週刊柏﨑 第650回_熱中症にご注意を

5月も今週で終わり、暦的には梅雨の季節になる訳であります。本来ならば梅雨というのは雨が多くジメジメしているイメージでありますが、このところの梅雨は、まるで亜熱帯地方のようなゲリラ豪雨と真夏さながらの気温と全く昔と違います。まだ5月でありますので流石にシャワーのようなゲリラ豪雨は降っていませんが、気温の方は日本各地で真夏日を記録するなど、日中の陽気だけみれば既に夏突入の感があります。但し、朝晩はまだまだ季節なりの気温でありまして、日中と比べるとかなり気温差があり体調を崩す人が多いようであります。未だ不自由な生活を強いられている被災地の方々は、ことさらに環境の変化の影響を受けますので、くれぐれもお体ご自愛下さいませ。今朝の新聞によりますと、また被災された方々に義援金が渡っていないようであります。本当にこの国のお役所仕事に関しては呆れるだけです。今年の長期予報ではことしの夏も半端でない暑さとなりそうです。実は、7月の後半から、ルテインとゼアキサンチンの原料のマリーゴールド畑の視察の為にインドに行く事になりました。話によるとインドは最近最高気温51度を記録したそうでありまして、はっきり言って命懸けの視察となりそうです。51度というと最早低温サウナと同じ、何せ体温をかなりオーバーします。ずっと外に居れば、それだけで命が危険にさらされます。去年は気温45度で数千人が亡くなったそうでありまして、心配しています。さて、皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

