「SiCKO」 週刊柏﨑 第205回
ちょっと前まではセミの声がしなくなったけど、暑さだけはそのままという感じだったのですが、なんだか1週間位で、すごく涼しくなった様な気がします。
そう思っているのは、私だけではないはずです。先週の台風は関東のいたるところで被害をもたらしました。今週は、今週で永田町を嵐が襲いました。あれほど、辞めないとふんばっていた安倍首相が、お腹が痛いとか、小沢君が相手にしてくれないとか、学校を休むような理由で退陣し、新たな自民党総裁選により、永田町はテンヤワンヤであります。それにしても、安倍元総理。これほど運がないというか、かわいそうな総理大臣も過去にいなかったんじゃないでしょうか。参院選の惨敗後、あれほど「辞めろ!辞めろ!」と言われながら、辞めないで、新しい内閣を選んで、所信表明までして、いきなり辞めると「こんな時に辞めるなんて無責任だ!」と言われ、一体どうすりゃいいのか?という具合で、まさに時期(タイミング)というのは、大切だと実感させられます。
小泉さんがダイナマイトを仕掛けて、火をつけて辞めた後、安倍さんがまともにその爆発の被害にあったような、自民党でありますが、私としては、どの政党が政権を取ろうと「消費税は引き上げず」、「薬事法はゆるめて」ということを願っています。
皆様、お元気でお過ごしでしょうか?
今、上映されている話題作「SiCKO」シッコを御存知でしょうか?
この映画は、アメリカのドキュメントムービーの第一人者のマイケル・ムーアの最新作であります。彼は以前、「ボウリング・フォー・コロンバイン」では、アメリカの銃社会の問題点を。そして、「華氏911」では、共和党とブッシュ大統領のいいかげんさを指摘した映画を作り、話題になった監督です。
これらの映画は全世界で賛否両論を呼んだものでした。
しかし、この「SiCKO」に関しては、ほとんどのアメリカ人は、この映画が発する問題点を自分達が実際に直面している大きな問題として感じているのです。
実は、アメリカという国は、先進国で唯一、国民健康保険制度がない国なのです。国民の6人に1人は無保険で、毎年1万8千人が治療を受けられず死んでいくのです。アメリカ人は、健康保険というと民間会社の保険に加入します。当然、民間会社は営利団体ですので、保険金を払わないのが、会社の為という事になります。つい最近、日本でも損保、生保において、保険金の未払いが、問題になりましたが、営利企業が保険の受け手であれば、それは、当然のことなのです。例えば、アメリカでは救急車は有料です。その為、保険加入者が、救急車を利用すれば、保険会社がその支払いをするのです。
が、保険会社の言い分は、「もし救急車を使うのなら、呼ぶ前にこちらに確認してから呼んでください。しない場合は、お金は払いません。」と。何の為の救急車かという、まるで笑い話のようなことになってしまっているそうです。
若い人がガンになると、「その年齢でガンはありえない」という、ありえないような理由を言われて支払いを拒否されることも多いようです。
まあ、アメリカでは、1度大病を患ったら、自己破産ということもめずらしくないようです。
アメリカという国は、命まで金で買わなくては、いけない国なのです。
そう考えると、日本の健康保険制度というのは、すばらしいシステムであるのです。
健康保険という制度は、いつまでも存在するシステムではないということを真剣に考えたことを、皆さんはありますか?もしかすると、日本も「SiCKO」で描かれていた様な医療制度になってしまう可能性があるのです。
(次回に続く)