週刊柏﨑 第589回_大塚家具騒動。。。私なら?

3月に入りました。各地で春一番が吹いているようですが、京都は今週に入って冷え込んでいます。まあ、この時期は三寒四温、暦通りに段々暖かくなっていくのでしょうね。静岡では、早咲きの桜が早や満開ということでありまして、寒くてしんどい冬ももうすぐ終わろうとしています。受験シーズンもどうやら殆ど終了した訳でありますが、本当に受験生とその親御さんには、お疲れ様と言いたいです。無事入学が決まった人、残念ながらそれがかなわなかった人、人それぞれでありますが、大学入学の時点で人生が決まる訳ではありません。皆さんの長い人生の内のほんの一瞬の出来事であります。貴方達の人生はまだ始まったばかりです。

 

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。光陰矢の如し、娘は今年、薬大の最終学年の6年生、息子も3年になります、本当に悲しくなる位早いですな。

再び、新発売の歯ブラシについてです。前々から言ってきたように、現在成人の80%が歯周病と言われています。虫歯は国民の90%が罹ったことが有る訳であります。なんでこんな悲惨な状況であるのか、そりゃ歯磨きがちゃんと出来てないからであります。私は、口腔ケアーの商品に拘わるようになってから、色々な歯に関する本を読んだのです。大体が歯科医の書いた本が多いのですが、基本歯の手入れには自分自身で行う「セルフケアー」と歯科医師や技工士が行う「プロフェッショナルケアー」があり、セルフケアーだけでは絶対に歯の手入れが不十分であるというのです。

 

確かに歯科医や技工士は虫歯や歯周病に罹っている人は殆どいないということで、歯の専門家はどうやったら歯周病や虫歯にならないか熟知しているのですね。この歯ブラシは吉留先生という歯科医師が普通は私達個人では出来ない「プロフェッショナルケアー」を出来るようにそのノウハウを一本の歯ブラシに詰め込んだものであります。

この歯ブラシを通して、日本の歯科業界に大きな転機が来るようにしたいというのが吉留先生の希望であります。歯磨きは難しい、それは皆さんが使っている歯ブラシの形状や固さが私達の歯や歯茎の隅々まで磨くのに実際は適していないのです。昔歯医者で歯科技工士に方に歯磨き指導を受けたのですが、この部分は歯ブラシの横を使ってとか、角の部分を使ってとか難しくて出来ません。この魔法のワハハ歯ブラシは誰でも、簡単に綺麗に磨けます。

 

ブルーボトルコーヒーとかいうコーヒー屋がアメリカから日本に上陸して大流行りなんだそうです。完全にスターバックスの成功を見たアメリカ人が考えそうな展開であります。一号店は港区とか渋谷区ではなくて江東区、これも戦略的なことなんでしょうね。何でも、今はコーヒー一杯買うのに2〜3時間とかかかるらしいです。

ここの大きな特徴は一杯ずつコーヒーをドリップして入れてくれることというのですが、それって昔、日本でコーヒー専門店が流行った時売りにしていたことです。私が大学の頃、友達が蘭豆という喫茶店でバイトしていて一杯ずつ作っていました。今はめっきり減りましたな。スターバックスやドトールみたいに機械でバーっと作るのが主流であります。

 

ブルーボトルコーヒーの創業者によると日本のコーヒー専門店にインスパイアされて、まあマネして創業したんですね。それでブルーボトルコーヒーはコーヒー界のアップルなのだそうでありますが、なんのこっちゃという感じです。大体、外資系、とりわけアメリカ発の飲食業が日本の消費者に提供するサービスや付加価値が割高な料金、そこから派生する利益など日本市場から得られるメリットに全く釣り合わないと思っているのです。

スターバックスやマクドナルドなどが日本に上陸した時と同じ、新しいもの好きで、カッコつけの日本人気質を利用した上で、上から目線のサービスと営業、そして日本からアジア圏へ事業を拡張することを始めから考えていて、更に日本でその費用までを調達してしまうというビジネスモデルなんですね。正に洋物志向の日本においては、確実に成功することが出来るビジネスモデルです。コンビニなどで煎れたてのコーヒーが100円位で飲めるというのに、その何倍もするコーヒーショップに行く人がいるのかと思っていましたが、結構いるのですね。私は、クロワールを飲んでいますので、東京で人と持ち合わせくらいしか、スタバなどは使いません。

 

ビジネスモデルといって考えてしまうのが、大塚家具の親子のごたごた問題です。ビジネスモデルというのは何かというと、簡単にいうと、その会社がそこの仕事で利益を出す仕組みであります。どんな会社でもビジネスモデルはありまして、それはトヨタやNTTという大企業からエーエルジャパンのような零細企業までちゃんとあるのです。このビジネスモデルが時代や社会環境の変化で陳腐化、要は通用しなくなるのです。そうなると企業は利益を出せなくなる訳です。

大塚家具の場合は完全に破綻したわけではありませんが、ビジネスモデルが今の時代に対応出来なくなっていることは事実で、近い将来行き詰まる可能性が高いと考えています。その危機感があるからこそ、父と娘であれだけ揉めているのです。父親は、今までのやり方、即ち従来のビジネスモデルを踏襲しようという方針、娘は今のビジネスモデルはもうダメだから、今の営業は続けるけれども軸足は違うビジネスモデルを構築しようという方針であります。

結論から言いますと、大塚家具という会社を守る為には、父親が正しい、しかし、会社は間違いなくジリ貧、すぐに事業縮小、リストラも視野に入れなければなりません。娘はもしかして、大きく大塚家具が生まれ変わり、再び蘇る可能性はありますが、その可能性は極めて小さい、今のやり方からイケアやニトリなどが席捲するマーケットに参入するのは、余りに遅く、そして危険性が高いと言わざるをえません。まあ、大塚家具にとって進むも地獄、進まざるも地獄となるかも知れません。

まあ、私個人としては、あの大塚家具のショールームに踏み入った時のあの異様な感じが苦手でありまして。実はその時の一回しか行ったことはありません。大体、根っからの貧乏性で、その上人から色々指図されるのが嫌いなので、あの豪華なショールームで住所を聞かれた後、付きまとわれるのはしんどいですな。

 

しかしながら、一世を風靡した大塚家具、出来ることなら再び羽ばたいて欲しいと思います。多分あんなに簡単に日本市場を踏み台にして、巨額な資金を手にして、事業を拡大するブルーボトルコーヒーみたいな海外企業には負けて欲しくないですね。マジな話です。何か考えてしまうのですが、私が大塚家具の社員だったらどっちに付くか。これは結構真剣に考えてしまいますね。あの父親の会見の時、後ろに並んでいた部長クラスは私の同世代でしょう。あの人たち、きっと大塚家具が全盛の頃、会社を担ってきた社員さんなんだろうなと思います。ただ今は会社を復興させることなんてこの人たちは勿論、きっとお父さんだって難しいです。

 

私、多分お父さんに付くと思います。正しい、正しくないは分かりません。いつも言ってますが、株屋の頃から私が大事にしているのは、GNN、義理、人情、浪花節です。これだけは今も大切にしたいと考えていて、あの創業時代から頑張ってきたお父さんに反目は私には出来ません。あの幹部連中もそうなのでしょうな。でもそれって、とても日本らしい損得抜きの感覚だと思います。

 

柏崎

 

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