週刊柏﨑 第648 暑くなってまいりました。

大型連休が終了して週初めから京都は、天気が崩れまして結構まとまった雨が降りました。ただ週末にかけて天気が回復し、それに伴って気温も上がって日中は30度近くまで上昇しています。このまま一気に夏というのは、少々早いと思いますが、多分今年も物凄く暑い夏になるのでしょう。相変わらず、街中では海外からの旅行者を見かけます、先日今流行りの民泊施設に登録が必要になり、京都が定めた基準を満たした施設には正式なライセンスが与えられることになったのですが、申請した施設の僅か7%しか承認されなかったようで、京都の宿泊施設不足はまだまだ解消されないのでしょうね。私の家の近所には、多くの普通の家屋を利用した民泊施設があるのですが、路地の奥の長屋みたいな町家風の家から外国人が出てくるのは違和感があります。多分消防法などでは、認められないような施設であります。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。殆ど眠れなかった5日のTSVの疲れがまだ残っていて、年齢的な衰えを感じてしまいますが、私より若いとはいえ、年間に10回以上TSVをこなしている24金滝野順氏には、本当に頭が下がりますな。また、滝野氏はオンエアーが無い時は、日本だけではなく海外も飛び回っているのですから私には到底真似が出来ないことです。滝野氏とは仲良くお付き合いさせて頂いております。どうぞ、お体ご自愛下さい。

