週刊柏﨑 第620回_秋になりました

天高く馬肥える秋、まさにそんな言葉がぴったりの季節になってきました。ここの処の年間の陽気は、夏か冬の二季状態であり、本来過ごし易い秋や春がとても短くなっているような気がします。

今年は9月中旬位から秋らしい陽気になってきて、本当に久しぶりのことでありますな。関西は今週、週を通してとっても天気が良く、京都では早くも多くの観光客を見かけます。それでも北海道では、トンデモナイ侵入経路で台風が直撃しているようで、お住まいの方はくれぐれもお気を付け下さいませ。

QVCさんのオンエアー出演も10月下旬迄なく、久しぶりに京都でまったりとした時間を過ごさせて頂いています。但し、日中と朝晩の寒暖差はかなりありますので、お体ご自愛下さい。

みなさん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

10月6日でとうとう還暦を迎えてしまいました。社員さんからは、愛飲している芋焼酎&グラスセットと銭湯の回数券をプレゼントとして頂きました。嫁さんには、回らない寿司をご馳走になり、それなりに祝ってもらいました。有難いことです。流石に赤いちゃんちゃんこは抵抗がありますな。因みに、娘と息子からは、メールがきただけでありました。

予想外の戦いで注目を集めるラグビーのワールドカップでありますが、初戦の南アフリカ戦で大番狂わせの勝利の次戦の対スコットランド戦は残念ながら大差での敗退となりました。しかしながら、前半はスコットランドを圧倒していて日本の勝利の可能性はあったと思います。ただゴール前まで攻め込んでからのもう一歩が足りず、最後は電池切れになりました。戦いに「たられば」はありませんが、前半で1本か2本トライが取れていたら、結果は違っていたと思います。日本側がボールを支配していたボール占有率は日本が圧倒的に高かったのですからね。それを実証したのが、3戦目の対サモア戦、サモアは日本より格上で、実際日本はサモアには、殆ど勝てていません。開始早々、スコットランド戦同様、ゴール前迄攻めますが、中々トライを奪えません。チョット嫌な感じがしましたが、すぐにトライを奪ってからは、まさに横綱相撲、終始サモアを圧倒して2勝目をあげました。

ここまでの日本の強さの原動力は、とにかくフォワードが走るし、強いということにつきます。確かに、あの独特なルーティンがブームになっている五郎丸選手の適格なキックもありますが、ラグビーの基本と言われているスクラムが押し負けないどころか、押し勝っていることが一番であります。あの武蔵丸や曙みたいな(同じ種族であります)サモアのフォワードを圧倒した日本フォワードは本当に見事でありますな。体格は比べるまでもなく、外国人の方がいかついのですが、日本の低く一丸となって押すスタイルは体格差を補って余りあるものであります。これからの、日本経済の有り方を示唆するようですね。

最終戦の対アメリカ戦、勝っても勝ち点差で、決勝リーグに進出出来ないかも知れませんが、日本ラグビー、本当によくやったと思います。(サモアがスコットランドに勝つことを期待しています)

国会の質疑というのは、あらかじめ聞くことを事前に伝えてあります。だから、当然答えることは、頭の良い官僚が考えて原稿にして答える側に渡してあります。だから、国会質疑というのは、三文芝居です。見ていてつまりません。たまに台本に無いことを聞かれると、アタフタとしどろもどろになり狼狽えます。日本の偉い人たちは、アドリブが利きませんな。本来、マスコミ会見の質問は、国会とは違います。何を聞かれるか分からないのが普通であります。当たり前でありますが、アドリブで答えるしかないです。偉い人の本当の力、技量が問われます。

