週刊柏﨑 第482回_ファンドマネージャーの実態について

冬真っ盛りという感じで、全国的にもの凄く寒い日が続いていますが、関西ではこのところ穏やかな日が続いています。各地で大雪が降っているとの報道を目にしますが、関西ではほとんど雪が降りません。出がけに庭の梅のつぼみが赤く色づいていることに気付いたのですが、春はもうそこまで来ているのですね?

今年もあっという間に一カ月経ちました。

何かが変わった訳ではないのですが、円安になって株が上昇しています。これが、長く低迷していた日本の景気を良くするような起爆剤になって欲しいのですが、個人的には中々厳しいものがあると考えています。もちろん、株や不動産などの資産価格が上がることは良い事と思います。しかしながら民間、特に一般国民に対し資産価格の上昇は余り実感が無く、むしろ円安やインフレ誘導による食品やガソリンなどの物価高に伴った、家計の支出の増大が国民の生活を圧迫すると思います。

それに消費税が増税になる訳ですから、政府が目指す2パーセントのインフレターゲットどころか、体感的には5~10パーセントの物価高になりそうです。ここのところのこのコラムで、物価が上がるのだったら、その分給料が上がらなくてはならないと大変ですと書いてきましたが、経営サイドの言動を聞くと、多分給料が上がることはありませんね。基本値段というものは、需要と供給で決まります。定年延長とか公務員の給料を引き下げて、供給側をジャブジャブに国が率先してやっているのですから、民間企業が従うはずがありません。皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。

先日、みのもんた氏が朝のテレビで、国がデフレ脱却の為のインフレターゲットで、2パーセントの物価高を目指すことに対し「なぜ物価が上がることが国民の為になるのか?」と番組コメンテーターに質問していましたが、それに全く要領を得ない答えをしていた経済評論家に笑ってしまいました。要は、日本が再び昔の栄光を取り戻すべく経済成長路線になるには、デフレでは不可能であって絶対インフレでなければなりません。インフレ=物価高であるのですから、みのもんた氏がおっしゃるように国民は誰も喜ばない、それでは誰が喜ぶかといえば、収益が増える企業や税収が上がる役人、企業献金を貰える政治家であります。しかしながら、インフレになろうと何になろうと日本が再び成長路線に戻ることは出来ないと思います。前にも言いましたが、人口、特に若年層が減少している国は、基本シュリンクするしかありません。偉い人達は企業が儲かれば、給料は上がるし、雇用も増えるといいますが、先に書いた通り、儲かっても給料も雇用もダメ、だってこの失われた20年、日本の企業は人件費を削ったり、工場を海外に移転することでやってきたのですから、今更逆戻りは出来ません。だから国が仕事を創らなくてはならない訳ですが、なんかの一つ覚えではないけれど、毎度の公共工事、やらないよりマシではありますが、これでは今の国の労働問題は絶対解決出来ませんし、景気も良くならないと思います。

さて、今週マスコミを賑わしている事件が、スイス在住のセレブ資産家夫妻の失踪、殺人事件であります。この資産家の職業がファンドマネージャーということでありまして、昔同じようなことをしていた私としても、まあ人ごととは思えないようなことなのです。この方は新聞等でみる限り、一等地や外国に複数のマンションや不動産を所有し、高級外車を乗り回し、スイスと日本を往来するようなセレブ投資家、かたや香港から無一文で逃げ帰ってきた、株屋くずれのファンドマネージャーの私と全く比較しようもありませんが、人生一寸先は闇でありますな。実際全く芽が出なかったおかげで、こうして皆さんや社員さんに支えられて、なんとか生きながらえております。テレビ等でファンドマネージャーのことを色々言及していますが、この方の場合、普通のファンドマネージャーではなく、ちょっと特殊なというか非常にリスクのあるファンドマネージャーであった模様です。

お金を投資家から募って、一つのファンドを組成し、お金を株とか債券、為替などに投資して収益をあげるのがファンドマネージャーのお仕事であります。日本の場合、大部分のファンドマネージャーは銀行や証券会社のサラリーマンであり、ファンド運用で大失敗しようと責任は取らなくていいし、給料ももらえます。かたや外国の運用会社のファンドマネージャーに多いのは、給料は運用しているファンドの運用益からというもので、そうなると運用に失敗すると給料はありませんし、すぐ責任を問われ首にもなります。それでは、この被害に遭われたセレブファンドマネージャーはどちらかというと、はっきり言ってどちらでもありません。この方がファンドで扱われている株式の銘柄が非常にリスキーであったと報道されていましたが、普通のファンドでは絶対売買するようなことはありません。普通ファンドマネージャーは、ファンドに組み入れる株式を選ぶ時、何を基準にするかというと、それはその組み入れた銘柄が上がるという信念それ以外ないのですけれど、基本絶対倒産しない、多くの資産を保有している、そして業績が良い将来において有望な事業を展開している、これらの材料であります。この材料は、もし思惑通り株があがらない場合、投資家や上司への言いわけとなるわけです。

ですから、普通の場合、お客様の大事なお金を、明日にでも潰れてしまうような銘柄に全部突っ込むようなことはしませんし、それを許すような投資家がいるわけもないのです。しかしながら、広い世の中、蛇の道は蛇といいますか、こういうリスキーなぼろ株を専門に扱う輩がおりまして、実際この方のファンドはそのようなファンドであった可能性が高いということが報道されていました。仕組みについてはまた後日にします。株や債券、為替の投資(投機)をしていて成功者というのはあくまで「今のところは」ということで、ゲタを履くまでは解らないということであります。全てを清算して、もう二度と投機の世界に足を踏み入れない、ここまでしてお金が残った人が成功者ということです。

この方、お金持ちだったかもしれませんが、本当に精神的には、苦しかったと思います。

心からご冥福をお祈り申し上げます。合掌。

柏崎

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