意外と知らない「一型糖尿病」のこと。
「一型糖尿病って、どんな病気?」と聞かれて、あなたはすぐに答えられるでしょうか? おそらくほとんどの方が、名前だけは聞いたことがあるけど、一般的な糖尿病とどう違うのかがわからないのではないでしょうか。 今回は知っているようで意外と知らない一型糖尿病のことを掲載していきます。
一型糖尿病
子供時代に特に発症することが多い病気(10万人に2人程度)。 主に、自己免疫の働きによって引き起こされる病。 「糖尿病」と一般的に広く言われているのは、加齢や生活習慣が原因となる「二型糖尿病」のことです。 二型糖尿病は、糖尿病患者の約95%を占めます。 一型糖尿病は自身のリンパが誤って、上がった血糖を下げるインスリンを作る機能を破壊してしまうことだと考えられていますが、その原因は未だハッキリしていません。 インスリンを体内で作ることができない一型糖尿病の方は、一生インスリンを打たなければ生きていけません。 インスリン注射は日常に密着するため 自分で打つようになるのですが、インスリンの量を増やしすぎると「低血糖」に、量が足りなければ「高血糖」に陥ります。
今も、一型糖尿病は社会に受け入れられてはいない
一型糖尿病の方は先に記したように、毎日インスリンを注射しなくては生きていけません。なので、学校や会社で落とされることが少なくないです。 「前例がない」という理由で、入学や就職などで断られたケースも目立ちますし、他の児童が沢山いる教室内などで、注射を打つことを良しとされないのもその理由の一つ。中には、40校の幼稚園から入園を断られた女の子もいます。 こうした「一型糖尿病の子供が入園を断られるケース」は、全体の25%に上ると発表されています(大阪市立大病院 患者の会が集計)。
親が心配なのは、子供の将来
一型糖尿病の子供をもつ親が心配なのはやはり、その子の将来のことです。 大人側が誤った知識を持っているために、いじめを受けたり、就活で弾かれてしまわないか? といった心残りはどうしても抱き続けてしまいます。 一型糖尿病を患っていても、運動もできますし、働くことだってできます。 今では、遠隔操作で体内にインスリンを注入できる医療機器が出てきたりと、見た目に関する問題も解消されつつあります。 ただ、今一番の問題は注射のことではありません。 発症頻度が10万人に2人と低いこともあり、「一型糖尿病の実態が世間にあまり知られていないこと」です。 一型糖尿病であっても、活躍しているスポーツ選手や音楽家もいます。 20年以上、普通の人と変わらない生活をしている人もいます。 現代の医学では、一型糖尿病が完治させることができません。 だからこそ、偏見や誤解を減らすために、多くの人たちが一型糖尿病のことを知る必要があるように思います。