります。しかし、今の日本人のように「何がなんでも薬」ということに今日の耐性菌のケースは警鐘を鳴らしていると思わなければなりません。
 
 

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