週刊柏﨑 第327回_転ばぬ先の杖
2月に入りました。今週は節分があり、嫁が巻き寿司を買ってきました。
なんでも恵方巻というのだそうですけれど、私が12年ほど前に京都に移り住んだ時分は、私たち関東出身者にとって節分は豆まきであって、巻き寿司をその年ごとに決められた方角を向いて、丸かぶるという習慣は全くなじみのないものでした。しかしながら、この頃はコンビニやスーパーなどの戦略によって、バレンタインデー前のちょっとしたイベントになってしまっている感があります。
なんでも恵方巻というのだそうですけれど、私が12年ほど前に京都に移り住んだ時分は、私たち関東出身者にとって節分は豆まきであって、巻き寿司をその年ごとに決められた方角を向いて、丸かぶるという習慣は全くなじみのないものでした。しかしながら、この頃はコンビニやスーパーなどの戦略によって、バレンタインデー前のちょっとしたイベントになってしまっている感があります。
今年の方角は西南西。何年かぶりに巻き寿司を1本丸ごと食べました。
皆様お元気でお過ごしでしょうか?
今週の初め、東京など関東地方では結構な量の雪が降った模様です。それに引き換え関西は全くというほど、雪が降りません。私が初めて京都に移り住んだ頃は、本当に雪が降り、積雪もかなりあったのですが、近年は本当に雪が少なくなりました。気温は確実に東京より低いのです。車屋さんに勧められて買ったスタッドレスタイヤも全く使うことはありません。
なんでも、もうすぐ開催される冬季オリンピック・バンクーバーもほとんど雪が降っていないそうで、このままでは人工雪のスキー場で競技が行われるそうであります。
先日NHKスペシャルで「無縁死」に関する特集番組を放送したところ、大きい反響を呼んだそうであります。
無縁死とはいうのは、誰にも知られずに死に、遺体の引き取り手もないことを言うのですが、NHKやインターネット掲示板では「とても他人事とは思えない」というコメントが殺到したそうです。
この番組によると「身元不明の自殺者」や「行き倒れ死」、「孤独死」など、国の統計には出てこない「新たな死」は年間約3万2千人に上り、このうち約1千人が身元不明なのだそうです。身元不明の死者は一定期間「官報」などに掲載し、遺族を探した後に火葬されて無縁墓地に埋葬されます。今の世の中、人と人との付き合いというのが、パソコンや携帯で便利になっているはずなのに何か希薄になり、私も含めて他人事に思えない事象であると思います。
私どものお客様の中にも、お一人でお住まいの高齢の方が数多くいらっしゃるのですけれども、本当に何でも相談して頂きたいと思っています。
このままでは多分、嫁にも子供にも見捨てられて、無縁死まっしぐらの危険性大の柏﨑でございます。
さて、私も含めて日本人の危機感に対する対処能力というか行動力というものは、非常に劣っているというしかありません。要するに、本当に自分の首元が寒くならないと、「ヤバい」と感じないということです。
「転ばぬ先の杖」というか、常に悪くなる前にそうならないように用心したり、改善することは必要だと口では言うのですが、結局何もしない。そして本当にどうしようもなくなった時にうろたえ、変化を試みるのですが、そこまで放置したことによって本当に大変な思いをする。
どうです?思い当たることがあるでしょう。(私はハイです・・・。)
今の政治を見てください。自民党政権時代あれだけ国民不在の政策をやられ、それでも国民は長い間、自民党を支持してきたのです。しかしながら、本当に国民の生活が立ち行かなくなり、日本の財政状態がボロボロになって初めて政権交代で民主党を選択したのです。しかしながら、50年以上前政権が続くことによって築かれた勤続疲労は、政権が代わったからって、半年程度で目覚ましい改善が出来るはずがないのです。
それはJALについても根っこは全く一緒です。
何とかしなくてはいけない。改革が必要だと思っていた人は、多分JAL内にもいたと思います。しかしながら、「今のままで別にいいいや」「面倒くさい」と考えた人の方が、上層部中心に多かったということなのです。当然、会社がつぶれた状態からの再始動なのですから、JALの再生は非常に困難であると思います。
そう考えると、今回の相撲協会での貴乃花親方の理事選立候補について、私は本当に評価したいと思うのです。
今の相撲界を一番象徴していたのが、最高責任者である武蔵川理事長の「何を改革するっていうんだ。」という発言であり、他の理事達の「一人では何もできない」という発言であります。今の相撲界を見るかぎり、観客は確実に減っているし、野暮は言うつもりはないのですが、今や国技である上位番付はほとんどが外国人に独占され、優勝力士はモンゴルの横綱が交代で奪いあう状態であります。
先日の九州場所を銭湯のサウナ室で観ていたら、平日ではありましたが、観客が全体の3分の1くらいしか入っておらず、非常に驚いた記憶があります。そんな状態を貴乃花親方を始め、若手の親方が憂いていない方がおかしいと思うのです。相撲協会というのは、財団法人(特例民法法人)であり、税金も非課税で様々な優遇を受けています。伝統という言葉だけで、改革も変化も何もしないその中で、今の現状を危機と感じた貴乃花親方を支持するのが当然だと私は思います。
組織の改革を実行しようとした時、一番楽なのはその組織がうまく運営できている時なのです。
しかし、そんな時には、誰もそんな煩わしいことをしないのです。「勝って兜の緒を締めよ」ではないですが、本当はそういうときほど、心して考える必要があるのです。問題を起こした朝青龍は、昨日引退を発表しましたが、貴乃花親方を筆頭とする若手親方には、本当に頑張って欲しいと思います。
改革っていうのは簡単ですけれど、実行するのは本当に大変と思う、今日この頃であります。