週刊柏﨑 第326回_知ることで変わる事

一月も今週で終わりです。多分、毎月同じような感じで時は過ぎていくのだと思います。
このコラムを書いて7年近くになるのですが、毎年同じようなことを書いているような気がします。まぁ、これだけ長く書いていると、このコラムを楽しみにしてくださる心温かい物好きな方も増えてくださっているようで、応援のメッセージなどを頂くと本当にうれしく思う次第であります。今週の前半、京都は本当に寒くて例の宝ヶ池の狐坂の温度計はマイナス3℃と、久しぶりに氷点下となりました。皆様、お元気にお過ごしでしょうか?
1月24日、私が親しくさせていただいている整骨医の中辻先生が、あの六本木ヒルズで体から顔面の筋肉治療を通して、若返り・アンチエイジングをするメソッド(リニューイングセラピー)のセミナーを開きました。私も興味があったので参加させて頂いたのですが、北は北海道、南は沖縄と全国からセミナー参加者が集まり会場は一杯でありました。
美容の施術としては、たぶんこの様な医学的な根拠に基づいたものは、初めてであるということで、美容業界は大きく注目しています。それででしょうか、参加者の大部分はエステティシャンの女性だったようで、将来この施術は確実に広まっていくと思います。私の感想としては、筋肉組織に対する理解とか、神経伝達のメカニズムなど人間の体に対する医学の知識が必要であることを考えると、なかなかエステ業界では難しいかなと思いました。そうすると、やはり接骨・整骨医がこの技術の受け皿となると思います。何週間か前にこのコラムで書いていた接骨医の保険使用制限ですが、東京で健康保険の不正受給をしていた接骨医が逮捕されました。某接骨医の先生が「こんなの、多かれ少なかれ誰でもやっている」といっていましたが、昨年の事業仕分で保険の減額が決定されているのですから、接骨医業界は益々存続が厳しくなります。生き残りを掛けて、早くリニューイングセラピーのような新しい道を取り入れていくことが必要だと思います。
それにしても、実は六本木ヒルズというところには始めて行ったのですが、すごいところで驚きました。東京生まれ東京育ち、今や完全な田舎者の柏﨑でございます。この頃、人があまりにも多い場所ではめまいがします
さて、春の会報誌(2月末に発送予定)でもふれていますが、先日、安部司氏の講演会に参加する機会がありまして、出席して参りました。この安部氏というのは、元食品添加物のトップセールスマンという経歴を持った食品コンサルタントであり、いわゆる食品添加物の裏の裏を知り尽くしたエキスパートであります。
彼の話は私達の食生活に対して、本当に驚くことばかりなのですが、その中で特に印象に残った話を書きたいと思います。
それは私達の油の摂取量と食生活との関係です。皆さん何となく油を摂りすぎていると感じていると思うのですが、私達の一日の油の摂取量はどれくらいか、目安があるのはご存知ですか?
一応、国は一日の基準値を設けていて、大体一日の総摂取カロリーの20%~25%にするようにとしています。一日に2500キロカロリーを摂るとすると、油量は約55グラムとなります。(油1グラムで約9キロカロリー)
たとえば、カップ麺。私も大好きというわけではありませんが、なんせ安くて早いということで時々食べるのですが、普通サイズのカップ麺で油量は約33グラムも入っています。これはカップラーメンの製法に問題があります。
カップ麺はお湯を入れるだけで3分で出来上がります。でも普通のうどんや中華麺は3分ではゆであがりません。ソーメンでさえ難しいでしょう。これはカップ麺の麺には特殊な加工がしてあるからです。多分カップ麺とかインスタント麺の袋に記してある原材料の一番最初には、味付け油揚げ麺と記載されているはずです。
これは麺がすぐにゆであがる(戻る)ように、あらかじめ味を付けた麺をゆでたり蒸したりして、その水分を飛ばすために120~130℃の低温の油で揚げているのです。
よく袋に100%植物油フライと記してありますが、何のことはない安価なパーム油(食べられたものではありません)で揚げた油たっぷりの麺をお湯でふやかして食べているのです。ですからラーメンよりうどんのほうが低カロリーで油も少量と考えるところですが、麺は同じ製法なので、てんぷらなどが入っているうどんのほうがはるかに高カロリー・高油量となるのです。ちなみに、大盛り焼そばは、油だけで約50グラム近くになります。
さらに、皆さんはサラダ油というのは一体どんな油をさすと思いますか?てんぷら油というのは大豆やなたねを圧搾して作りますし、ゴマ油はその名の通りごまを搾ります。サラダ油というのは実は様々な原材料(なたね・大豆・トウモロコシ・ヒマワリ・綿実・米・ピーナツ)などの油に添加物や酸化防止剤を入れて人工的に作った油なのです。
このサラダ油は透明でさらっとしてクセがなく、ドレッシングやマヨネーズなどの二次加工にとても適していることもあり、あっという間に世の中に広まりました。そして、それと同時に日本人の油の摂取量は増えて行ったのです。実際マヨネーズの70%、マーガリンの80%はこれらの加工した油が使われているそうです。
なたね油や綿実油、ゴマ油は味がしっかりと濃く、抗酸化ビタミンであるビタミンEが豊富に含まれていました。しかし、確かにサラダ油に比べれば重くてにおいが強いという理由で使用量が減っていったのです。よく高級天ぷら屋ではごま油で天ぷらを揚げていますが、ゴマ油は一日使い続けても(高級な店は交換していますが)油はへたりません。しかしサラダ油だったらすぐに使い物にならなくなります。サラダ油中心の油過多生活に皆さんも気を付けてほしいと思います。世の中には、知ることによって改善できることは色々あるのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする