週刊柏﨑 第751回 トランス脂肪酸の危険性を考えましょう

「天高く馬肥える秋」、朝晩は少し寒く感じるものの、一年を通して一番過ごし易い季節になりました。

京都の観光名所は、内外からの観光客でごった返しています。

当然、旅行者が増えていれば、京都の宿泊業者はウハウハでいるかというと、どうやらそうでは無いようです。

先週にも触れましたが、京都では正に雨後の竹の子のように宿泊施設が乱立していて、民間が簡単に参入出来る簡易宿泊所はここ数年で7倍近く増えています。

まあ、当然数が増えれば過当競争になるのはいつの世も一緒でありまして。

今や時期や場所によっては一泊2000円前後の宿も当たり前になっているのです。

地元の京都新聞まで一面のかなりの部分を割いて「まち異変お宿バブル」という特集を数回に渡って特集しています。

その記事によりますと、今迄は予約が一杯で泊まれなかった鴨川沿いや東山の寺社や景勝地近い町家風の宿泊施設が今年は去年の半分位の予約にとどまっているらしく、東京オリンピック前に廃業する業者も出るということです。

また、業者を泣きっ面に蜂状態にしたのが、京都市が新たに打ち出した簡易宿所に対する規制です。

今後民泊や簡易宿泊所は、施設の半径800メートル以内に管理者を置かなくてはならなくなり、これが大きな負担になるのです。

こんな状況にも拘わらず宿泊施設はこれからドンドン増えていきます。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

さて、皆さんはトランス脂肪酸がどうやら健康には良くないものであると言うことに気付いていると思います。

しかしながら、その危険性にについて余り関心がないというか、何も注意を払わずに、日常的にトランス脂肪酸を口にしているという現実がある訳です。

元々何故トランス脂肪酸が出来たかということですが、パン屋やケーキ屋は商品を作る際にバターなどの動物性油脂を使用していたのです。

ところがバターは値段も高いし使い勝手が悪い、しかも劣化も早い訳です。

拘りのケーキ屋さんであるならともかく、大手の安く大量のパンを製造するようなパン屋さんでは、もっと安価な油脂を欲するのです。

そこで注目されたのが安価で大量に作れる植物油です。しかしながら植物性の油は、常温では固まることはなく常に液体状です。

その液体状の植物油をバターと同じよう使用するには液体から固体に変化させる必要があります。

色々試したところ植物油脂に水素を添加したところ液体である植物油はバターのように固まったのです。

これがマーガリンやショートニング、ファットスプレットとなどの元になります。

マーガリンは安価なバターの代用品として瞬く間に世の中に広がりました。

バターのように固くなることは無いし、腐りもしない、それに植物油だからなんとなく動物性脂に比べて健康に良いというイメージもあります。

私も小中学校時代、給食には必ず不味いパンとマーガリンが出されていました。

当時は画期的発明品であったマーガリンやショートニングでありますが、人工的に作る油の中には自然界には存在しない油が含まれていたのです。

それがトランス脂肪酸です。

当たり前の話なのですが、自然界に無い物質を体内に食すことは人体にとってリスクがあります。

トランス脂肪酸も例外では無く、摂ることで冠動脈性心疾患のリスクを高めることが判明したのです。

海外ではいち早くトランス脂肪酸の危険性が叫ばれ、WHOなどからトランス脂肪酸の摂取規制が取られたのです。

当時WHOが世界に提唱したトランス脂肪酸の摂取基準は、一日に食事で摂る総カロリーの1%未満にしましょうよと言う大雑把なものでした。

アメリカなどのトランス脂肪酸を飲んでいるような国と比べれば日本は総カロリーに占めるトランス脂肪酸の摂取は僅か0,3%です。

これで、日本の場合は「トランス脂肪酸は危険かもしれないけど、アメリカと違って、たった0,3%と少ししか摂ってないから大丈夫」となったのです。

現在、日本にはトランス脂肪酸の規制は無く、世界各国がトランス脂肪酸規制を強化する中、日本が国民の健康を何も考えていないと言っていいと思いますね。

今、コンビニエンスストアなど行ってパン類や生菓子の原材料をチェックしますと、ほぼマーガリンやショートニングを使った製品ばかりであって驚きます。

このトランス脂肪酸に関しては野放し状態の日本の立ち位置が変わらざるを得なくなることが起こりました。

それが世界一のトランス脂肪酸摂取国であったアメリカのトランス脂肪酸規制です。

2018年6月にアメリカはトランス脂肪酸の使用を一切禁止しました。

トランス脂肪酸には安全摂取基準は無く、1ミリでも摂ることは健康に害があると発表したのです。

私なりにトランス脂肪酸が何故そんなに危険であるか調べてみました。

私達は、身体に摂ったものを代謝してエネルギーに変えて生きています。

トランス脂肪酸は体内で代謝することが出来ない油です。普通、体で代謝出来なければ、不要物として体外に排出します。

トランス脂肪酸は代謝出来ない成分であるのに、排出されず体内に取り込まれるという特徴があります。

じゃあ取り込まれたトランス脂肪酸はどうなるかと言うと、DHAと同じように細胞膜を形成します。

人間は体内に60兆個の細胞があります。この細胞は月に一回位のペースで新しい細胞に生まれ変わるのです。

そうなると身体にトランス脂肪酸で出来た細胞が存在する訳であります。

前述しましたがトランス脂肪酸は自然界には無く、そういう細胞が正常な働きをするかということです。

一応、トランス脂肪酸のリスクと言うのは、善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やすことです。

その結果、心血管疾患の大きな原因になることです。

こんなトランス脂肪酸で細胞膜が覆われた細胞が正常な動きをするとは思えません。

ですから、トランス脂肪酸は心血管疾患だけでは無く、ガンなどの様々な原因になっていると思っています。

現在いくつかの大手のパンメーカーはトランス脂肪酸の使用を止めて製品を作っています。

しかし、それは公にトランス脂肪酸不使用と公言しているのではありません。

国民の健康を考えるなら、国としてトランス脂肪酸の使用に対する規制を作るべきであると思います。

企業の論理で我々の健康がおろそかにされることはあってはならないと思いますね。

今年最大級の台風が発生しています。

今のところ日本の方には来ないようですが、今後どのような進路を進むか分からないようです。

もう11月と言うのに訳がわかりません。

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