今週、伊勢志摩で先進国首脳会議、いわゆるサミットが開催されました。議長国である日本の安倍首相は、その席で現在の世界の経済情勢があのリーマンショックの前と一緒と説明し、各国首脳に積極的な財政出動を要請しましたが、相手にされなかったようです。まあ、イタリアはともかく、各国首脳陣からみれば、いつまでたっても一向に景気が良くならない日本に言われたくないと言ったところでしょうか。日本はアベノミクスで絶好調と言い張っていた安倍首相が日本を含めて世界経済の悪化を認識していることで、来年の消費税増税は再び延期なるみたいで、我々みたいな零細企業はやれやれでありますな。まあ、それくらい今の景気は良くないです。話は変わりますが、最近東京ガスのCMが好きであります。現在日本では、電力や都市ガスは居住している地域によって違う会社が供給していて、その為に私が住んでいる京都ではガスに関しては大阪ガスであり、当然テレビで放送されているCMは大阪ガスのもので、東京ガスのCMが放送されることはありません。何年か前にQVCさんのオンエアーの為に東京に出張した際、ホテルのテレビで初めてこの東京ガスのCMを観たのですが、あれは完全なドラマでありますな。放送されるCMのパターンは何本もあるのですが、その全てがほんのりした気持ちにしてくれます。中にはホント涙なしでは観れないような内容もあります。実は初めて観たこの「お父さんのチャーハン」というCMが余りに衝撃的で一番お気に入りです。俳優のきたろう氏演じるお父さんと娘さんの二人が登場人物です。お母さんは娘が幼少時代にはいて、その後亡くなったと勝手に推測しています。娘さんのナレーションで娘さんが小学校時代から物語は始まります。娘さんが学校から帰ってくるとお父さんがチャーハンを作って迎えてくれます。そのチャーハンはソースが隠し味の余り美味しくなさそうなチャーハンです。お父さんは、チャーハンを食べる娘さんに嬉しそうに「どうだ、美味いか?」と尋ねます。娘さんは、黙って何も言いません。時代が変わって娘さんは高校生に成長します。少し老けたお父さんは、相変わらずチャーハンを作って娘を迎えます。「今日はチャーハンだ。」というお父さん、娘は「食べてきたから要らない。」と言って2階の自分の部屋にこもってしまいます。妻を亡くし、思春期の娘にどう対処していいか、困惑と寂しさ含んだきたろう氏の表情が本当にいいです。そしてまた何年かが過ぎて、娘さんが嫁ぐであろう数日前、家には娘さんが結婚式で着る白むく着物が飾ってあります。お父さんは寂しそうです。そこに娘さんが帰ってきて、お父さんに言います。「お父さんのチャーハンが食べたい。」私は、ここで号泣しました。いつものチャーハンを二人で食べます。「どうだ、美味いか。」といつもの質問。子供頃から思春期の娘の映像が走馬灯のように回ります。娘さんは「うん、美味い」と涙を流しながら答えます。「そしてあの時は言えなかったけど、お父さん有難う。」私再び号泣です。最後に「食事の数だけ幸せに、東京ガス」、この間2分位です。どうです、私の描写の為皆さんに良く伝わらないかも知れませんが、もう内容は下手なドラマを凌駕しますよ。まあ、私にも年頃の娘がおりまして、非常に共感できますな。(結婚出来るか分かりませんけど)あと、渡辺えりこさんのお母さんの話とか、どうしても自分の感情移入があるお話は、涙なしでは語れませんな。宜しかったら、パソコンのYOUTUBE(ユーチューブ)で東京ガスのCMが観ることが出来ますので、是非ともご覧ください。近年、治療効果は高い?と思われるのですが、値段が驚くほど高価な新薬が相次いで登場しています。特に、余命宣告されたような末期のがん患者さんのように現在の医療ではどうしようもない方にとっては新薬の開発は希望の光であると思います。今は、高額医療制度や健康保険のおかげで自己負担の金額も限られていますので、新薬が使えるのなら殆どの方は使用したいと考えている筈です。国から有効で安全と確認されれば保険適用され、患者さんは薬価の1〜3割程度の自己負担で使う事ができます。ただ、抗がん剤のような特殊な薬の場合、価格がとびきり高いため、バンバン使われると自己負担分を補てんしている公的医療保険がパンクしかねません。ガン保険などの掛け金も跳ね上がります。例えば、昨年末に肺がんへの効果が追加されたニボルマブという抗がん剤は100ミリgで73万円、もし一年間ニボルマブを使用しますと費用は、なんと驚きの3500万円であります。患者5万人が1年間使うと、医療費は1兆7500億円増加するそうであります。この金額は全ての医療機関が処方する年間の薬代総額の2割以上です。抗がん剤というのは、今迄は、体内でガン細胞を叩くということを目的にして創られていました。ですから、抗がん剤は、正に「毒を以て毒を制す」ということでその副作用に苦しむのが寧ろ当たり前であったのです。それでも抗がん剤というのは一般の薬比べて遥かに高額でありまして、まあ、製薬会社や病院からみれば稼ぎ頭と言ってもいいくらいなのです。現在新しく開発されている抗がん剤は、いわゆる分子標的薬と呼ばれるものであります。この分子標的薬、今迄の抗がん剤と違うのは、ガン細胞を直接攻撃するのではなく、ガン細胞を覆って栄養を摂れなくしてしまう、要は兵糧攻め方式でありまして、効果が高いのにも拘わらず、患者さんに負担が少ない、まあ副作用が少ないと言うのが非常に良い点です。このニボルマブも分子標的薬でありまして、今後抗がん剤は分子標的薬タイプがドンドン登場することが予想されます。ニボルマブも含めて、これから登場する抗がん剤はどれも値段が高いと思われますが、増え続けている医療費を考えると国としても安易に保険適用とはいかない筈です。ただ、高額薬を保険適用外にするのも、裕福な患者しか使用できなくなるでしょうから、当然問題が出てきます。新薬の値段については、開発コストや研究費などもありますが、一説によると製薬会社の巨額な政治献金やロビー活動費、そして大きい利益が加算されているのでしょう。ただ、どう考えても1年の薬代が3500万円というのはおかしいと思います。これを平気で負担できる人って世界に何人位いるのでしょう。最早、国の公的保険を当て込んだ価格としかいいようがないし、そうでなければ、命と引き換えに薬を売る悪徳なビジネスです。しっかりした価格の妥当性をチェックすることが必要です。患者さんの利益を守ることは大切です。と同時に日本の国民に優しい保険制度の維持もしっかり考えなくてはなりません。最終的に薬というのは、費用対効果が大切です。特に、抗がん剤は、最後にすがる藁のようなものでありまして、使ったからと言って必ず期待したような結果が得られる訳ではありません。「3500万円かかったのに何の効果も無かった」なんてこともある訳であります。ですから、効果を保証できない薬に果たしてそれだけの価格を求めることが正常なことかどうか、私には理解出来ません。

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