週刊柏﨑 第431回_原発のない日本予想図

今週に入っていくらか寒さが和らいだと思っていたのですが、今日は雪が降っています。
天気予報によると、関東地方では、昨日東京で5℃、千葉では17℃と、なんと12℃もの温度差があったということであります
。これは空気が色々な方向から流れ込むことにより、お風呂の中で下の方が水で上の方がお湯というのと同じ現象が起きたということなのですが、いずれにしても異常なことには変わりありません。

先週のこのコラムでインフルエンザの薬でイレッサと書きましたが、イレッサは肺ガンの薬であり、リレンザの間違いでありました。
相変わらずインフルエンザが猛威をふるっているようですが、お体には十分ご自愛くださいませ。

週初めにサッカーのロンドンオリンピック予選、日本対シリア戦が行われました。
私は例によって銭湯のサウナでこの試合を観戦したわけであります。
本来ならば、この対戦は一回日本で行われたので、今回はシリアで行われるはずでありました。
しかしながら、現在シリアはサッカーどころの話ではないような状況であります。
シリアでは約1年前に始まったジャスミン革命による市民運動の流れが今なお続いているのです。
アサド政権は民主化を叫ぶ反体制派に対し無差別攻撃を繰り返し、女、子供を含む一般市民の大量殺戮をしているのです。
当然日本選手の身の安全を守る保証などあるはずもなく、この試合はシリアの隣ヨルダンで開催されました。

このような悲惨な状況にあるシリアにとって母国のオリンピック出場はシリア国民の希望であり、夢であります。
ほとんど観客もいないようなスタジアムで試合は執り行われたのですが、この試合でのシリアは気持ちで日本を圧倒したのです。
実は私は陰ながら、シリアを応援していたのですが、格上の日本を1対1の同点から終了間際のロングシュートを決めて下したのです。
ここは是非ともオリンピックに出て、その勢いで独裁政権を倒し、シリアに平和が訪れることを祈っています。

それにしてもシリアの選手は完全なゾーン状態でありましたな。
国連の安保理でシリアの現政権による大殺戮を非難する法案に対し、ロシアと中国が反対したということに私は驚いてしまったのですが、全世界が同じ人間としてこの絶対に許せない行為を止めなければなりません。

皆さまお変わりありませんでしょうか。

さて、現在日本に全部で54基の原発があるのですけれど、そのうち北海道電力の泊原発3号機、東京電力柏崎刈羽原発の6号機、関西電力の高浜原発3号機の3基を除いて51基が点検という名目で停止しています。
この3基においても順次停止していって、3月いっぱいで日本にある原発は全て停止する予定であります。
反原発派からすればこれでめでたし、めでたし、というわけでありますが、原発に発電依存度を増している電力会社や原発既得権者からみれば、脱原発は絶対に承諾出来ないことです。
今週、全国の電力会社の中でもとりわけ原発依存度が高い関西電力が要望している福井県の大飯原発の再稼働について経産省原子力安全保安院と有識者による安全評価、いわゆるストレステストの意見聴取会が開かれました。
ニュースでは反原発派のデモが少しだけ報じられていましたが、基本的には大飯原発の再稼働が容認される方向に向かっていることは間違いありません。

ニュースキャスターはこの論争に対し原発容認派と反原発派による歩み寄ることのない不毛なイデオロギー論争と言っていますが、私はそうとは考えていません。

まず、日本の電力会社の発電能力と民間の消費電力の関係からみていきましょう。
報道では原発が無くなったら、電力が不足すると盛んに言っていますが、果たしてこれは正しいのでしょうか。
震災後あれほど被災地を悩ましていた計画停電、今は話にものぼらなくなっています。
関西でも節電は叫ばれていますが、正直、電力供給は全く問題ありません。
実際、四国電力を例にすると、四国電力の発電能力は総量約858万キロワットであります。
1月に総量が約202万キロワットの伊方原発が停止して、差し引き現在は約656万キロワットの供給能力があります。
これに対し、四国の電力消費は冬のピーク時で490万キロワット、夏でさえ570万キロワットであります。
同様に中国電力でも、原発を停止しての供給能力が約1140万キロワットに対し、夏場のピーク時で約1070万キロワットと全然足りているのです。

しかもこれは、今使っていない火力発電所の稼働を入れていないのですから、実際に原発依存度が高く原発を止めたら電力が不足すると言われている関西電力も、止めている火力発電所を稼働すれば全くのノープロブレムであります。
よって電力各社やお役所、マスコミが盛んに言っている原発をなくした場合、日本中電力不足というのは多分に危機感を煽って原発の再稼働を目論むものと考えられます。
昨日、新潟県で震度5の地震がありました。
柏崎刈羽原発は大丈夫ということでありますが、やはりこれだけ年がら年中地震だらけという、活断層上にある日本で原発を動かすということは、あの山本太郎氏がいうように自殺行為なのかもしれません。
けれど、これだけのお金と時間をかけて原発を推進してきたことも事実であって、国家として反原発派が言うように「廃止。はいそうですか。」と、いうわけにいかないのも理解できるのです。

それでもドイツのように、廃止を前提として何年かをかけて、順次に原発から脱却していくことは必要であります。ましてや新しい原発を建設することは言語道断であって、これは即刻中止するべきです。

この原発事故によって我々が知るところになった電力会社の電気料金の決め方、総括原価方式でありますが、電力を作るための必要経費だけではなく、社員の飲み会や旅行、財形貯蓄の金利など諸々のコストを子会社の分まで入れて原価としていたというのですから、電気料金を払う身としては納得がいくものではありません。
しかもこの財形貯蓄、なんと8.5%という高金利なのですから、高額な企業年金も含めてうらやましい限りであります。
これって多分、全ての電力会社が同じなのだろうなと思うと、違った意味で節電をしなくてはならないと心の底から思います。
借家じゃなければ、絶対太陽光発電にするのに。

柏崎

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