週刊柏﨑 第747回 27年ぶりに台湾に行ってきました
朝晩はかなり涼しくなりました。
日中もそれなりに気温は上がりますが、明らかに秋めいてきて、雲の形も以前と違いますね。
先週は台湾に出張していまして、このコラムを一週お休みしてしまいました。
このコラムを楽しみにしている数少ない方々にはお詫び申し上げる次第です。
実は、帰国後に頑張ってコラムを更新する予定でありました。
しかしながら、申し訳無いのですが気力的に、それもかないませんでした。
例の台風21号の影響で関空が多大な被害を受けまして、台湾から関空に帰る便がキャンセルになったため、急きょ羽田便に変更したのです。
しかも羽田から品川に出て、京都に帰るために飛び乗ったのは、最終の新幹線でありまして、それも連休前ということで席は満席でありました。
新横浜駅を過ぎたところでなんとか空いている席を見つけて、座れたことが本当にラッキーでありました。
家に着いたのは0時を廻っていて、シャワーを浴びて倒れるように寝てしまいました。
皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。
証券マン時代の1989年~91年、ひと月の半分位を台湾で暮らしていた訳でありますが、それから27年、台湾台北は大きく変貌していました。
まあ、当たり前と言えば当たり前なのですが、市内は地下鉄が整備され、高速鉄道も日本製新幹線が走っています。
9月12日に羽田から台北松山空港に着いたのですが、何せ大昔前のことなので殆ど記憶が有りません。
松山空港は基本的に国内線ターミナルが殆どでありまして、日本で例えると羽田空港と同じ位置づけです。
当時は、私は台北市の仁愛路と新生南路の交わる交差点のそばにマンションを借りていまして、そこから歩いて5分程のオフィスに通っていました。
台湾での仕事は台湾の投資家の資金を預かって、その資金で日本株の運用をすることでした。
同時に台湾の投資家を勧誘することもしていましたので、日本の休日は台湾全土を飛び回っていて、台南、高雄などに行くときは必ず松山空港から国内線で移動していました。
今でも衝撃的な記憶として覚えているのが、作家の向田邦子氏が乗った台南行きの飛行機の墜落事故でありまして、実は当初は同じ日に台南に出張に行く予定で、同じ便に乗る可能性があったのです。
台湾という国は国土が九州と同じくらいの面積ですが、そこに富士山より高い山が3つあります。(新高山もそうです)
台湾上空は複雑な気圧配置になっていまして、それが常時変化しています。
それで飛行機の揺れが半端ないのです。
それまでも、高雄行きの飛行機でエアーポケットに入ってしまったことがあり、その時は飛行機がいきなり数百メートル高度を落としまして、機内サービスの飲み物が機内で宙を舞ったことがあります。
その時は出張がキャンセルになりまして、事なきを得たのですが、ご存知の方も多いと思いますが向田邦子氏はその墜落事故で亡くなりました。
ショックを受けた私は、日本の本社に電話して、もう台湾の仕事をやらないと国際部の役員に訴えましたが、毎月の経費の枠を大幅に増額する魅力あるオファーを出され、結局は金で台湾業務を続けた訳であります。ハイ
話は元に戻りますが、松山空港に入るアプローチは当時の面影を残していますが、それでも空港内は大きく変貌を遂げています。
宿泊したホテルは松山空港から車で数分の西華飯店でありました。
台湾という国は、同じ中国系の香港やシンガポールなどに比較すると、良く言うと庶民的、悪く言うと田舎くさいところがありますが台湾国民はフレンドリーで優しいイメージがあります。
多分、商売をするには、私的には間違いなく台湾が一番であると思います。
今回は台湾のパートナー企業と台湾のテレビ通販と健康食品の会社とのミーティングをすることを目的にした訪台です。
台湾にはQVCやショップチャンネルのような24時間のテレビ通販会社が3社あるようです。
一番の大手がMOMOTV、二番が東森TVで、三番目が名前は失念しましたが三井物産が参画して立ち上げた通販会社だそうです。
台湾の人口は2千3百万人と日本の5分の1位であります。
市場規模は日本の7分の1といいますが、テレビ通販に関してはMOMOと東森は売れ上げがいずれも1千数百億円といいますから24時間テレビ通販においては日本より市場規模は大きいと推測されます。
日本と違うのはMOMOも東森もチャンネルを3~4チャンネル持っているということです。
だから同時に様々なカテゴリーのライブ番組を同時に放送しています。
ただ通販番組の内容としてはかなり違っていて、健康食品や化粧品について台湾の場合は殆ど商品の成分や特性の説明はしません。
フリップも使いませんしね。売り方としては、有名人が使っているとか、日本の有名ブランドであるとか、「凄い、凄い」と結構大騒ぎして販売するお祭り形式です。
エーエルジャパンの商品として台湾に紹介したのが「緑のDHA,EPA」、「クロワールアイプロ」「クロワールルテイン&ゼアキサンチンゼリー」です。
台湾でも植物性DHA,EPAやルテインとゼアキサンチンには非常に興味を持ったようで、今後の台湾での販売に期待を持つことが出来ました。
今回の台湾訪問で一つ気付いたことがあります。
それは、日本いう国の間違いない衰退です。
先ほど書いたように台湾で十数年前に三井物産を中心に台湾でテレビ通販を立ち上げた時に、日本の業者がこぞって台湾に進出したのです。
今のQVCに出演しているゲストもそのライブに出演したりしたのです。
結果的にその進出は上手くいかなかった訳です。
その失敗には色々な要因がありますが、第一に値段が高かったということです。
ところが、今回MOMOや東森というテレビ通販の健康食品の値段を見る限り、むしろQVCの値段の方が安いのです。
実はMOMOでも植物性DHA,EPAのサプリがあったのですが、パウダータイプでハードカプセル、配合量は全く記載されていません。
それが一か月分で4000円近くと「緑のDHA,EPA」の倍以上するのです。
他の健康食品についても同様で価格面で日本製品が見劣ることは有りません。
要は、この10数年の内に台湾は所得が上がり、それに伴って物価も上昇したのです。
これは、中国や香港、シンガポールなども同様で、日本が長きに渡って低迷している間にアジアなどの他の国は大きく発展しているのです。
ここ近年、日本を訪れる外国人は大きく伸びています。
それは、日本は外人にとって物価が安い国であると言う面もあると私は思います。
公共料金や高速代、電車賃などは間違いなく世界で有数の高額な国ですけどね。
日本は島国であり、余り海外の状況が詳しくは入ってきません。
日本が世界有数の経済大国だと言うのは、今は昔。
10数年間日本は殆ど成長をしてこなかった、その結果日本を多くの国が追い越していったという事ですね。