週刊柏﨑 第621回 日本経済のこれから
例年では、この位の時期まだ扇風機を使っていたような気がするのですが、今年は早くも電気ストーブを出してしまいました。ここの処、本当に朝晩は冷え込んでいて、かなり着込んで犬の散歩に行っています。北関東では、早くも霜がおりましたし、北海道では初雪が降ったと言う話が。このままいくと、今年の冬は寒くなりそうですな。巷では、既にインフルエンザが流行って、学校閉鎖のところがあるようですので、「うがい、手洗い、クロワール」で予防して下さい。
先週にお知らせした通り、ここのところ割とゆったりとした日々を送っていまして、この連休は、嫁さんと近所を散策したりしております。知り合いに尾形光琳と俵谷宗達の作品が展示されている美術館の券を頂いたので、久方ぶりに絵画鑑賞に行きました。この手のものには、余り詳しくないのですが、流石に光琳の風神、雷神(カイゲンの風邪薬のマークになっている絵)は分からんなりに素晴らしいと思いました。
皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。
決勝リーグの進出が期待されていたラグビーワールドカップでありますが、日本はアメリカに快勝して、同グループの南アフリカ、スコットランドと3勝1敗で並んだものの、勝ち点差が僅かに及ばず、残念ながら予選敗退となりました。もう少しでサモアがスコットランドに勝ちそうでしたが、本当に惜しかったです。こうなったら、日本が勝った南アフリカが優勝して、日本の実力をもう一度知らしめて欲しいですな。新国立競技場問題でケチがつきましたが、次のラグビーワールドカップは日本で行われます。(こけら落としは、ラグビーワールドカップで使用することを予定していました。)念願のベスト8決勝リーグ進出を是非とも果たして欲しいです。
あのキック前の独特なルーティンが話題になった五郎丸選手の会見での涙、ジーンときましたね。彼は現在29歳、常識的には次のワールドカップはキツイ年齢であります。でも、頑張って欲しいです。
スポーツとしてラグビーと同じ位しんどいテニスのフェデラー選手は34歳ですが、今でも超一流プレイヤーです。まあ、これでラグビーのすそ野が広がって、ラグビー人口が増えるといいですね。私は、サッカーよりラグビーを見る方が好きです。
今の、ストレス満載の世の中、15人に1人がうつ病になると言われていまして、うつ病は最早私達の身近な病気であります。ただ、うつ病と言われても、何か漠然と気持ちが落ち込んで何もやる気にならないような症状になる病気というイメージがありまして、私のようにどちらかといえば常にそう状態の人間にはよく理解出来ない訳であります。
大体、医者の問診によって決められるのですから、身体的にこうだという定義があるものではないのです。治療法として抗うつ薬、向精神薬を服用するのですが、これが良く分からないものでありまして、薬の正確な効能データーは国家機密レベルで全くベールに包まれたものだそうであります。あるブログに書いてありましたが、人を操ることが出来る薬だからでそうです。
まあ、私にも理解出来るのは、向精神薬では、うつ病は治せない事、あくまで、その時のうつの症状を抑えるだけです。まあ、薬ですから副作用もあります。新しいうつ病治療として、TMSといって頭部を磁気により刺激する方法がアメリカで広まっているといことであります。磁気で前頭葉を刺激し活性を高めることでうつ症状を改善するといものです。薬物と違って副作用も無いということです。ただ、今の処保険が効かないそうで、1回4万4千円かかります。そしてその治療を受けれるクリニックによると30回位は続けることが必要といいますから、費用はかなりかかります。私はいつも言っているのですが、どんな病気も発病に至った原因というものがあって、それを特定して改善しなければ完治はないということです。太った原因が食べ過ぎだったら、それを改めない限り痩せません。
例えライザップに通って頑張って痩せても、元の生活に戻れば身体も戻ります。うつ病にはなったことがないので分かりませんが、多分一緒であると思います。
10月に入って9月の街角景気が数値として発表されました。何となく推測出来るのですが、街角景気は一段と悪化しているのであります。調査対象14業種の内10業種で現状判断DIという指標が低下しました。特に、百貨店、コンビニエンスストア、家電量販店、飲食関連の落ち込みが大きいです。食品価格が円安や天候不順の為に高騰し消費者の購買意欲が冷え込んでいるのが原因としていますがどうなんでしょうかね。これで8月、9月と2か月続けて前年を下回った訳であります。ところが先月東京商工リサーチという有名な調査会社が発表した景況感は、全くの逆でありまして、倒産件数は最小になったとか、日本の景気はいいじゃないかという話をしています。それは、大手輸出企業が絶好調で日本の景気が底上げされているだの、マンション発売が23%伸びたの、小売りや飲食業の新設法人が大幅増とかであります。また同時期に内閣府が発表した消費者態度指数では、「耐久消費財の買い時判断」や「雇用環境」などの指数の改善をアピールしていて、とても同じ日本の事とは思えません。
まあ、日本国民は雰囲気で行動していますから、色々のメディアで楽観論を出してなんとかしようとしているのかも知れませんが、「笛吹けども踊らず」というところでしょうか。実際に、9月の消費者態度指数が発表され、なんと全項目がマイナスとなってしまったのです。ここで、注目しなければならないのは、物の値段が上がると言うインフレ状態であるのにも拘わらず、景気が悪化すると予測する企業が物凄く増えていることであります。つまり物価上昇と景気悪化が同時に起きるスタグフレーションを国民も企業も意識しているということです。
安倍首相が目指す「良いインフレ」というのは、高い値段で商品がどんどん売れるー会社は利益が沢山出て儲かるー雇用を増やす、工場、設備の投資を増やすー社員の給料、ボーナスを上げるー所得が増えたので国民は、バンバン買い物し外食に行くというスパイラルであります。確かに、エーエルだってクロワールやアイネオが1万円でドンドン売れれば、そりゃ大盤振る舞いします。ところが「悪いインフレ」と「スタグフレーション」になると、安くしても中々商品が売れないー様々な原料や付属品が円安の為に値上がりし原価が高騰するー原価が上がっても商品代金に転嫁出来ず利益が激減するー社員を減らすか契約社員を増やす、工場、設備を減らすー給料、ボーナスを減らすー所得が下がり、将来に不安を持つために消費を減らすという最悪のスパイラルになりますな。
現在、世界の消費低迷で原油価格や鉄やアルミなど様々な商品市況が下がっています。そのおかげで、日本は本格的なスタグフレーションにはなっていません。政府が、円安で大儲けしている大手輸出企業に賃上げを要請したり、携帯電話会社に携帯代を下げるよう要請しているのは、少々風向きが変わって来た来年の選挙の為だけではなく、日本経済が本当にヤバイと考えているからかも知れませんね。安倍首相が色々なところで、「デフレは終わった」とか「雇用が大幅に増えた」「給料が上がった」など盛んに安倍内閣の実績を強調しますが、今となっては誰もそれを信じていないし、多分安倍首相自身もそれに気づいていると思います。
今や、17年4月の消費税10%に向けて日本は動いています。それは、間違いなく日本にとって最悪な選択であると思います。本来であれば、この10月から消費税は10%になっていた訳でありますが、これを阻止したのは安倍首相であります。もし、この再増税を止めることが出来れば、それは何よりの支持率回復に繋がると私は思います。でも、今回の増税は日本の景気がどうあれ実行するといっているし、旧大蔵省の威信がかかっているし、まあ、無理でしょう。エーエルジャパン、どうなっちゃうんでしょうかね。