微生物を用いた商品 週刊柏﨑 第202回
あい変わらず毎日暑い日が続いています。夏の甲子園大会もとうとう終わってしまいました。中でも県立高校の佐賀北の躍進には、目を見張るものがあります。高校野球では今年の初め、特待生問題がクローズアップされましたが、公立校でも頑張れば出来るということを実証した結果となっています。スポーツも勉強もというのは、やはり高校生ということを考えれば当然といえば当然のことで、公立校の佐賀北が優勝したのは、本当にうれしく思います。
皆様、お元気でお過ごしでしょうか? 私は、子供の野球のお供で、少々疲れ気味です。
さて、私達が携わっている通販業界で、このところ由々しきことが起こっています。それは、生活雑貨のカテゴリーにおいて、効き目が100%証明できなくては、販売はしないというスタンスです。特に微生物を用いた商品については、ほとんどの媒体(TV・ラジオ・新聞など)がおよび腰であります。 例えば、微生物を利用したカビ取り商品とか、脱臭商品、ぬめり取りなどが、それに当てはまります。微生物というと少々聞こえが悪いかもしれませんが、乳酸菌とか酵母菌などは、体にいいというのは誰しもご存知だと思います。酸素を好む好気性微生物というのは、我々にとって良い微生物が多いのです。
微生物がなぜ注目されているかというと、
- 使用しても生態系を乱す恐れがない
- 水や土壌や作物への汚染や残留性がない
- 人間に危害や薬害がない
- 害虫や病原菌が、薬剤と違って抵抗性を持ちにくい
などの理由があります。 よって、微生物による土壌汚染や河川浄化などには、環境にやさしいということで、国から多額の補助金が支給される一つのテーマになっています。しかしこういった一大プロジェクトで、微生物などに携わる企業が利益を出すことは極めて困難で、ほとんどの企業が、微生物を利用したカビ取り剤とか、消臭とか、洗浄の生活雑貨を作って販売しているのが現実なのです。
これらの商品は、効果において良い物、悪い物と様々であることは確かなのですが、間違いなく大手メーカーが販売している塩素やリン酸などの化学薬品を用いたカビ取り剤や消臭剤よりも割高で販売されています。
ドラッグストアなどでは、化学薬品を用いた製品の倍以上で、販売されていたりして、なかなか販売しづらいという面があります。それをカバーしていたのが、通販業界だったのです。
TVやラジオで時間をかけて環境面とか人体に良い面を説明したり、新聞や雑誌で紙面をさいて解説することにより、安全性とか環境を考える方たちに販売することができたのです。 ここで始めの由々しき状態のところへ戻ります。
そもそも微生物というのは、原理は解っていても、まだまだ働きが100%解明できていないものが多かったり、実証するのに何千万円もお金がかかったりしてしまうのです。
「カビは取れました、臭いは消えました、しかし多分これは微生物のおかげです」
では、ダメということなのです。化学薬品の製品が、安全性や環境面でよいものならこんなことは言いません。しかし、化学製品の説明文を読んでみると、「人体に危害を与えるので気をつけて使用しましょう」とか、「この流しには、塩素系洗剤は使用しないで下さい」とか、書いてあるのに、それっておかしいと思いませんか?
私は、何も化学薬品の商品が全部悪いといっている訳ではないのです。 商品の使用を気をつければ、何の問題もないし、確かにカビや臭い、ヌメリには効果はあるのですから。しかし、国が環境面や安全性で推奨している微生物を用いた商品が、100%実証できないからといって、通販業界から排除されてしまうことに私は、疑問を感じているのです。本当に何とかならないのでしょうか?