週刊柏﨑 第601回_京都は暑いです。円安問題。
今週に入ってめちゃくちゃに暑くなっています。京都では、最高気温が、34度と5月というのに本格的に夏になったら、どうなっちゃうんだろうと心配になりますな。東京に出張するペースは相変わらずであるのですが、確実に京都の方が暑いです。
あのクロワールアイに含まれているルテインのマリーゴールドの産地インド南部では、連日気温が45度越えと、最早人間が生息する環境ではなくなっていて1000人を超える死亡者が出ている模様であります。ニュースで観たのですが、道路の横断歩道の縞々模様が、余りの高温の為に混ざり合ってチョコレートアイス状態になっているのなんて、私初めて見ました。
まあ、日本に春と秋が無くなって夏と冬の2季になるかもというのは、ずっとこのコラムで書いてきたことでありますが、正にそんな感じになってきています。世界を見渡すと、気温だけではなく、雨や風の被害も出ていて、アメリカやヨーロッパでは、町が冠水してしまうような集中豪雨が各地で降っていまして、本当に過去の経験が全く役に立たないような現象が起きています。
皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。
日本でも爆弾低気圧とか今年も間違いなく大雨が各地で降ると思います。山岳部や河川の傍にお住いの方は気を付けて下さい。長期予報によりますと、今年は冷夏の可能性が高いとのことですが、まあ、あてにはありませんね。毎度のことですが、今から熱中症とかには気を付けて下さい。
俳優の今井雅之氏と漫才の今いくよさんが、ガンの為に相次いで亡くなりました。お二人共、かなりやせ細っていて抗がん剤などの闘病生活が厳しかったことを伺わせます。これだけ医療が発達していてもガンは、日本人の死亡原因のトップであります。
私もガンに罹患したことがある訳でありますが、ある意味気を付けていてもどうにもならない病気であります。本当に最後は神頼みになるしかないのかも知れません。
ただ、病気には必ず原因があると私は考えていますので、食生活やストレスなどはそれなりに考えた方がいいと思います。言っていることが矛盾してしまいますが、後悔はしたくないということです。お二人には、心からご冥福を祈りたいと思います。合掌。
対ドル1円の為替相場が125円近辺までつけてきました。久方ぶりの円安な訳でありますが、ここにきて私達の生活に大きな影響を及ぼしてきました。まあ、前々から言ってきたことなのですが、円が安くなるというのは、ドルで給料を貰っている人(ダルビッシュ選手やマー君)ぐらいしかメリットはありません。日本人でドル建てで給料を貰っている人なんて数えるくらいでしょう。
ところが円が安くなりドルが高くなることで大きな利益を得ることが出来るところが有ります。そうです、それがトヨタやキャノンなどの輸出企業と言われている会社であります。日本という国は、資源が無い国でありまして、輸出企業は、昔外国から資源を買い、それを加工して製品を造り、それを外国に売ることで今の日本の繁栄の礎を手にしてきたのですね。ですから円を安くして外国から得られるドルの価値が上がれば利益が増える、これが昔の日本の考えだった訳であります。
しかしながら、1980年代のプラザ合意から基本日本の通貨円は、ずっとずっと高くなりまして、私の子供頃の1ドル=360円から数年前には80円位まで円高になったのです。この過程で日本の輸出企業は大きな転換を図なくてはならなくなりました。日本の人口が頭打ちになり海外に活路を求めることが急務になった輸出企業は、為替に左右されない販売体制を構築してきました。それが生産拠点や販売拠点の海外現地化でありました。
その結果、為替が80円になっても利益が出るくらい日本の輸出企業の体質は強固になったのです。かといって元々は円安で潤う輸出企業であるのですから、ここのところの円安が有難くない筈がありません。海外で稼いだドルを日本に還流させる際、ドル高円安によって稼いだドルを円に交換すると増えるのだから、まあ笑いが止まりませんな。
トヨタなどは、今季の利益は2兆5千億円というのだから本当に凄いです。円安によって利益を実感できるのは、一部の輸出企業とそしてその従業員位なのですね。あとダルビッシュ選手とマー君、錦織選手ですかね。かといっても輸出企業は円安で物が前より売れるようになった訳ではなく、あくまで儲けをドルから円に換える時の所謂為替差益でありますから。
大体、日本を取り戻すと連呼していた方が、自国の通貨を5割も毀損させて、日本の繁栄も何もないでしょう。はっきり言って日本人の大部分は、円高であるほうが生活は楽であります。食品や生活用品や服などは、円高であることで値段が安かったのです。それをデフレは悪という名のもとに、無理やりインフレにする、これの何処が正しいのか私は、政策担当者に尋ねたいです。
昔、あのみのもんた氏が朝の情報番組で、物の値段が下がることが悪くて、上がることが良いと言うはどうしてですか?と番組に出演していた経済の専門家に質問していましたが、誰一人として答えられる人は居ませんでした。
物の値段と言うのは、需要と供給で決められていて、買いたい人が多ければ、値段は上がるこれは当たり前のことであります。ところが日本は、少子化となり人口は減っています。そして世界的に供給サイドはドンドン増えています。要は、消費者が減って、しかも欲しい物が少なくなっているのに、物は満ち溢れている、これが現状です。ここのところ物の値段が上がっているのは、円安によって日本の円の価値が下がっているだけなのです。
昔1ドルで買えたおにぎり、今も1ドルです。それが円で考えると、1ドル=80円だったのが、今は1ドル=120円なのですから、政府が言うインフレになっても我々はちっともいいことないです。これをコストアップインフレと言いまして、まあ一番良くないインフレでありますな。
日本というのは、80%以上が円安の恩恵を受けない中小企業に勤めていますから、大部分の人達は給料は上がりません。それどころか、円安で物の値段は高くなるし、消費税はもっと高くなるし、円が1ドル=150円とか180円とかなったら大変なことになりますよ。日本という国はずっと円が高くなる中やってきたのですから、円高になったら国や日銀がどうやって対処するかというノウハウは多少なりともありますが、逆に円安をどう止めるかは、多分どうしていいか分からんでしょう。
今の円安は日米の景気ということもあるでしょうが、両国の金利差が一番だと思います。アメリカは、景気が良くなってきて金利を上げる局面にきていますが、日本はご存知の通り景気は良く無く、金利をまた下げようとしています。もし、円を高くしようとすれば金利を高くしなければならず、そんなことをしたら今の日銀や銀行が腹いっぱいに持っている国債は暴落してしまいます。国債が暴落すれば、円はもっと安くなってしまうでしょうし、日本の経済全体がズタズタになる可能性が高いです。
そんな中で、地震とか火山噴火とか考えただけで、憂鬱になることが多いです。基本、超楽観主義な私でありますから、頑張るしかないです。まあ、なんとかなるでしょう。