週刊柏﨑 第347回_迷えども迷えども・・・
梅雨であることは分かるんですが、本当に暑くて、これはもう梅雨時の暑さではないのです。雨の降り方も、九州ではなにか一日で一カ月分の降水量だそうで、もうこれは亜熱帯地域の陽気に近いのではないでしょうか?それでも、京都市の最北部に我が家はあるため、夜は結構寒くて短パン・Tシャツなんかで寝ると、朝方には寒くて起きてしまいます。
まぁ、とにかく体調を崩しやすい季節であることは間違いないので、クロワール茶やクロワール・ファインを飲んで体には気をつけるようにしています。クロワール・ファインは夜に飲むと、本当に朝の寝起きが快調でありまして、この頃は6時少し前にバッチリ目が覚めます。皆様、お元気でお過ごしでしょうか?
大相撲にまたまた大問題が起こりました。現役の大関をはじめ、今のところ数十人の大相撲関係者が、暴力団関係の胴元が仕切る野球賭博に参加していた事件であります。朝青龍の暴行事件とは違って、なんせ数十人という力士が関与していたというのだから相撲協会としても頭の痛いところです。
私が驚いてしまったのは、野球賭博から広がって、麻雀やゴルフ、花札にまで及んでしまったことであります。だって、多分どんな人でも、麻雀やゴルフをプレーするひとだったら、金銭の大小はあるでしょうけれど、賭けてはいるのではないでしょうか。確かに、野球だろうが麻雀だろうが賭けは賭けであって、胴元は国ではない訳であるのですけれど、こんなめちゃくちゃな論理で白黒つけさせたら、それこそ麻雀や花札のルールを知らない外国人力士だけの大相撲になってしまうのではないでしょうか。
私達が当然のように出した玉を換金しているパチンコだって、立派な賭博であります。それに興行というビジネスを考えた場合、どうしてもその道の人たちとの付き合いは、長い歴史の中に避けては通れない道であったというのも理解できます。ですから、今回のようにいきなり全ての関係を清算というやり方は、相撲そのものが消滅するリスクもあるのです。
ところで、私の嫁はとんでもない方向オンチであります。そして、私と嫁の欠点ばかりを受けついた娘も、嫁に劣らない方向オンチであります。彼女らに共通しているのは、この方向オンチであるということを、「いけないこと」とは思っていないことです。確かに裏道まで知り尽くしている、地理に強い女性というのは、何となく違和感を感じないこともないですし、少しくらい道に迷うぐらいがカワイイイという気がしないでもありません。それでも、程度というものがあります。まぁ、彼女らを見る限り、迷っても最終的には何とかなってしまうので、周囲の迷惑さえ感じなければ、「ウチは全然大丈夫」訳のわからない論理が成り立つのです。
それに、嫁も娘も人当たりは良いので、人に道を尋ねるということを、なんとも思っていないのです。以前、嫁から携帯に電話があって、いきなり「ここどこ?」と聞かれたことがあります。「ここどこ?」って、嫁にGPSを付けているわけでもないので分かりません。嫁に関しては、昔、香港の赴任で初めて海外に住んでヘンな度胸がついたようです。
当時、私達は香港島のフォートレスヒルという地下鉄の駅のそばに住んでいました。私が勤めに出ているときに、嫁は駅のそばの中華百貨店に出かけて行ったきり、消息不明になったのです。なんせ、当時から嫁は超が付く程の方向オンチ。外国、要するに言葉が通じない所での迷子というのは、大人でも泣きたくなるものです。20年以上前のことですから、携帯電話なんてものもないし、「こりゃ警察に捜査願いでも出さなきゃならんかな。」と考えていた消息を絶って約5時間後、嫁から会社に電話が入りました。「今どこにいるの?」という私の質問に「わからん。」という答え。「周りに何が見える?」という質問に「看板。」という答え。香港はどこに行っても看板だらけなので、全く場所が分からず、結局、嫁が唯一覚えているゴースウィベイにある「SOGO」にタクシーで行かせ、迎えに行きました。そんなこんなで約4年間、香港という外国に住んで、嫁は方向オンチに関しては全くの改善はないのですが、なんとかなるというヘンな度胸は人一倍付いて現在に至っております。また、近年は携帯電話やカーナビという方向オンチの人にしてみれば、神器のような便利なものがありますので、なんとかなる傾向が尚更強くなっているようであります。
京都という地域は、東西南北が非常にわかりやすいところで、市内は碁盤の目のように道が張り廻っている訳です。京都特有の言葉として、北に行くことを「上がる」、南に行くことを「下がる」といい、道を曲がる時は「東に入る」「西に入る」といいます。また、南北に延びる通りと東西に延びる通りで住所を表したりします。
四条河原町というのは、南北を通る河原町通りと、東西を通る四条通りの交差する場所をいいます。ですから、京都の住所では「四条河原町上がる二筋目東入る」なんて郵便屋泣かせ住所があります。けれど何のことはない、四条河原町の交差点から北へ2本目の通りを右に曲がると分かっていれば、非常に簡単に目的地に到達できるのです。
しかしながら、12年以上も京都に住んでいるうちの嫁と娘は、「そんないきなり上がるだの東だの言われてもサッパリ分からん。」という居直りにも近い発言をしています。まっすぐに迷わず待ち合わせ場所に着いただけで、「すごい」とか言われているのですから、うらやましい限りであります。ちなみに息子は今春から高校に進学して、30分程の自転車通学なのですが、道の話を聞いているととんでもなくトンチンカンなことを行っているのに気がつきました。男の方向オンチは「結構ひいてしまうな」と思う今日この頃であります。