自己責任        週刊柏﨑 第209回

秋らしい日になってきました。ただし1日の寒暖の差がかなりあり、風邪を引く人が増えているようです。10月は、1週、2週とQVCの放送回数が結構入っていて、少々疲れ気味ではありますが、お呼びがかかるうちはありがたくお受けしています。
10月6日にとうとう52歳となってしまいましたが、自分に歳相応の実感と自覚がありませんので、なんとなく変な感じです。
ただ、土日の子供の野球の父兄では、私はぶっちぎりに年長者なので、この時ばかりは、自分の歳に愕然としてしまいます。
皆様、お元気でお過ごしでしょうか?

この頃のニュースを見ると第三者として冷静に考えると「アホちゃう!」という記事があります。そのひとつが、何年かに1回で必ず起こっているマルチ商法の被害です。L&Gという会社が、1000億円という途方もないお金を集めて破綻しました。この会社、なんと年率36%という元本保証の貯金みたいな出資を募っていて、それに加えて、円天とかいう電子マネーを出資額と同額でばらまいていたわけです。合計なんと136%。
配当というものはそもそもその元本を運用して、利益をだすことを前提に成り立っています。136%ってどうやったら、こんな配当が可能になるか、冷静に考えたら解るだろうと思うのです。こういったマルチ商法被害が出るたびに、テレビや新聞では、加害者に責任があるのは当然だが、被害者に同情はできないとのコメントがよく載っていますが、私からみると、この手の事件は、「またですか・・・」という感想しかないです。
でもよくよく考えると、こういうマルチ商法というのは、1度やったらやめられないものかもしれません。こういう会社の社長や役員は、いつも同じ人間が就いていることが多いし、ひっかかる人間もマルチ経験者が多いのだそうです。
要するにマルチ事件が、何年かに1度起こるというのは、初めは組織も小さく、集めたお金を配当に廻すというネズミ講式の自転車操業が上手くいき、出資者も本当に儲かるのですが、出資者が増え、組織が巨大化していくと、そのシステムが行き詰る。その周期ごとに事件が発覚するという具合です。ですから骨のずいまで、マルチ教に犯されている人々は、今度はやられないぞとは思っていても再び投資に走るという、まるでパチンコ中毒の様になってしまうのです。でも、マルチ商法事件というのは、個人の責任ということで片付けられますが、イラクやアフガニスタンなどに旅行や活動に出かけるというのは、そうではありません。つい最近もミャンマーで、報道ジャーナリストが殺されたり、イランで大学生がさらわれました。ちょっと前は、韓国のボランティアが団体でイラクに拉致され、何人かが亡くなられました。こういった危険地域で、事件が起これば、それは国として何らかの救済策をとらなくてはならず、我々の税金が投入されます。
これらの事件の被害者に対しては、お気の毒とは思うのですが、私としては、自分の責任と考え方でお金を投資したり、危険地域に行く訳ですから、そのリスクは自分で責任をとって欲しいのです。なんの考えがあるにしろ危険地域に出かけて行って、危害を加えられる、これは決して国家の責任ではなく、個人に帰属することだと思います。
証券会社に勤務してから、今まで、投資ということにはプロとしてやってきましたが、結果は全くダメです。でもそれは、自分の責任でやった訳で、誰のせいでもありません。また、私は臆病ですので、危険な処には絶対に行かないし、行かされることもありません。私のような方がおそらく大部分だとは思いますが、自分がしたことの責任は、自分で持つようにしましょうね。

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