週刊柏﨑 第691回_冷静にふるさと納税を考える(TSV本当にありがとうございました)

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ゴールデンウイークが終わりました。

エーエルジャパンから眺める京都北部の山々はすっかり新緑に覆われて、何か生命の息吹を感じます。

ただ、天候は晴天であるのですが、黄砂の影響で山の姿はぼんやりぼやけています。

車はすっかり黄砂で埃だらけでありまして、車を洗わなければならないと思っています。

今週は前半、いきなり真夏日になりましたが週半ばにかけて急に気温が下がったりして、こりゃ体調も崩す人も多そうですな。

私は、ゴールデンウイーク前半は就職した娘の勤務地である能登に車で出かけまして、暦通りの勤務である娘が会社に行っている間、和倉温泉や能登島を回りまして、久しぶりに一人旅を楽しんだ次第です。

それにしてもこちらの方々は本当に人が暖かい、そして地元の魚は壮絶に安価でありまして、何の魚か良くわかりませんが、スーパーどんたく(地元の大手スーパー)で6匹98円の魚を販売していて驚きました。

田舎はどこでもそうですが、夜が早い、殆どのお店は8時位で閉まってしまいます。

まあ、娘は相変わらずでありまして、都会向きでない娘にとって能登は馴染んでいるようで安心しました。

職場もいい人ばかりで、先ずは順調に社会人生活をスタートしたようです。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

ゴールデンウイーク後半は、ご存知の通りQVCさんでのプレミアムクロワールアイネオのTSVであったのですが、皆さんの大きなご支援のおかげで、大成功で終えることが出来ました

そりゃ世の中は大連休真っ只中であるのですから、とても不安であったのですが、担当して下さったナビゲーターの渡辺公美さん、川口さん、筧さん、道田さん、長谷井さん、そして牧野さんの素晴らしいナビゲートで納入したプレミアムクロワールアイネオは、ほぼ全てお買い上げ頂きました。

そして一番感謝しているのが、お忙しい中番組をご覧頂き、ご注文して下さった皆様でありまして、この場を借りて厚く御礼申し上げる次第であります。

今後もプレミアムクロワールアイネオをもっともっと優れたものに出来るよう、なお一層精進して参ります。

今や社会的に認知されてきた「ふるさと納税」でありますが、ここにきて多くの問題点が出てきています。

元々、地方で生まれ育ち都会に出てきた方には、育て支え一人前にしてくれた故郷に恩返ししたい思いがあります。

通常、故郷を離れ、都会に出てきて就職しますと、住んでいる自治体に納税します。

その為に、都会は常に税収が潤沢でありますが、人口が流出する地方は税収が伸び悩み減少していくのです。

そこで、地方出身者が税制を通じて故郷に貢献する仕組みを作りたい、これが「ふるさと納税」の主旨であります。

この制度が始まった時は、本当に自分の故郷の為にという高尚な気持ちが、この「ふるさと納税」の全てでありまして、わざわざ手続きをして故郷に納税しても、元々住んでいる自治体に納税するのと殆ど同じでありまして、特典は無く、忘れた頃に故郷の首長からお礼状が届くくらいでありまして、まあ正直、あるのは小さな満足感位でしょうか。

当然、この手間暇だけがかかる「ふるさと納税」は話題になることも無く、納税額も知れたものでありました。

それが一変したのが、「ふるさと納税」してくれた納税者に対して贈られる返礼品を各自治体が始めたことです。

そして本来は自分の出身地に納税する筈の「ふるさと納税」が、お得な返礼品を送ってくれる地方自治体に納税することが「ふるさと納税」になってしまい、当初の主旨からは完全に逸脱した形になってしまったということです。

以前に、このコラムで皆さんに絶対に「ふるさと納税」した方がお得と書いたことがありますが、それ位納税側からするとまっとうな納税する方が損という位コストパフォーマンス的に「ふるさと納税」はお得であります。

ところが税の徴収側からすれば、そもそも納税の仕方で国民の義務である税金の支払いに差が出ること自体可笑しい訳で、即ち税制として機能していないのですそんな誤った形といえる「ふるさと納税」は、利に目ざとい納税者からの納税を競い合う地方自治体のチキンレース状態であり、少しでもお得の返礼品を出すことが、最早税収獲得となってしまったのです。

2008年に始まった「ふるさと納税」、当初は80億円であったのが、この返礼品サービスによって昨年3,000億円を突破しています。

納税者から見て、魅力ある返礼品というのは、和牛であれお酒や魚介類であれ高額なものであり、当たり前ですがそういう返礼品は原価が高くなり、今では納税額の60%なんて正気の沙汰とは思えない高額な返礼品でふるさと納税を得ようとする地方自治体が出るくらいです。

こうなると寄付と言う概念はなく、さながら通販でお得な商品を購入していると言っても過言ではありません。

「ふるさと納税」によって東京や大阪などの大都市から税金が地方に流出し税収が落ちて大事と言われていますが、実は大体の都市が交付税交付団体でありまして、その場合減収になった税金の4分の3が国から地方交付税と言う形で補てんされています。

即ち、「ふるさと納税」によって納税者に送られた返礼品は国民の税金によって賄われているという本末転倒の様相を呈している訳です。

話によると税収に対する返礼品のコストの上限を40%にするそうですが、まあ変わらんでしょうな。

それどころか返礼品を自治体に卸して儲けていた業者が倒産するなんて笑えないことも起きるでしょう。

私は、事業というのは、必ずビジネスモデルが存在して成り立つと皆さんに申し上げてきました。

ところが、この仕組みは、ふるさと納税する納税者、受け手となる地方自治体、返礼品を供給している生産者の3者が誰も損しない仕組みになっているのです。

何の営業努力もないところにお金が回り、地方の財源も増加する、それがさも地方活性に役立っているとメディアも国民も考えているのです。

しかしながらそれを支えているのは、地方交付税としてお金を負担している国であるのです。

そして、その地方交付税の源泉は我々の税金という、正に笑うに笑えない仕組みなのですね。

私がヤバイと考えるのが、各地方自治体はこの「ふるさと納税」を当て込んで予算を作りつつあるということで、こんな砂上の楼閣の上に成り立つ税制に未来はありません。

まあ、それだけ「ふるさと納税」は納税者側からすればお得なんですけどね。

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