週刊柏﨑 第521回_自己利益の追及の結果

いやはや寒くなりました。寒がり、暑がりという要するにこらえ性がない私の家では、早、ストーブが出されました。ストーブの前は我が家のダメ犬の定位置になり、散歩に行く際も無理やり引っ張らなくては出かけようとしません。まあ、先般の台風の前と後では気候が全く変わりました。先週末に日本に接近した台風27号は、幸い進路を急激に東に変えまして、全国的に被害は殆ど出なかったようで、幸運でありました。土嚢を積んだりして用意万端であった伊豆大島やその他の地域も用意は無駄になりましたが、やれやれであります。京都の秋の観光の目玉である紅葉もここのところ木々が色づき始めまして、多分今年は綺麗な紅葉となりそうな感じがします。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

ここのところのニュースで「驚いた」というよりも「やっぱりな」と妙に納得してしまったのが、アメリカによる盗聴活動であります。これは、ドイツやブラジルなど35か国の指導者の通信傍受をしていたという疑念問題です。ドイツ政府はメルケル首相の携帯電話が、今年に至るまで何年か継続して盗聴されていたとして正式にアメリカに抗議をしたそうであります。まあこの35か国の中には日本も含まれていたそうでありますが、もちろん安倍内閣は何の文句も言っていませんな。これは非公式に日本ではアメリカの諜報活動を黙認していることと同様で、全くもって日本はアメリカの51番目の州と言われても可笑しくないです。また見方を変えると、安倍自民党は、今国会で日本版NSC(国家安全保障会議)+秘密保護法案成立にやっきになっている訳で、あんまり事を荒立てたく事情もあるのかもしれません。

というか多分日本版NSCを創ることで日本も諜報活動をしたいのかも。どちらにしても日本国民はこういうことに無関心でありまして、アメリカと同じような諜報活動するということは、アメリカの考え方を踏襲することであって、最終的には戦争とかテロ対策でアメリカと同じ立ち位置になる可能性があるということであります。本来であればメディアや政府が国民に詳しく説明をしてことを運ぶべきなのですが国民は蚊帳の外です。先日、アメリカ人のマリオ君と話した時、アメリカ国内では、あのアメリカの機密情報を持ってロシアに亡命したスノーデン氏の話題で持ち切りという話を聞いて、このような本来なら絶対表に出てこないようなことが今後どんどん発覚する可能性が高く、ゴルゴ13で描かれるようなことが本当のこととなって私たちに降りかかることがあるのかもしれません。そういう可能性を鑑みて国民はこの秘密保護法や日本版NSC設立が我々にどんな制約を与えるか良く考えなればなりません。女優の藤原紀香さんが自分のブログで秘密保護法案について不安感を言及して話題になりましたが、大したものですな。原発廃止を訴えた小泉元首相といい日本のメディアは有名人が発信元でなければこのような重要なことでも話題にもなりません。

今朝の新聞を見て、のけ反るようにたまげたのが、東京電力の中間決算、なんと1416億円の黒字という数字であります。東電は汚染地区の除染や原発の廃炉や事故後の処理、被災地への損害賠償など国家予算で助けてもらっています。このお金は、当然私たちの血税である訳であります。東電は先般電力料金の値上げをしまして、それはあくまで原発関連で巨額の費用を負担することによって会社が維持できるために矢も負えずするものであった筈です。すくなくともこの利益は国庫に返納すべきであると思います。私達零細企業は常に明日の明るい展望など考える余裕もなく、毎日必死に努力しています。それは会社が存続するためにリストラや減給など泣いて馬脚を切ることもあるのです。安倍首相に言われるまでもなく、出来れば雇用を増やしたいし、給料だって上げたいのです。今の福島原発で汚染水用のタンクや防水用のフェンスが水漏れを起こしたりしているのは東電の経費節約の為、コストをケチったからだという話もあります。やはり営利企業である東電を存続させて原発の処理をすることに無理があるのです。少なくとも、原発処理に関しては、東電から処理部門を政府管轄機関として分離すべきでしょう。会社というのは、営利企業であってお金を稼ぐことが一番の目的であります。しかしながらその利益追求のため何をしても許されるということではありません。有名ホテルのレストランでの食品偽装などその最たるもので、決められた食事代金から利益をマックス得ようと考えたら原価を落とすことが一番手っ取り早いのであって、オージービーフを松坂牛に変える偽装は絶対ないのです。

ですから、これら経営者がどんなことを言っても、所詮は利益を多く上げたいからやった事であって、絶対にあってはならないことであり、会社としての矜持が問われる問題です。

先日、半沢直樹の最新小説の「ロスジェネの逆襲」を読み終わったのですが、この最後のくだりで、半沢がバブル世代から現在の世代の風潮に関して、

「世の中がおかしくなったのは、会社や個人が自分のことしか考えなくなった。その結果自分だけが良ければそれでいい、という風潮が当たり前になった。本来自分達はお客様の為にそして会社を通して世の中の為に行動しなければならない。自分はそれを実行し広めていく。それが自分のすべき事だと信じている。自分はそれがおかしいと思ったら絶対に納得しない。」

と言いました。

半沢の原作3作を通して、一番印象に残った言葉であります。
「お、も、て、な、し」、有名になった言葉です。これは、心をこめて精一杯の対応をするということであります。それは、決っして最大利益を追求することではなく、出来る限りお客様に尽くすということだと思います。誰だって、自分がかわいいし、自分が良くなることを考えています。しかしそれは、物質的利益を得るということだけではなく、精神的な満足感も同時に感じられることが大切です。エーエルジャパンは社員さんがたった6名という小さな会社です。昔からお客様を第一に考えた、「お、も、て、な、し、」を大事にする会社であると思っています。経営的には中々しんどいのですが、そういうことが、長くお客様とお付き合いするためには、何よりも大切であると確信しています。

最後に半沢直樹の続編ですが、証券会社で無事難局を乗り越えて、銀行に出向わずか半年で復帰してしまいます。これが一番の驚きでありますな。ドラマの続編が楽しみであります。(レッドソックスのワールドシリーズ制覇、上原選手おめでとう御座います。後はマー君の快投に期待します。)

柏崎

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