週刊柏崎 第841回 大阪なおみ選手の7枚のマスク

大型の台風が連続して日本を通過しまして、朝晩めっきり涼しくなってきました。それでも日中は、それなりに暑いのですが、以前とは明らかに違いますね。まあ、9月も半分を過ぎようとしているのですから、当たり前と言えば、当たり前です。何でも今年の冬はラニーニャ現象で極寒になるとのことなのですが、先日までの猛暑を考えると想像もつかない訳です。
先週末に知り合いが来たので、数年ぶりに貴船の川床に行きました。新型コロナウィルスで観光客が減っていますので、当然空いていると思っていましたが、思いのほか賑わっていまして、GOTOトラベルの効果はそれなりに出ているようです。当日の天気予報では雨模様とのことでしたが、幸い天気も良くラッキーでありました。今や街中ではセミの声を聞くことは有りませんが、意外や貴船では至る処でセミが鳴いていました。少し前の大雨で貴船、鞍馬と市内を結ぶ叡山電車が今でも不通になっていまして、新型コロナウィルスの影響と共にこの地区の状況はかなり厳しいようです。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

先週のこのコラムで日本には「消費税制度が合わない」と書きました。しかしながら、モノを買って、その代金に加算される消費税は基本万国共通で喜ばれる仕組みでは有りません。日本の消費税は現在10%(食品などは8%)ですが、国によっては20〜30%で、増税論者が言うように、日本の消費税は決して高くはない訳です。なのに日本の場合、明らかに他の国より消費税が景気に影を落としているのです。考えてみると理由は明白であります。消費税がきちんと国民の福祉やサービスや生活保障に使われて、国民がきちんとその恩恵を感じていれば、国民には、そんなに不満は無いだろうと思うのです。要は日本の場合、国民が支払った消費税など税金のリターンが国民の生活向上の為に役立っているとは感じられないということなのです。確かに以前、国は消費増税分を全額社会保障費に回すと言っていましたが、その約束も知らないうちに反故にされました。そんな国の横暴を平気で許すのも、我々国民の責任であり、不甲斐ない野党のせいであり、メディアのせいであると思います。

国というのは、与党の政治家であり官僚であります。森友、加計、桜問題などは、大事な税金を原資としたお友達の優遇であり、それは正に一強体制の驕りと、それに忖度した官僚システム、マスメディアがもたらしたものだと私は理解しています。
今回総理大臣になられました菅総理には、悪しき慣習に習うことなく国民の為の国政運営をして頂きたいと願うのみです。

テニスの4大大会の一つである全米オープンで大阪なおみ選手が二年ぶりに優勝しました。私も下手の横好きですがテニスをしますので、このところの大阪選手のプレーはサーブ、ストロークと非常に安定していると思います。この全米オープンでの大阪選手、プレー以上に全世界から注目されたのが、黒人差別に対する抗議行動です。彼女は大会中、警察によって命を落とした被害者の名前を書いたマスクを付けて試合に臨みました。1回戦から決勝戦までの7試合に7枚の7人の犠牲者の書いたマスクを着用したのです。
ご存知の通り、アメリカでの警官による黒人への発砲の映像が全世界に報道され、アメリカだけでなく世界中で「Black Lives Matter(黒人の生命は大切だ)」運動が広がっています。確かに、あの無抵抗な黒人に複数の警官が乗っかって首を押さえつけたり、拳銃を何発も発砲する映像は衝撃的であります。そりゃ、あれだけのことをする警官側にもそれなりの言い分は有るのでしょうが、実際警官が無抵抗の黒人の殺人を犯してしまっているのですから言い訳は出来ません。30年以上前ですが、私も半年程アメリカに住んだことがあります。多くのアメリカ人は非常にフレンドリーで優しかったですが、何回かあからさまに日本人として差別発言をされたことが有ります。多分、人種差別問題というのは今でも絶対に有るのだろうと思いますね。そんなアメリカの中で、黒人でもあり、日本人でもある大阪なおみ選手がどのような暮らしをしてきたか、私には分かりませんが、マイノリティーとしての人権をあのような公の場でアピールする位、アメリカでの人種差別は酷いのだと理解します。

「スポーツに政治を持ちこむな」というのは、昔から言われていたことです。でもそれは、差別している側からの話であると思いますね。大阪なおみ選手の7枚のマスクでの人種差別への抗議には、実際に賛否両論が有るようですが、彼女の確固たる意志の元、決勝まで勝ち進んで7枚のマスクを着用し、優勝したのだから大したものです。スポーツ選手や芸能人による政治的発言を聞くようになってきましたが、彼らも特別な人間ではなく、主義主張があって当然と思っております。
最後に、俳優の加山雄三氏が誤嚥による咳き込みで脳内出血を起こし、病院に搬送されました。加山雄三氏は御年83歳、本当に若々しく行動的で、サントリーの健康食品の宣伝でその健康さをアピールしていたのです。以前、加山氏は脳梗塞を起こしており、常日頃から血流を良くする薬を服用して、それこそサントリーのセサミンなどのサプリを摂って(?)健康には人一倍気を配っていたそうです。そんな加山氏でも誤嚥は防げなかった訳です。誤嚥と言うのは、飲み込んだ食べ物や水分、唾液などが、本来食道に入って胃に運ばれなければならないところ、誤って気管に入ってしまうことです。実は私はこの誤嚥をよくしてしまっているのです。誰しも一度は経験したことがある誤嚥でありますが、本来息をするべき気管に水や食べ物が入るのですから、気管からその異物を吐き出すために激しくむせたり、咳き込んだりして、とんでもなくしんどいのです。その誤嚥を繰り返すことによって誤嚥性肺炎という、誤嚥が原因の肺炎になり、時には命を落としてしまうか方もいるのです。
誤嚥を意識できる時はまだましで、実際に怖いのは睡眠時などに知らないうちに誤嚥してしまっていることです。口腔内ケアや食生活でしっかり噛むこと、日々の運動などは心掛けて欲しいことです。

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