高校生ドラフト会議         週刊柏﨑 第208回

涼しくなってきました。少し前の暑さが、ウソのようです。
先週末にちょっと涼しくなった時期には、すぐまた暑くなると言っていたのですが、今週に入っても引き続き涼しいままで、このまま冬に突入といった感じもしてきました。商売をしている側としては、夏は暑く冬は寒いという毎年のお約束事がきちんと実行された方が良いのです。ただ、今年は暑さが異常だっただけに、冬も暖冬になりそうだと考えています。
皆様、お変わりございませんか?
今週プロ野球の高校生ドラフトが、行われました。くじひとつで前途有望な高校生球児の一生が決まってしまうということに以前から、ドラフトのあり方には賛否両論がありました。それが、巨人軍の人気の衰退からか、ドラフト上位に指名されると思われる有名選手が、プロだったらどこでもOKという感じになってきたのは、非常に良い傾向だと思います。昔は有名選手が、人気のないパリーグの球団に指名されると露骨に嫌な顔をしたり、さも当然とばかりに、この球団は嫌だからと大学に行くことにしたり、社会人になる、といったことが普通だったのがウソのようです。今年はビッグ3の選手、大阪桐蔭の中田選手は日ハムに、仙台育英の佐藤選手はヤクルトに、成田の唐川選手はロッテに指名されました。どの選手もプロに進むということで、晴々とした表情で、見ていて感じが良いと思ったのは私だけではないと思います。
しかし、私は思うのです。彼らだって、好きな球団や選手があるのであって、野球というものをただの職業ではなく、夢の職業として考えるのであれば、入団を拒否した江川選手や涙を流した清原選手の方が、よっぽど子供(でもないか)らしいといえないかって。私が、子供の頃は、それはほとんどの子供がジャイアンツの帽子をかぶっていたし、野球をすれば、俺は王だ、長嶋だ、と皆が王選手、長嶋選手に憧れたように、プロ野球選手になるイコールジャイアンツに入団するという感じだったのです。
それが、今週のジャイアンツのセリーグ優勝のTV放送がCSでしかオンエアされていなかったように、野球の人気が落ちてきているのです。しかし、私が思うに、それはジャイアンツというチームを見ると明らかなのですが、昔から人気にあぐらをかいてきた球団に限られていて、地方に本拠地をかまえる日本ハムやソフトバンクなどは、地方局で必ずTV中継があるくらい人気があるのです。この違いは、私達の業界にも言えることですが、顧客=ファンを大切にするということが、できているかいないかなのです。自分達が持つ商品(野球だったら選手)だけに頼っていては、いずれ人気は落ちるのです。常に顧客(ファン)に対して、これからも応援して下さい、という心がこもったメッセージを出していかなくてはならないのです。これに失敗したのが、ジャイアンツであり、自民党であり、相撲界だと私は思っています。
また野球に関して言えば、野球というものを給料の高い職業だと、子供達やその親もとらえている傾向があります。うちの息子はシニアリーグに所属していますが、こういった少年野球の頃から職業として野球をとらえている子供や親がものすごく多いのです。シニアやボーイズなどのチームで有名になると、有名高校からスカウトがきます。そこで、甲子園に行ったり、力のある指導者に教えを請うことによって、プロ野球に入る道ということが具体的にわかってくる、少なくとも私の子供の頃は、こんなレールはなかったのです。そうすれば、あの先輩はドコドコのプロ野球チームに入ったとか、あの指導者に頼めばドコドコのスカウトに見てもらえる、などの情報が入ってくる。夢ではなくなった以上、球団はどこでもいいわけで、それで今のようなシステムが出来上がっているのです。ただ、このところ、そういった子供も野球だけやっていては、ダメという気運が高まっていて、勉強もするという子供が増えています。
うちの息子にもいわゆる「野球バカ」にはなるなと言っていますが、「そんなの当然じゃん」と言われると、息子はなんぼか成長しているな、と思う今日この頃です。

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