農薬             週刊柏﨑 第176回

本来なら京都で一番寒い時期なのですが、全くそんな感じがしません。
会社の屋上から京都の北部の山々が見えるのですが、山の色は黄緑色で、もはや冬の色ではなくなっています。
2月18日・20日のQVCのTVオンエアー後、商用で南房総に行ったのですが、梅は満開、菜の花畑は黄色く色を染めていましたし、名産のキンセンカもオレンジ色で、お彼岸の出荷まで花がもたないとのことでした。
風邪よりも花粉症で具合の悪い人が多いみたいですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか?
 
先日、栃木県産のいちご「とちおとめ」から、食品衛生法で定めた基準値の約9倍に当たる有機リン系殺虫剤(ホスチアゼート)が、検出され、出荷したいちごを回収し破棄したとの記事が出ていましたが、今週に入り、山口県産の春菊から使用が禁止されている殺虫剤「フェンブロバトリン」が基準値の200倍超検出されたと発表されました。
いづれも出荷された野菜類を食べても1日摂取許容量は、大きく下回り、健康への影響はないということなのですが、最近、この手の話が多すぎると思うのです。
以前、取引先の担当者が、自分のいなかでは(場所は明かせませんがイチゴの有名な場所です)、地元の人間は絶対にいちごは食べないし、学校給食にも出ることはないと言っていましたし、他の地方でも野菜や果物の農薬に対する話をよく耳にします。
例えば、これは北海道であったことなのですが、カボチャから殺虫剤が基準値を超えて検出されたのですが、この農薬は1972年に農業では使用していないにもかかわらず、地中で分解するのが困難なために検出され、問題となったのです。
こうなってしまうと、農薬というよりも土と水にまで、注意を払わなくてはならない訳で、合成添加物や防腐剤なども考えるとそれこそ私達のまわりに食べるものがなくなってしまう状態なのです。
 
そもそもポジティブリストというものは、利用可能な農薬をポジティブ=積極的に農薬の残留基準を決めて、消費者の食の安心・安全をはかるもので、ネガティブ=消極的に農薬は全部ダメというのではないのです。
それなのに、結果的には農薬=イケナイ物ということがひとり歩きをしてしまって、業者を苦しめる法律に変わってしまっているというのが実感です。私の友人のイチゴ農家が、無農薬イチゴに挑戦したところ、全ての葉の裏側に虫がギッシリ付いてしまって、初めはその虫をつぶしたり、取ったりしていたのですが、どうしても出来なくなって断念したと言っていました。たまたまクロワールは、農薬が出ませんでしたが、安全な量の農薬を使う分には、私も仕方のない事だと思うのです。たとえ無農薬であっても他の畑から農薬が飛散してきて、作物についてしまうこともあるのですから。
私たちは消費者として、生産者の気持ちもよく理解する必要があると思うのです。

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