週刊柏﨑 第578回_皆様、寒さは大丈夫でしょうか?

毎日、車や水たまりが凍ったりするのが当然という感じの非常に寒い日が続いています。今年は暖冬なんていう話であったのですが、話が違いますな。まあ、暖冬といっても気温が0度から1度になったから暖かいでしょと言われても、そりゃどっちも体感的には凄く寒い訳でありますから所詮冬は冬であります。北海道や東北、北陸では、この時期としては考えられないような大雪が降っている模様でありますが、なんと四国徳島ででも同じくらいの雪が降ったのには驚きました。北海道や東北と違って四国は豪雪というイメージはありません。当然、地元民の雪に対する備えなんて無いに等しいのだから、そりゃトンデモナイ事になる訳であります。

 

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

インフルエンザどころか九州では鳥インフルエンザの鶏が見つかりました。このところエボラ出血熱の話題が寒さに比例するように低くなってきましたが、この鳥インフルエンザが人と人との感染が広がれば大きな問題となると思います。本当に免疫力や抵抗力が大切なんです。クロワールシリーズで、しっかりと健康管理をしてください。

 

物の値段が上がってきました。スーパーなどに行くと食品などは、本当に高くなったと実感するのですね。日本という国は、食品だけではなく様々な物を輸入しなければ、私達の生活は何一つ成り立ちません。食べ物を始め、車や紙、ペットボトルだって原材料は殆ど全て輸入品です。皆さんご存知の通り、今現在日本は円安であります。数年前1ドル80円だったのが今120円になった訳です。外国から牛肉を1キロ100ドルで買っていたとすると代金は同じ100ドルであっても日本円では8000円から12000円になるのです。要は、円の購買力が40%下がったということです。

エーエルの場合、カメリアやルテイン、アサイーなどは、海外調達でありますから円安になって、なにもメリットはありません。というか原料コストが上がってしんどいだけであります。前からこのコラムで書いてきましたが、為替(円の価格)というのは、国に対する通信簿であると考えています。私が、支持しているあるエコノミストが常々「通貨が高くなって破綻した国家は無いが、安くなって破綻した国は沢山ある」と言っていましたが、まさにその通り私達が稼いでいる円の力が強い方がいいのは当たり前であって、なんで外貨で給料を貰っているマー君や錦織選手の手取りを増やさなければならないか訳が分かりません。

日本という国は、良質な製品を海外に売ることをメーンにして成立している輸出国というイメージがあるのですが、今はそうではないのですね。ずっと続いてきた円高に対応するために、トヨタやパナソニックなどの日本を代表する企業は海外に工場を移転してしまっています。ですから、例えばアメリカで売るトヨタ車はアメリカの工場で造った車を、ヨーロッパで売る車はヨーロッパの工場製の車と最早、現地のメーカーとして活動しています。

以前、韓国ではトヨタ車には重い関税がかっていました、数年前にアメリカと韓国の間にFTAという貿易協定が結ばれこの二国間の貿易から関税が無くされて、車で一番韓国で売れたアメリカ製の車はなんとトヨタ、韓国政府としては、本当は拒否したいところなのですが、アメリカとしてはメイドインUSAのトヨタ車はアメリカの製品という認識であります。ですから、円安になっても日本からの輸出は一向に増えないなんて、当たり前のことですね。

それでもアメリカやヨーロッパで車を売った利益は、最後は日本に持ってくるので、円安になれば外貨は日本で円に換えれば増えます。要は、大手輸出企業は円安になって仕事量は増えないものの、稼いだ外貨の価値が円安によって膨らむということであります。1ドル80円が120円になってのですから何もしなくても利益が40%増えるのですから、そりゃトヨタは、2兆円もの利益を出しちゃうんですな。

しかもこれらの大企業は上手いこと外国と日本との税制を利用(悪用)して法人税を殆ど払っていなかったと言うんだから、少ないなりにも健全に納税してきた零細企業エーエルジャパンとしては、文句の一つでも言いたくなります。今は、輸出比率が高い企業なんて日本の企業の内20%以下程度しかなく、その他の80%以上の企業は日本国内で商売して食っているのです。まあ、今の日本は完全な内需主導国であるのですから、これだけ急激に円が安くなったり、いきなり消費税を3%も上げられればしんどくなるのは当たり前田のクラッカーであります。数年前みたく円が80円を割るくらい高くなることも問題でありましたが、今現在円が急激に120円を超すように安くなるのも問題であります。要は程々、1ドル100円位が適正な水準ではなかろーかと考えております。

 

しかしながら、経済というのは、生き物でありますからこの辺でという具合にコントロールすることは出来ません。特に、今回のアベノミクスというかなり強い副作用を持つ薬によってもたらされた円安はこんなレベルでは済まないという見方が強いのです。それでは、どの水準まで円安が進むのかということですが、私は、結構大きな危機感を持っています。

日本という国は、1985年のプラザ合意から多少の上下はあるものの、長期トレンドしては一貫して円高でありました。1ドル200円以上の水準から80円を切る位まで円高になったのです。その間には、日本はバブルが崩壊し景気が低迷しそれを立ち直らせるために市中の金利を下げまくったのですが、それでも円は、そんなアゲイストの風をものともせずに上昇したのですね。

前述したように、その過程で円高に対応するために輸出企業は海外に生産拠点を移したりしたり、日本の金融当局は様々な政策を駆使して円高に対する防御をしてきたのです。何を言いたいのかというと、今の日本には円を人為的に上げるノウハウは無いということであります。気温が暑いときに、エアコンでバンバン冷房を効かせて冷やす、ところが気温が寒く成った時、暖房機能がついていなければ暖かくすることが出来ない、これが多分日本の為替に対する能力であるでしょう。今の日本に円安を止める能力はありません。理論的には円安を止めるには、日本の市中金利を上げればいいのですが、そんなことをしたら、日銀が買い支えている日本国債が暴落しちゃいます。日本の国債を大量に抱える日本の金融機関は日銀だけではなく万歳であります。国の政策として日銀が、ドルを売って円を買う、こんなヤバイ状況でそんな急場しのぎをすれば、世界中のファンドから狙い撃ちにされてしまいます。

まあ、そうなった時日本が出来ることは「見てるだけー」でありますな。手の打ちようはありません。冒頭の、四国の大雪と同じ、全く備えが無い状態で、経験したことがないような状況に陥ったら、それはうろたえて何も出来ないのが今までの経験則であるのです。もし、凄い円安になって、日本の景気が回復せず、しかもインフレが加速、国債は暴落、前のアルゼンチンみたくなったら、資産は、金とか換金性の高い収益物件の不動産などに変えておいた方がいいでしょう。それか、海外に移住することです。まあ、可能性は低いですが絶対ないとは言い切れませんね。

 

今から、衆院選の不在者投票に行ってから、QVCさんでのベストセラー出演の為に東京に行きます。頑張ります。

 

柏崎

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