週刊柏﨑 第590回_機能性食品制度

1週間の間に、暖かくなったり寒くなったりと不安定な日が続いています。この時期はこんな気候と言ってしまえば、そうなのですが、寒暖差がこうも大きいと身体の方はたまったものではありません。今日の天気予報、最低気温は0度、最高気温は15度ですよ。毎週、QVCさんでの打ち合わせで東京に出張するのですが、京都が温かいと思って軽装で行くと、東京はかなり寒かったりして面喰いますな。週初め米原〜関ヶ原で雪が降って、新幹線が遅れましたが、熱海位になると早咲きの桜が満開で、狭い狭いと言われていますが、日本は結構広いと思いますね。

3月11日、あの東日本大地震から4年が経過しました。今なお約22万9千人が避難生活を強いられ、場所によっては、殆ど復興は進んでいません。福島原発事故の収束はどうなっているか、私達には正確な情報すら伝わってきません。「遥か昔に起きた大惨事」、私達は、次第に東日本大地震をこう捉えてきてしまっているのかも知れません。

日々生きていく事に精一杯、確かに今は大変な時であります。しかしながら、何の被害もなくこうして生活出来ている私達は、同じ日本人として、苦しい生活を余儀なくされている人々を救う義務があると考えています。その為には、地域主体の情熱を持った人が集まった再生計画が必要であります。決して、国がお金を出して役所が主導するようなことがあっては、間違いなく上手くいかないと思います。その地域で、実際に人が継続して暮らしていけるシステムが作れなくては、人はいなくなります。地元の人が一番欲しいのは、箱物や道路ではなくそこで、ずっと生活する糧を得る仕事です。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。週初め、東京に出張したついでに、知り合いが出展している有明ビックサイトの健康博に行ったのですが、平日にも拘わらず沢山の人出で驚きました。この健康博に行きますと、今現在、どういうものが流行っているか分かるのですが、今回はココナッツオイル、水素水、そして酵素の関連商材が本当に多かったです。余りに広くて殆ど見ることが出来ませんで、結局知り合いの会社の社長と今度飲む約束をして、すぐ帰ってしまいました。

何年か前に、食道ガンの手術を拒んで、その当時聞いたことも無かった陽子線治療によってガンを完治させたなかにし礼氏ですが、3月に入って受けた検査でリンパ節の転移が見つかりました。すでにリンパ節摘出手術を済ませているようですが、話によると背中を25センチも切り開くかなり大掛かりの手術であった模様です。以前、なかにし氏が受けた陽子線はその当時、画期的な放射線治療として注目され、実際、私の知り合いは、陽子線治療が受けられる病院から資料を取り寄せていたほどであります。普通ガンを放射線で叩こうと思ったら、病巣のガンに狙いを定めて、決められた強さで、数十日に分けて放射線を当てます。その放射線の強さは、身体の中で調節することが当時は出来ませんでしたので、ガン以外の他の臓器や、ガンに届くまでの器官が全て放射線でやられてしまい、その影響で大きい副作用があった訳であります。

陽子線治療というのは、その放射線をガン以外の器官では軽く、そしてガン病巣でマックスに高めるという患者に負担が少ないのに、ガンを叩く効果が高いという画期的な放射線による治療方法であったのですね。問題になるのは、その費用の高さ、普通の放射線を巨大な加速装置使って加速しなければならず、保険対象外であり、その1クールにかかる治療代が250万〜300万円もかかってしまうのです。それでもなかにし氏がテレビに出まくって陽子線治療の凄さを言いまくったからか、当時陽子線治療が出来る全国の病院(7か所くらいでした。)はどこも予約が取れない程でした。

今も陽子線治療や重粒子線治療として、ガンの治療に用いられていますが、今になれば、費用対効果を考えるとどうもそこまでの効果がないと言われています。それと言うのも、正に日進月歩、今では普通の放射線でも病巣で出力をマックスすることが可能になったからで、そりゃ何百万もかけて受ける人はいなくなりますな。まあ、何にしろ、ガンに対しては今の処これといった治療法はありません。ストレスをためず、食生活に気をつけ、健康的な生活を送る、ガンにならないようにするしか無いということです。今日の朝、線虫という寄生虫を使って、ガンを発見出来るとかいう話題を、テレビの情報番組でやっていましたが、どうなんでしょう。

ガンが早期発見されることが、必ずしも良い事かどうか、近藤誠先生の理論などが広く社会に認識されて、意見が分かれるところですが、それでも、今ガン検査に行われているCT検査やPET検査を考えると、放射能の被爆はないし、費用が数百円というのですから、患者側からみれば画期的なことでありますな。

食品が健康に与える効果を国の許可なしにうたうことが出来る「機能性表示食品」制度が4月から始まります。その食品に含まれる栄養成分が体に与える効果、効能を消費者に対してうたえる訳であり、健康関連食品の市場を大きく広げる可能性があります。この制度が始まると、私達がスーパーで何気なく手に取っていたトマトが「血管の機能をサポートします」とかブロッコリーなら「肝臓の健康を助けます」などの表示が出来るようになります。今の処、このような野菜や、魚などの食品が目先の機能性表示の対象になりそうですが、私達のような健康食品のメーカーには、商品に含まれている原料の効能、効果を機能性表示としてうたえれば、消費者にとって相当大きいインパクトになると考えられているのです。

現実に機能性表示を1994年いち早く導入したアメリカでは、メーカーの責任で機能性をうたった処、サプリメントだけで12年で4倍の325億ドルに拡大したそうであります。日本市場でトクホを含む健康食品市場は現在約2兆円、これが8兆円になれば、それは凄いことです。確かに、ルテインなら、「青色光から目の水晶体や黄斑部を守る」とかグルコサミンなら「関節の動きをサポートします」またDHA,EPAなら「血液の流れをサポートしたり記憶力をサポートします」なんて言えたら消費者にかなり響くでしょう。

ただ問題があるのは、野菜や魚などだったらどんな種類であっても成分的には大きな開きは無いと思いますが、健康食品に含まれる原料のクオリティや成分、不純物などはかなりの差があります。例えば、フローラグロールテインと海外産の安価のルテインでは別物といっていいほど差がありますし、それは他の原料に於いても同じと思います。ですから、サプリメントの原料に対する機能性表示には、まだまだ議論することが必要であり、そう簡単には機能性表示とはいかないと考えています。

ただ、おばあさんが階段を勢いよく駆け下りてきて、今はこんなに元気とかいうグルコサミンのCMや運転手さんが夜道でも遠くまでよく見えて楽とか言っているブルーベリーのCMも十分機能性をうたっているとしか思えませんな。(本当はいけないんですけどね。)ただこの機能性表示は、厳しかった健康食品市場にとって久々の朗報であることは間違いありませんね。

柏崎

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