世界を揺るがせている「パナマ文書」でありますが、日本では驚くほど静かであります。海外では今世紀最大の金融スキャンダルと言われているのに、海外とはかなり温度差があります。パナマ文書というのは、パナマの法律事務所であるモサック、フォンセカがケイマン諸島とかバージンアイランドとか世界のタックスヘイブン(租税回避地)に関する取引の40年間にわたる業務内容のデーターを記録した書類であります。まあ、確かに合法なのですが、中には明らかに企業や個人の脱税や表に出せない取引や資金の流れがあるスキャンダラスな文書であります。タックヘイブンに創った会社は大体がペーパーカンパニーでありまして、基本的に実態のある業務は行っておらず、あるのはお金の出し入れだけであります。ケイマン諸島というのは、カリブ海に位置する人口4万人程の小さな国で税金がかからない国です。昔アメリカに留学していた時に、遊びに行ったハバナ(カリブ海のタックスヘイブン)で浜辺のお土産屋の裏に洒落た住宅街があり、何気に表札を見たら、全てが有名金融機関であり、なんと名義上の本社であることを聞いてぶっまげたことがあります。その当時からこういう租税回避地を使って税金を払わないようにしていたのですね。ただ、今は各国の国税当局も無能ではありませんから、タックスヘイブンを使っても、そんなに簡単に節税(脱税)することは出来ません。しかしながら、タックスヘイブンに作った会社が、その企業とか個人と全く関係のない会社であれば、この会社に税金を課すことは不可能であります。例えば、エーエルジャパンがケイマン諸島に香港の友人のノーマン君の名義のドラゴンカンパニーというペーパーカンパニーを作ってそこにお金を送金してしまえば、当局としてはそのお金の流れを調査しようがなく、全く関係のない会社への支払いとして資金をプールすることが出来ます。ですから、企業や個人がタックスヘイブンに作ったペーパーカンパニーがその実態と全く違う、要はペーパーカンパニーから実態が分からないような場合は、違法性が高いと思われます。このパナマ文書が何故に超が付くスキャンダルであるかというと、普通は当局の調査が入っても企業や団体から脱税や資金プールしている元が判明することはありません。そりゃ、分からないからこんなことをするのですから。しかし、このパナマの法律事務所から流出したのは、そのペーパーカンパニーを作ったのが誰か、そしてそこを使って誰がどのように脱税したか、裏の取引をしたか、また政治家に裏献金したかが一目瞭然になる文書であります。それも数あるタックスヘイブンの内ケイマン諸島だけで日本の企業、個人が租税回避した金額が、なんと驚きの55兆円です!(しかも2013年時でありますので現在はこんなものでは無い筈です)多分全てのタックスヘイブンにある資金はこの数倍以上はあるでしょう。現行の法人税や個人の所得税を普通に徴収できれば、軽く50兆円超えの税収増であります。このパナマ文書が流出したことによりタックスヘイブンを使っていた裕福層や企業は世界中で非常に立場が悪い状況に追いやられています。最早、簡単ないい訳では言い逃れは出来ません。大体、パナマ文書に名が挙がった有名IT企業のオーナーが言ったのが「昔80万円を出資した」というもの、多分80万円位の費用でペーパーカンパニーを作れます。問題になるのは、前述した通りそのペーパーカンパニーでどういうお金の出し入れをしていたかであって、全く答えになっていません今日本では、消費税が増税され、社会保障問題など国民に負担を強いるばかりで、国民の生活は苦しくなるばかりです。その中で、パナマ文書に名を連ねているような企業や上流階級の個人は、トータルで数百兆円にもなる資金を税金も払わずに海外にプールしているのです。この資金に課税することが出来れば、現行の税収の45兆円が倍以上になり、日本の国家予算委約100兆円も赤字国債無しに賄えるのです。それに、消費税はゼロでもいいでしょう。それだけこのパナマ文書は本来日本にとって宝箱のようなものであり、またタックスヘイブンを使っている側からしたらチョーヤバイ内部機密文書であります。日本は、アベノミクスという超金融緩和策&円安により輸出企業に莫大な利益をもたらし、また株式高や不動産高による金融機関や一部裕福層にも利益をもたらしました。この時言われたのが「トリクルダウン」であり、大企業や金持ちが富めば、やがて下の中小企業や個人に利益が行き渡るというものでした。実際、大企業や富裕層は富ましたが、下にはいかず、トリクルダウンは結果「絵に描いた餅」で終わりました。今回のパナマ文書により、アベノミクスで儲けたお金は、税金さえも払われず、タックスヘイブンに回避されていたのですから。まさに笑い話です。このパナマ文書が公表されたにも拘わらず、日本は余りに静かであります。本来であれば一日中報道されるくらいの大事であるのに、テレビではベッキーが復帰とか舛添都知事がどうしただの、多分日本のメディアや当局は動く気が無いのでしょう。パナマ文書には、色々な企業や個人が絡んでいる訳ですから、与党、野党を問わず政治家やメディアも騒ぎだてたりすれば。自分の頭に突き刺さるブーメランになるのかもしれません。ただ今回は海外からの発信でありますので、外国で大きな問題になれば当然日本として無視は出来ませんから。その辺に期待するしかなさそうです。少なくとも、回避資金に課税だけは絶対にやって欲しいですね。

今、ウルグアイの元大統領ホセ、ムヒカ氏の言葉がブームになっていて、本屋に行くとムヒカ氏の本が数多く出版されています。彼のブームはブラジルのリオデジャネイロで行われた会議でのスピーチから始まりました。ムヒカ氏は世界で一番貧しい大統領として給与の80〜90%を寄付し、10万円にも満たない給与で官邸にも住まず、自分の小さな農園で暮らしています。車は友人に貰った中古のビートルです。彼の言葉で一番世界の心に響いたのがハイパーな消費を喚起するのが人類の関心ごとの中「貧乏なひとは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲がありいくらあっても満足しない人」「発展というのは幸福を阻害してはいけない」という富むことが幸せではないというメッセージであります。まあ、私が尊敬する宮沢賢治を大統領にしたような人ですな。昔、「清貧のすすめ」という本がバブル期にベストセラーになったことがあります。お金はあっても困るものではないし、出来れば沢山あった方がいいと思います。しかしながら、何が何でもお金という風潮はいかがなものかということです。まあ、そう言ってはみても欲をすてるのは中々難しいです。ただ、ムヒカ氏の言葉は一服の清涼剤のようなものであり、タックスヘイブンで莫大な資金をプールしているような人にはその言葉の意味を考えて欲しいですね。

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