週刊柏﨑 第324回_接骨業界の再構築について

京都は去年の暮れ位からものすごく寒くなって、今年になっても一向に寒さが収まりません。冬であるのだから当然と言えば当然なのですが、何か昨今は暖冬というのが当たり前になっているので納得が行かないのです。しかしながら、早朝に毎日行っていた(出張の時は除きます)、犬の散歩が、愛犬の突然死によってなくなった為、例年より寒さを実感することが減ってきていて、私に関して言えば、この厳しい寒さもあまり影響はありません。新型インフルエンザのあの騒ぎは今はもう昔、皆様お元気でお過ごしでしょうか?
今年の正月は、あまり正月という感じがしなかったのですが、今週「門松」を片付け、平常運転となりました。体調だけはバッチリの柏崎でございます。
あのJALが、近日中に会社更生法を申請するとの事です。グループの従業員4万8千人、年間売上2兆円。金融機関を除く事業会社としては、史上最大の倒産であります。日の丸を背負ったフラッグ・キャリアとして、日本を代表する航空会社であったのですが、時代の荒波には逆らうことが出来なかったというか、あまりにも国政に翻弄された感が否めません。
政権が変わったことで、JALの政治利用価値も低下していたことだし、今までの膿を出して、新生JALとして再建して欲しいと思います。それにしても、日本に無意味にこしらえた空港は、今後どうなってしまうのでしょうか?飛行機の飛ばない空港って、存在価値があるのでしょうか?そして、その責任は誰がとるのでしょうか?前政権の責任は重いと思います。経営改革というのは、本当に大切であると痛感します。
以前の国鉄と同様、親方日の丸で決して壊れることはないという驕りは、こんな大会社も倒してしまうのです。何回も言って来ましたが、「稼いだ金の範囲で生活する」。こんな誰でも解る常識が、組織が巨大化することによって解らなくなる。それがJALのような大企業でも日本という国でも一緒であると、認識しなくてはならないのです。
少し前フリが長くなりました。
 
皆さんは接骨医院というところに、行った事がありますか?
エーエルジャパンは、全国の接骨医院に組合を通して商品を卸しているため、色々な接骨医院とお付き合いさせていただいております。この接骨医院は、柔道整復という国家資格を持った先生が運営をしているところが大部分であります。
私は常々、体に痛みを感じたら、医者に行くよりこのような接骨医院に行くことをお薦めしてきました。
なぜなら、体の痛みの原因は、筋肉のコウケツ、要するにコリによって起こることが多いからです。
日本の病院というのは、基本的にレントゲンに映る異常に対しての処置しか出来ないと考えています。それは骨折や脱臼であり、その治療としては最適であると思います。しかしながら筋肉の異常というのはレントゲンで映りませんので、どんな症状であろうとも、医者の判断は原因不明の痛みで、処置は安静にして湿布ということになるのです。
ですから、このような筋肉異常からの痛みに対し、正しい筋治療ができる接骨医は絶対に必要であるのです。
このような筋治療が出来る医療従事者は、他にPTと呼ばれる理学療法士、鍼灸師、カイロプラクティクス、整体師などがいます。これらの方々には、鍼灸師を除き、いわゆるマッサージによって、患部に対し治療を行います。この中で、健康保険による治療が認められているのが、柔道整復師=接骨医院なのです。
PTや鍼灸師は、医者による指示書がある場合は、保険適用となります。実は、前年の事業仕分けによって、この接骨医の健康保険適用に対し、見直しが入ったのです。私の友人に聞くと、接骨医院というものを保険のきくマッサージ屋と考えていることが多いのですけれど、医院で保険適用となるのは、どうにもならない痛み=急性期に限られていて、慢性的な症状には適用になりません。しかしながら、この保険を急性期・慢性期という区別をせずに保険申請をしている接骨医院が殆どであると考えられているのです。
そして規制緩和によって、柔道整復士の学校が全国に乱立し、すごい勢いで柔道整復師が増えていて、その為に接骨医院の開業が相次いでいるのです。(なんせベッドがあれば、開業出来るのですから。)その人達が全員保険申請するのですから、保険料は膨大になってしまうのです。ですから、保険適用の制限は、はっきり言って仕方のないこととは思いますし、カイロや整体などは元々保険などないのですから、きっちりとした治療が出来れば、保険がなくてもちゃんとやっていけると思います。
私が親しく付き合っている岐阜整骨院の中辻先生は、昨年から一切の保険診療を辞めてしまったそうですが、顧客数は減っていないそうです。要は治療の技術が大切ということです。その上で、現在全身から顔面の筋治療をすることによって、アンチエイジング美容という新しい分野を開発し、東京青山にサロンを出し、予約が取れない程の状態であります。
昨年、角川書店から出した本は、すごく売れたとの事ですし、TVや週刊誌の特集でひっぱりだこであります。こうやって考えると、接骨(整骨)業界もまさにJALと同じ、国からの支援金=保険をあてにしていれば、いずれ立ち行かなくなることは間違いないと思います。
筋治療というのは、絶対に必要であるものなのですから、今までの意識を改革し、この世の中に埋没しない接骨業界を構築して欲しいと思います。私も微力ながらお手伝いして行こうと考えています。

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