男と女、お酒に強いのはどっち?「お酒が弱い人は飲めば飲むほど強くなる」は、本当なのか?

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お酒を飲んでも顔が赤くなる方と、赤くならない方がいます。

あなたはお酒を飲んだら顔が赤くなる方ですか?あまり赤くならない方ですか?

実はこれは東アジア人(日本、中国、韓国)に主に見られる現象だと言われています。

白人やラテンアメリカ、黒人などの人種の方は、酔っても顔が赤くなることはないのです。

なので、よく言われることですが、「顔が赤くなる=酔っ払っている」という目安は間違いです。

アルコールが体内で分解される手順

  1. アルコールが口から体内に入ると、「酵素ADH」(アルコール脱水素酵素,約80%分解する)とMEOS(ミクロゾームエタノール酸化酵素,約20%分解する)の二つによって、「アセトアルデヒド」に分解されます。
  2. アセトアルデヒドは身体にとって毒となる存在ですが、通常、体内ですばやく分解され、「アセテート」になります。
    アセテートとは、お酢のことです。この酢酸は血液によって全身をめぐり、最終的には二酸化炭素と水に分解されます。

 

(ここまでが顔が赤くならない人の体内循環です)

顔が赤くなる人は、アセトアルデヒドがアセテートになる2番目の分解が十分に機能していません。

アセトアルデヒドが高濃度で体内で蓄積していくわけです。

蓄積されたアセトアルデヒドに対して、カラダの免疫が反応した結果、顔が赤くなります。

なぜ2番目の分解機能が働かないのか?

体内のアセトアルデヒドを分解する「ALDH(アルデヒド脱水素酵素)」の働きの違いです。

ALDHは大きく分けて2種類。アセトアルデヒドが低濃度の時に働いてくれる「ALDH2」と、高濃度にならないと働いてくれない「ALDH1」があります。

日本人の約半数は、生まれつき「ALDH2」の活性が弱いか、欠けているので顔が赤くなってしまうのです。つ

まり、「体内でアルコールをなかなか分解できない人」ということです。

よく勘違いしやすいのですが、「顔がすぐに赤くなる=肝臓が悪い」ということではありません。

アルコールを(主に遺伝的な要素で)体内でなかなか分解できない、それだけの話です。

アセトアルデヒドが体内に蓄積していくとどうなるのか?

  • 心拍数が上昇する
  • 吐き気、頭痛などの不快な症状がでる
  • ガンリスクが高まる

上記は「アセトアルデヒドが体内に蓄積することによる主な身体影響」です。アセトアルデヒドは、人体にとって有害な存在です。

気になる都市伝説?「お酒が弱い人は飲めば飲むほど強くなる」は、本当なのか?

お酒を飲んでいると、強くなるという事実はあります。上記「アルコールが体内で分解される手順」で登場していた、MEOS(ミクロゾームエタノール酸化酵素)は、アルコール分解の約20%に加担している存在ですが、この20%の働きはお酒を飲むことで強くすることができます。

(ただし、ちょっと飲んだだけで顔が赤くなって飲めない人は例外)

例えば、「アルコール分解の80%を担う遺伝子「酵素ADH」をもってなく、MEOSの働きが10%しか働いていない」という方は、お酒がほとんど飲めません。そうした方はいくら飲んでもお酒に強くなれません。

なので、アルコールが弱い人にむりやり大量のお酒を飲ませることは絶対にやめてください。

一気飲みした結果、アルコール中毒に陥って、最悪命の危険にさらされることもあります。

あなたはお酒に強い?弱い?東大式ALDH2の活性テスト

ここで、あなたのアルコールの分解力が高いか低いか、アルコールの分解力80%に関わってくる「ALDH2の活性力」をセルフチェックしてみましょう。

これは、「東大式ALDH2表現型スクリーニングテスト」と呼ばれるもので、合計値が+であるならばお酒に強い体質・-ならお酒に弱い体質となります。

症状

いつも出る

時々出る

出ない

点数

顔が赤くなる

-10.04

5.22

8.95

顔以外の部分が赤くなる

-0.43

-2.98

1.20

かゆくなる

3.37

-3.89

0.38

めまいがする

-0.58

-1.27

0.25

眠くなる

0.31

0.36

-1.03

不安になる

0.00

-4.11

0.10

頭が痛くなる

-0.79

0.07

0.01

頭の中が何かに打たれているように感じる

0.83

0.62

-0.24

汗をかく

-3.25

1.43

-0.44

心拍数が上がる

-1.88

0.04

0.26

吐き気がする

-10.07

0.19

0.03

寒気がする

8.15

-2.42

0.14

息が苦しくなる

-4.34

2.69

-0.19

合計

ちなみに、男性と女性、どちらがお酒に強い傾向になるのかご存知ですか?

もちろん遺伝子的な要素が大きいですが、医学的には男性だと言われています。その根拠は女性は男性よりも体内の水分量が少ないので、同じ量飲んでも体内のアルコール濃度が高くなりやすいからです。

お酒に強い・弱いは遺伝的な分解力にもよりますが、体内でアルコール濃度がどれだけ高くなりやすいか?によっても左右されるわけです。

これを知っていれば、「二日酔いしにくいお酒の飲み方」というのが見えてきます。

お酒に酔いやすい方は水と一緒に飲むことで、アルコール濃度の上昇をゆるやかにしましょう。

そして、お酒に弱い方が注意すべきなのは、お酒の飲み方だけではありません。

最新の研究で、お酒に弱い方が注意すべきもう一つの要素が判明しています。

次回の記事ではそちらを中心にご紹介していきます。

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