週刊柏﨑 第539回_アマゾンへアサイーベリーを探しに!行ってきました 最終回その1!

なにか真冬に逆戻りしたんじゃないかという程、物凄く寒い日が続いています。
(すみません。また週後半から気候が変わりました。)

今日も昨晩から降った雪が、所々残っていて、一層寒さが身に染みるというところですかね。天気予報では昼から幾らか暖かくなるようですが、外に出るのはおっくうになります。梅の花は満開でありまして、北野天満宮などの梅の名所はかなり込み合っているようです。梅の花というのは、仄かな香りがあり、慎ましさ感じられ、個人的には桜より好きです。遙か昔、平安時代は花見というのは、桜でなく梅であっということで、なんとなく頷けます。ただ、桜の絢爛豪華な感じと、あっという間に散ってしまう潔さはやっぱり捨てがたいですけどね。

今週の火曜の3月11日で、東日本大震災からまる3年がとなりました。改めて、亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると同時に、被災した方々に心からお見舞いを申し上げます。今週、色々なメディアで東北の被災地の復興状況を報道していますが、いまだ復興はほとんど進んでいないように感じられ、同じ日本人として心が痛みます。心の傷は消えることが無いと思いますが、被災した方々や地域が、立ち直り、新たな生活を不自由無く送れるような環境を一刻も早く築いて欲しいと思います。少しでありますが、弊社の売り上げの中から今年も寄付をするつもりであります。皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。この東日本大震災を昔に遠くで起きた悲惨な出来事として風化させてはいけません。

いよいよ、4月1日から消費税が上がります。消費税を上げる条件というのが、景気が回復しているということなのですが、ここにきて国は経済成長に対する数値を下方修正しています。増税の裏づけとなった去年の夏頃の景気回復は政府がバンバン大振る舞いした公共工事が大部分なのですが、流石にそういう底上げがないと今の日本の経済は息切れしてしまう位の景気回復の強さなのかもしれません。それでも新聞やテレビで流されるのは結構楽観的で良い報道ばかりなので、国民のマインドコントロールは上手くいっていると思います。果たして、この時期に増税をして良いのかと聞かれれば、絶対にノーであるのですけれど、決まったからにはなんとかやっていかなくてはなりません。昨日行ったスーパー銭湯は4月1日から700円の料金が800円に上がるとの告知がありました。増税分は約20円なので、完全の値上げであります。私にはこれが良い方向にいくとは思えません。エーエルとしては、増税分の3%は申し訳ありませんが余分にお預かり致しますが、値上げは一切するつもりはありません。

さて、ブラジル取材の旅、最終回であります。

ブラジルの北部アマゾン川の河口に位置するベレンから車で約5〜6時間にある小さな町トメヤスが今回訪問するアサイーの農場がある場所であります。ケニア、サバンナの全く舗装されていないデコボコ道に比べるとアマゾンのジャングルを行く道は綺麗に舗装されていて思いの他快適であります。途中にはアマゾン川の支流に架かるレインボウーブリッジみたいな巨大な橋がいくつもあり、私が考えていたアマゾンのイメージとはかなり違います。途中に渡った川の渡し船フェリーとその周りの集落がアマゾンチックな唯一の場所であり、ジャングルも道から眺めるとそれ程未開の地域には思えません。やっとこさ着いたトメヤスは、町の入口に「ようこそトメヤスへ」という看板があるように、日本人入植者が多く移り住んだ地域でありまして、日系人がかなり多く住む町であります。町の小さなホテルにチェックインし、すぐに向かったのが日本でいう農協なような団体でありまして、主要メンバーは殆どが若手の日系人であります。日本語も片言でありますが通じまして、面談したエジソン、シンジ君は暖かく出迎えてくれました。

アマゾンという場所は昔、ゴムの木で目覚ましく繁栄した処でありまして、それは、ベレンのクラシカルな小奇麗な町並みなどで伺えますし、アマゾン一の都市マナウスなどに行きますとオペラハウスや大劇場などもあるほどであります。それがゴムの苗木を渡したことで、ゴムの主要産地の座をマレーシアやインドネシアという東南アジアに奪われた、という歴史があります。このトメヤスという地域は戦前に鐘紡が南米拓殖会社という会社をアマゾンに設立し入植者を募って出来た町であります。畑は全てジャングルを焼き払って作るいわば焼畑農法でありまして、畑が元の原始林に戻る数十年〜数百年にジャングルの自然に適合する作物を育てるという気が遠くなるほどしんどい道のりの農業であります。入植者が当初想定していたカカオの栽培に失敗し、悪性のマラリアでどんどん死者が出てという状況で今日に至るという歴史には正に筆舌に尽くせない苦労と努力があったと思います。

その後トメヤスでは、良質の胡椒の栽培に成功し、胡椒の世界相場の高騰もあり、当時は、銀行も無く、この農協の部屋が札束で埋まったと言います。それでも、いいことは続かないもの、その後謎の病気で胡椒が全滅し、なんとか再開したと思ったら、胡椒相場の暴落と、正にジェットコースターのような人生をトメヤスの入植者は経験しているのです。(まあ、程度はありますが、私の波乱万丈な人生に似ていますな。)農協には、小さな歴史館みたいな処があって、シンジ君の紹介で見学させて頂きました。うん、あのアマゾンのジャングルを開拓なんて、私には絶対無理でしょうね。

翌日農協の紹介で訪れたのは、宮崎からアマゾンに渡って50年という、日本人の永水さんの農園、私達には想像もつかない位広いです。現在はアサイーをメインに胡椒と燃料油が採れる、低木なヤシを栽培しているそうであります。とても歓迎してくれまして、この場を借りて厚くお礼を申し上げる次第であります。アサイーはひょろっとした幹が細いヤシでありまして、木の先端部分がパルメットというタケノコのような食感の高級食材で珍重されています。前にも書きましたが、アサイーの実というのは、ベリーというのは外見だけであって、完全に紫色の小さなヤシの実でありまして、ドングリみたいなものです。当然食べる部分は殆どというか全く無く、なんとか薄い皮が食せるだけです。また味も少し苦く美味しいとかいう以前の、まあ、食べるものではありませんな。このアサイーの天然の木は川岸に生息していて、昔からその実を絞ったものを、栄養があるということで現地の人たちが食していたのです。ただ自然のアサイーの場合、木の高さがかなり高く、当然アサイーの実も高所に生るため収穫の効率が悪かったのです。アサイーの実は大体3年くらいで収穫できるのですが、その時の木の高さはそれほどではありません。ですから、農園のアサイーは株別れした木を残して、高く成長する木を切るという方法で、実が高所に生らないよう工夫しているのです。切った木からはパルメットも採れますしね。この地で収穫したアサイーはフローズンや粉状にして全量日本に行くそうであります。

今はアサイーのおかげで、経営状態もいいようでありますが、当面の問題は日本の農業と同じ後継者問題なのです。幸い永水さんの処は、息子さんが後を継ぐそうなのですが、高齢者の経営者ばかりの今のトメヤスにはそれが大きな問題で、実際近所の農園も幾つか、経営者が亡くなったら跡継ぎがいなくて閉めてしまったそうです。実際、永水さんもアマゾンに16歳で渡って今年で50年ですから66歳ということなのです。

やはり足りなくなりました。

来週こそ最終回ということで次回に続きます。

柏崎

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