週刊柏崎 第848回 もう一度「雨ニモマケズ」の生き方を考えましょう

今年も残すところ2か月、11月に入りました。このところ、本当に寒くなってきていまして、少し前に毎日の暑さにヒーヒー言っていたのが嘘の様です。年間を通して一番過ごし易いのが秋でありまして、京都も秋が一番の観光シーズンです。近年、長い夏と冬の間にコマーシャルのように短期間存在しているような春と秋で有りますが、今年もあっという間に終わりました。ただ、これだけ急激に気温が下がりますと、今年の紅葉は綺麗だと思います。ヨーロッパやアメリカで新型コロナウィルスの感染が増えていまして、フランスやイギリスでは再びロックアウトに踏み切っています。日本でも北海道では最多のコロナ感染者が出ていますし、東京や大阪を始め各地で感染者が高止まりしています。
京都の経済は、最悪期は脱したものの、基本的に海外旅行者からのインバウンド需要が有る程度無ければ、国内だけではやっていけない体制にしてしまっていますので、まだまだ状況はしんどいというのが実情です。まあ、オーバーツーリズムが京都を壊すとか言っていた頃が懐かしいですな。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

アメリカ大統領選挙が終わりました。このコラムを書いている今、バイデン氏が優勢となっていますが、近年まれに見る接戦を演じています。先週に触れたように、アメリカ大統領選挙は「負けた方が敗北宣言をして勝者が決まる」ので相手はあのトランプ大統領、まだまだ一筋縄ではいかないでしょうね。先週このコラムで私はバイデン氏の圧勝を予想していたのですが、見事に予測が外れました。トランプ大統領は新型コロナウィルス対策を誤り、世界最多の感染者を出したばかりか、自らもコロナに感染し、人種差別発言を平気でしたり、息を吐くように嘘もつく、普通であれば考えられないような破天荒な大統領です。ですから、今回の大統領選挙はトランプ氏VSトランプ氏以外の戦いであり、まあバイデン氏の政策など二の次であり、私自身もバイデン氏が「コロナ対策する」以外は彼が何を公約に挙げていたか全く知りません。
トランプ大統領が何故にあれだの支持を集めたかというと、これは「経済政策でアメリカの景気が良くなった」からだと思います。実際、トランプ大統領の就任以来ニューヨーク株式相場は上昇を続けました。トランプ大統領自らアメリカへの企業誘致を半ば強要し間違いなく雇用やビジネスを創造したと思います。今やライバルの中国相手に一歩も引かずにやり込めたりしました。日本を始め海外諸国に食糧や武器を売りつけたり、TPPや地球温暖化対策会議から平気で脱会したりもしました。
まあもし、コロナの問題が無かったら今回の大統領選挙はトランプ大統領の圧勝に終わったでしょうね。その位、この大統領選挙でのトランプ大統領支持の熱は凄かったです。
トランプ大統領が掲げるの「アメリカファースト」です。聞こえは良いのですが、要はアメリカや自分に得にならない事は全て「NO」ということで、物事を決める時優先するのは損得であります。こう見えて私も企業経営者でありますから、損得というのは非常に大切なことだと思います。ただ損得と同時に人の矜持というか「正しい」か「誤り」か、ということはもっと大切なことだと考えます。現在、世界中の人の余裕が無くなってきて、人の世話をする前に自分のことを優先するような感じになっています。世界の大国アメリカだって、かつての経済大国日本だって今や台所事情はアップアップで火の車です。アメリカだから世界の警察として色々なところで戦争しろとか、恵まれない国の為にお金を出せとか、外国からバンバンモノを買うとか、その時「ふざけるな!そんな一銭にもならないこと出来るか!アメリカと付き合いたかったらそれ相応の金を出せ!アメリカの銭はアメリカの為に使うのだ!」と颯爽と登場したのがトランプ大統領だったのかも知れません。そして結果としてアメリカはそれなりの発展を遂げ一部の国民の懐を潤したのだと思います。
トランプ氏というと、私には昔アメリカプロレス団体のWWEでイロモノ役を演じていたおっさんというイメージが強いのですが、基本ショーマンというかやらせ芸人を演じていた訳です。また実生活ではヤリ手ビジネスマンで大金持ちであるらしいのですが、何回も会社を潰しているし、何でも税金を殆ど払っていないとかで、大統領選挙で落選したら国税にやられるとか、奥さんに三下り半をつきつけられるとかで、今の状況なら負けを認めることはなさそうです。
トランプ大統領からバイデン氏大統領が変わったと言っても、世の中は多分殆ど変らないだろうと思います。何故なら、世界中が物事の判断基準が自分に損か得かであるからです。
日本でも選挙違反で裁判中の政治家の夫婦や中国のカジノ企業から賄賂貰っていた議員さん、逮捕されても、自ら国会議員は辞めません。だって留置所にいても給料やボーナスは満額支給されます。これだって損得で考えれば何と言われても議員を辞めない方が得ですから。でも給与は全て私達の税金から出ています。「正しい」か「誤り」で考えたら、それは絶対に辞めるべきです。今問題になっているコロナの事業者給付金も然り、「正しい」「誤り」の観点で考えないで、「損得」で考えるから違法と分かっていても申請しお金を受け取るのです。確かに、世知辛い世の中であります。自分さえ良ければという考え方をする人間が増えているのは仕方ないのかも知れません。かなり前の「週刊柏崎」で書いたと思いますが、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の生き方と気持ちを持って生きたいと私は心掛けています。

雨ニモマケズ。風ニモマケズ。雪ニモ夏ノ暑サニモマケズ。丈夫ナカラダヲモチ。欲ハナク。決シテオゴラズ。イツモ静カニ笑ッテイル。一日ニ玄米4合ト味噌ト少シノ野菜ヲ食ベ、アラユルコトヲ自分ヲ勘定ニ入レズニ、良ク見聞キシ分カリ決ッシテ忘レズ、野原ノ松ノ林ノ陰ノ小サナ茅葺ノ家ニ居テ、東ニ病気ノ子供アレバ行ッテ看病シテヤリ、西ニ疲レタ母アレバ行ッテ稲ノ束ヲ背負イ、南ニ死ニソウナ人アレバ行ッテ怖ガラナクテモイイト言イ、北ニ喧嘩ヤ訴訟ガアレバツマラナイカラヤメロトイイ、一人ノトキハ涙ヲ流シ、寒サノ夏ハオロオロ歩キ、皆ニ木偶ノ坊ト呼バレ、褒メラレモセズ、苦ニモサレズ、ソイウモニ私ハナリタイ

皆さんも、もう一度読み直してみて下さい、見習いたいです。

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