週刊柏崎 第850回 コロナの感染拡大に思う

全国的に天気が良く、暖かい日が続いています。秋の行楽シーズンには、とても適した天候であるのですが、恐れていたことが現実になって再び観光業や飲食業に大きな影を落としています。気温の低下に伴って欧米では新型コロナウィルスの感染が増えていてフランスやイギリスでは再びロックアウトを発令しています。大統領選挙が終わったアメリカでも一日の感染者が、18万人になり、総感染者数が1千万人を突破するなどコロナの収束の目途が全く立たないのです。日本でも完全に第3波となり東京や北海道など各地で一日のコロナ感染者が最多となっています。まあ、GOTOトラベルやEATをコロナ渦に推進しているのですから、危惧はしていましたが案の定です。まあ、日本としてコロナ予防より経済を優先した訳ですから仕方がないのかも知れませんが、それでもこのまま手をこまねいていたら日本のコロナ感染者数はこんなものでは無いでしょう。
私にはコロナ予防か経済重視か判断がつきませんが、何も手を打たないで医療崩壊では本当にヤバイことになりそうです。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

先日にこのコラムで言及しました、コロナによって全世界の国々の経済がズタズタになっても株価などのストックは上がるという予想は今の処ですが的中しています。世界各国はコロナ対策としてお金をジャブジャブに刷って補助金として配りました、企業は今迄せっせとため込んできた内部留保を企業維持の為に吐き出して、今や市中はお金がダブついている訳で、そのお金は当然運用に回る可能性が高いということなのです。世界の株価指数はどこも新高値を取ってきているし、貴金属の値段も同様です。それにあれ程暴落すると言われていた不動産価格も上がりこそしていませんが、それ程値下がりしていません。ただ、世界経済が直ぐに元のように戻るということは有り得ないと思っています。ビジネスに関してはビィフォーコロナとアフターコロナではガラッと変わると考えています。
さて、話は重複しますが新型コロナウィルス感染が急拡大しています。全国の新規感染者数は19日に2300人を超えまして、過去最多を更新しました。東京は500人、大阪は300人越えでありまして、多くの都道府県で増加し続けています。インフルエンザ同様、新型コロナウィルスは寒さや乾燥で感染が広がり易く、このままでは爆発的な拡大の可能性が懸念されている訳です。今回の感染には夏場に感染拡大した第2波とは異なる特徴が有ります。東京などでは、夏場は所謂「夜の街」関連のクラスターが悪役にされ、若い世代の感染者が多かったのですが、今回は家族間などの小規模感染が目立ち、年代も20代から70代と広い世代がコロナに感染しています。それだけに、外出自粛位しか対策を持たない政府にとって対象が絞りにくく、効果的な対策が打ち出しにくいのです。気になるのは、政府の認識の甘さです。感染拡大防止に躍起になっている地方の自治体に比べてギャップを感じます。先日、コロナ担当大臣は「このコロナの感染は神のみぞ知る」と発言しました。確かに、この先のコロナについては、誰もどうなるか分からないと思いますが、それはあくまで国政の責任者として「人事を尽くして、天命を待つ」のであって、何もしないで「天命を待つ」とは全く違うと思いますね。まあ、前述ように今回の感染拡大の背景には政府が旗を振る「GOTO」事業が有る訳です。確かに「コロナでやられるよりもその前に干上がる」という人たちの声は理解出来るし、感染防止よりも経済活動を重視する政府の考え方を否定するつもりは有りません。ただ、「GOTO」の主旨というのは、あくまで新型コロナウィルスが有る程度終息してきたら、国のお金で経済活動をサポートしますという支援策である筈です。「GOTOキャンペーン」を推進した結果、感染拡大という火に油を注いだようになってしまったのですから、ここは一回立ち止まって様子を見ると言うのも手であると思うのですが。飲食を4人以下にとか、会食の際、食べている時以外はマスクをしてとか最早漫才のような感じですし、都知事がどや顔で説明した東京都の「5つの小」なんて、役人が寄ってたかって、こんなスローガンを考えているって、冗談としか思えませんな。
個人的には、既に遅いかも知れませんが、国費でPCR検査を徹底的にするのがいいと考えています。当然、賛否両論があると思いますが、考えて欲しいのが「夜の街」のケースです。あの時、クラスターの発生源であったホストクラブの従業員のPCR検査を徹底したのです。その結果、殆どのホストの検査が行われ、多くの無症状感染者が発覚し、隔離されたのです。その結果、「夜の街」関連の感染の拡大は回避され、今では「夜の街」関連の感染者は殆ど出ていません。これは中国の武漢も同様で、感染拡大を止めるには、絶対に無症状感染者を見つけるしか無いと思うのです。確かに、感染者が大量に出れば、医療システムの崩壊を招く恐れは有ります。でも、とりあえず中国はやったのです。コロナ対策では、世界各国によって対応に大きな差が出ています。上手くいった国は多く有りますし、勿論失敗した国もあります。それを参考に分析すれば、必ず正解はあると思います。それが本当の意味の「人事を尽くす」ことであり、今の政府は少し考え違いをしていると言わざるを得ません。
私の主治医の大学病院の教授が言うには、やはりワクチンが早く開発されて、新型コロナウィルスがインフルエンザと同じような病気になるしか、この混乱は収まらないそうです。ただ、医学の世界ではこの新型コロナウィルスの今後についてはかなり楽観しているそうです。それでも私達ビジネスの世界では、新型コロナウィルスになれば、色々な面で制約を受けることになりますし、仕事を続ける上で大きいペナルティーを課せられます。まだまだ、コロナに対する日本人のイメージは変わりません。
まあ、私達は今何が必要か、その優先順位を間違えてはいけませんね。
因みに、私はこの3連休、家で外出自粛であります。

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