ところが、今回ニューヨーク国連での安倍首相のマスコミとの会見で、なんと、マスコミ側からの質問内容が予め決められていたことを、外国人記者からばらされてしまったのです。まあ、予定外に質問されたのは、「日本はシリア難民を金銭的に支援することを表明したが、なぜ難民を日本は受け入れないのか?」という至ってシンプルなものであります。確かに、日本は先進国の中では、難民受け入れにとても消極的と言わざるを得ない国であって、今迄、日本でも多くのシリアから逃げてきた人達が、日本で難民申請したにも拘わらず、僅か3人しか認定されていない訳で、まあ難民を受け付けていないといってもいい状況であります。だからって日本には日本の事情があるんだし、「難民の出ない世界を作っていきたい」とか「難民に関しては日本としてこれから取り組んでいくべき課題」とか答えりゃいいものを、やっぱり台本にないことは、狼狽えますな。「移民(難民との間違え?)の問題は、女性や高齢者の活用がとか、出生率がどうのこうのって」、頓珍漢の答えを披露して、周りの人達は大慌てであったそうです。

日本スタンダードは世界基準からみると通用しませんね。かといってとにかく、アドリブ、要は一言余計なことを言いたがる副総理や会見を全てアドリブの大阪の方は、それで大炎上するのですから、難しいですな。私も、いつも余計なことを言って怒られます。まあ、日本の政治家の偉い人は、あの「思いっきりテレビ」に出て、田原総一朗氏や他の口が達者な出演者と受け答えの練習でもした方がいいかも知れません。

今年のノーベル賞でありますが、大村智教授が生理学賞、梶田隆章教授が物理学賞を受賞しました。大村先生がノーベル賞を貰ったのは、アベルメクチンという薬を開発したからです。このアベルメクチンをタダでアフリカの人達に配って、死に至ると言われている風土病から3億人の命を救いました。ある意味、平和賞とのダブル受賞でも可笑しくありません。実はアフリカの風土病というのは、フィラリアです。そう、犬を飼っている人なら誰でも知っていますな。

家のダメ犬も毎年予防接種しています。この予防接種しているのが、アベルメクチンであります。昔は、多くの犬がフィラリアで死にました。子供の頃に飼っていたシェパードもフィラリアで死にました。だから、アベルメクチンは最初は畜産用に開発された薬であります。1981年に動物用に開発されたアベルメクチンは、動物薬として今日でも売り上げ1位でありまして、ピーク時には、年間売り上げ1000億円、今迄世界で1兆8000億円を売り上げています。1987年にフランスを皮切りに世界で人用に治療薬として認可され、アフリカの寄生虫由来の風土病のフィラリアやオンコセルカ病から3億人と言われるアフリカ人の命を救いました。

大村先生、アベルメクチンを創って、その特許料の250億円を世界の人の為と放棄したそうです。だから、アフリカの人達にはアベルメクチンはタダで配ったのだそうです。子供の頃からお婆さんに「他人様の役に立て」と言われていたそうであります。それでも中々出来ることではありません。地元山梨には、大村先生が寄贈した美術館や温泉施設があります。家はそれ程大きくないし、車はミニバンでしたね。奥様は、既に亡くなり、お嬢さんと二人暮らしのようです。

元々は、山梨大学の文芸学部卒ということで驚きます。地元で教員になろうとしたのですが、教員の空きが無く、東京の定時制高校の教員になりました。毎日油まみれで学校に通う生徒を見て、奮起し昼は東京理科大の大学院で研究し、夜は定時制高校で教鞭をとられたそうです。本当に頭が下がりますな。常に新しいアイディアを模索し、模倣は絶対にしなかったそうです。誰かさんには、耳が痛いことです。

梶田先生のニュートリノに関しては、難しくてさっぱり分からないのですが、やはり宇宙の生成に関する大きな功績があるのだと思います。大村先生、梶田先生のお二人共、今迄のご苦労が報われて本当に良かったと思います。あとは、毎年本命と言われている文学賞の村上春樹氏が受賞出来るといいですね。(残念ながら今回もダメだった模様です。ノーベル文学賞は人気作家には冷たいような気がします。)

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