後期高齢者医療制度 週刊柏﨑 第236回

桜の花もあっという間に散ってしまい、京の桜にはピンク色の花弁が残っている状態となりました。新緑の葉桜へと変化する間、この花弁が落ちると掃除が大変です。東京の実家の前は、200~300mに渡って桜並木で、いつもこの時期は家の前を掃くのが毎日の日課でありました。
このところ暑くなったり、寒くなったりと、コロコロ陽気が変わりますが、皆様元気でお過ごしでしょうか。
先日ニュースで、堺市の猿山のメタボ猿のことを報道しておりましたが、あのような運動も出来ない環境で、外から見物人からエサを与え続けられると、普通の猿なら考えられないようなデブ猿になってしまうのです。かたやライオンは自分で狩をする為に、絶対デブにならないようにセルフコントロールをします。どんなに大きなエサ(動物)を捕獲しても、一定の量を食べると残りには見向きもしません。皆さんも猿になるかライオンになるか、大切なのは必要以上に食べないセルフコントロールです。これさえ実行出来れば、先頃決まった悪法、特定健康検査・特定保健指導案の法律にひっかからないで済むのですよ、ハイ。
でも悪法といっても、特定健康検査・特定保健指導案の法律は、面倒であっても要は痩せればOKであるのですが、今週施行された「後期高齢者医療制度」は、数年前から施行されている「障害者自立支援法」とともに、本当に悪法であると思います。以前、私が勤めていた証券会社には、何人か軽度の身体障害を持った方々が社員として働いていました。
その当時、人事部にいた同期から、上場企業はその総社員数に応じて、身障者を雇用する義務があって、もしその約束を果たせない時には、身障者の不足分1人につきいくらというペナルティを役所に支払うというルールがあり、ほとんどの企業は身障者の雇用よりペナルティを払うことを選択し、国もそれを認めているということを聞いたことがあって、「ずいぶんだなあ」と感じたことがあります。要するに、身障者は軽度であっても雇用側から見ればやっかいものという扱いを受けていて、本当に国が責任を持って救済し、生活をしていく道を提供するという義務を負わなくてはいけないと思います。
その道を閉ざす様な、名ばかりの「障害者自立支援法」は、即刻廃止するべきだと考えています。にもかかわらず、今度は、75歳以上のお年寄りに負担増を求める法律の施行を行いました。
それが「後期高齢者医療制度」であります。元々2006年6月、小泉政権下で強行採決されたのがこの制度であるのですが、その後段階的に、70歳以上の医療費の自己負担が増やされ、とうとう今週から実施となったのです。なにせ少ない年金から保険料を強制的に天引きされ、さらに結果的に受けられる医療が今後どうなるか分からないという不安感。この国はいつから弱者にとってこんなにひどいことを平気で行う様になってしまったのでしょうか。
日本国憲法は、基本的人権を唱っています。それは、国民生活に権力が干渉しないように求める権利で、これらの法律ははたして守られているのでしょうか。特に今回の制度で、私が問題と思うのが、私の母親を含む扶養家族から引き離される200万人の75歳以上のお年寄りです。特別措置(とりあえず半年はタダ、来年4月から半分負担、2年後より満額の支払い)はありますが、扶養されているというのは所得が限りなく少ないということですから大変です。去年九州で「おにぎりが食べたい」と言い遺して餓死した方がおられましたが、せめて高齢者や身障者、生活保護などの方々は、せめて国がある程度の生活の面倒をみるなどの制度を作るべきです。そうでなければ、経済大国なんてチャンチャラおかしいと思いませんか?
お年寄りは国の宝。高度成長時代の日本を支えてくれた方たちなのです。そして私達が子供のころから教えてこられた、弱い人達を助けるという教え。道路やダムを作ったり、軍艦を買うお金があるのだったら、天下りの法人に出す金があるのだったら、お年寄りや身障者に使う、これって当たり前だと思うのです。

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