週刊柏﨑 第469回_デフレスパイラルからの脱出


急に寒くなりましたね?。今週、近畿地方には、木枯らしが吹いた模様です。
日中は秋晴れの日が続いていますので、それほど冬を感じ難いのですが、朝晩はもう完全に冬模様であります。

京都には紅葉目当ての観光客が増えてきていて、この天候は業界にはうれしいことであると思います。
急に寒くなると、紅葉の色が鮮やかに色付くと言われているので・・。

さて、アメリカ、ニューヨークを先日、超大型のハリケーンが直撃し、とんでもない被害が出ている模様であります。
ハリケーンの規模を見る限り、日本であればちょっと大きな台風という感じなのですが、ビルの壁が切り落ちたり、車が横転して水没とか、日本だったら考えられませんし、想像もつきません。
世界最大の証券取引所であるニューヨークが、二日も取引を停止すること自体が尋常ではありません。
アメリカの総被害額は最大1兆6千億円ということで、想像もつかないようなことになっているのですが、地震といい本当に自然の力の前では人間は無力であります。
このハリケーンによって原発が3基停止したらしのですが、幸い大事には至らなかったということで、日米共々原発関係者や国民は、ホッとしていることと思います。

そんなこんなで11月に入りました。今年も残すところあと2カ月であります。
皆さんお元気でお過ごしでしょうか。

実は私、今週のニュースで一番驚いてしまったのが、中国首相の温家宝氏の約2000億円といわれる不正蓄財という話であります。それを報道したのがニューヨークタイムズのインターネット版です。当然中国当局は中国からのアクセスが出来ないように、このインターネット版を遮断したわけです。こういう中国に都合が悪いことは、中国当局が規制しているということは、たいていの人は知っているのですが、流石に今のネット社会、ネットに精通しているような人達はこういう事実に気付いているのではないでしょうか。
私が驚いたのは、この2000億という金額もですが、不正蓄財していたと言われているのが温家宝氏であるということであります。温家宝氏は元々、「憂国の士」と言われていたぐらい、中国の上層部の中ではクリーンな政治家として認識されていたからです。先日失脚した薄熙来氏の不正蓄財は3500億円といわれていますし、中国要人の蓄財は半端な金額ではありません。多分こんな大物が不正にからんでいるのですから、共産党のそれなりの地位にいる人であれば、汚職などの誘惑に心が傾くのでは?と思うのです。先日の尖閣問題で、中国国内では大規模な反日デモがありましたが、中国国内では不満のガス抜きをする為に反日を利用する動きもあると言われています。しかしながら今の中国の状況を見る限り、もはやそれも限界に来ていて、中国国民の様々な不平不満は必ず噴き出てくるのではないかと不安に感じます。
世界の経済大国は一気に大国になったわけではありません。大好況の時もあれば、恐慌のような波乱の時も経て、時間をかけて今の国力を築きあげたのです。しかし中国の場合、多少の調整はあったものの、ほぼ一直線に世界2位の経済大国になりました。しかも今の中国は上層部が平気で多額の不正蓄財をし、国民の不平不満を言論のコントロールによって押さえつける。そして様々な点で不合理がまかりとおり、モラル意識の低下にもつながっているというのが現状であります。元々共産主義の国家に咲いた資本主義経済というあだ花であります。それでなくとも現在のユーロ経済の落ち込みは、欧米への輸出を成長エンジンとして伸びてきた中国に、大きな悪影響を及ぼすことが避けられない状況だと思います。

そして今、日本も大変な状態、いわゆる大不況であります。弊社も同様ですが、良く聞くのが「以前に比べてお客様が少なくなった」というのです。確かにどんな業界でもお客様がいなくては商売あがったりであります。
お客様が少ないのであれば、「商品単価」を上げて売上を落とさないようにする、こんなことをしたらお分かりの通り、今の世の中、将来がありません。それで、お客様を増やそうと考え値下げをする、しかしお客様は一向に増えてくれない。こうなると、お金が回らなくなりますので、消費が少なくなる、お金を使わなくなる 、全ての業界でお客様が減っていく。
これが今問題になっているデフレスパイラルであります。このデフレスパイラルは歓迎できることではないと解って頂けたと思いますが、じゃぁ、デフレスパイラルを止める為にはどうしたらよいのでしょうか。まあ言うのは簡単です。皆さん、将来に不安を感じてお財布の紐が堅くなっているのですから、経済や老後も安心した生活ができるように世の中が変わることであります。
では日本政府、日銀がしている事は何かというと、政策の中の1つに金利をひたすら下げることであります。金利を下げる事によってお金を借りやすい状態にし、民間の投資や消費を刺激しようということです。
ただ現在のデフレ状態によってみんな業績が不振なわけです。いくら金利を下げたって、今の企業経営者で投資をするか、しないかを金利で決める人はいません。あくまで、儲かるか否かという一点、要はお客様が増えるかどうか、これが投資判断となります。何年か先には消費税を倍にするのですから、将来益々お客様が減る可能性が高い訳で、こんな解りきった状況で国内に大きな投資をする企業はありません。あのソフトバンクが何兆円もの投資をすると話題になりましたが、あれだってアメリカ、外国です。私は前からずっと言っているのですが、デフレスパイラルを止めるのは、お金を回すこと、要は国が使うしかないということであります。お客様が少ないなら国がお客になるしかないということであります。こういった時に必ずでてくるのが、財源という言葉であります。
個人的には今の円高状態であれば円を刷ることが一番簡単であるのですが、基本的に国として稼ぐということを考えたらいかがでしょうか。おそらく政府や役所の人材、ノウハウを活用すれば、色々なビジネスを生むことが出来ると考えます。新たなビジネスチャンスが生まれると同時に、雇用の創出にも結びつく可能性があります。政治家は財政再建、強い経済の確立と声高々に叫びますが、決まったことは消費税の増税だけというお寒い状況です。
まあ責任もなにも無い自分でありますから、こんな勝手なことを書いておりますが、決して夢物語ではないと思います。民間が出来ない今こそ、国が投資して新たなビジネスを創出する、お客様が少ない今だからこそ国がお金を使う、これしか現在のデフレスパイラルを抜け出す道はないように思うのですが。何かユニークな考え方を持った政党が出現することを願っています。

柏崎

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