週刊柏﨑 第285回_明けない夜はありません。

まだまだ気温は低く、人と会えば「寒いですね」という陽気であるのですが、京都の桜は5分咲き位の処まできています。
市内には他府県ナンバーの車が目立ってきていて、先週末から実施された「高速道路どこまで乗っても1000円ポッキリ」の効果というところでしょうか。何でも2年間はこの「ポッキリサービス」が続くということらしいですが、私がこのサービスを利用することは多分無いんじゃないかと思います。
私の場合、遠出というとほとんどが東京出張な訳ですが、所要時間と運転による疲労を考えると、やはり新幹線ということになってしまいます。去年の今頃、ガソリンの暫定税率が一時的に廃止になって、(その後再びガソリン価格にかかるようになりました)ガソリン価格が安くなった時は、CO2の削減に逆行するとか叫んでいた政府与党ですが、この高速代値下げとあまり変わらない様な気がしますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
 
それにしても、あのガソリン税からなる道路特定財源を、何でも使える一般財源にするという話はどうなってしまったのでしょうか。それを約束したのは福田さんでした。年金問題を去年の3月迄になんとかすると言っていた安倍さんといい、辞めてしまえば約束を反故にしてもいいと思っているのでしょうか。私は典型的なノンポリで、支持政党というのはありません。しかしながら、今はっきり言えるのは、一回は政権は代えなくてはならないということです。こんな朝令暮改のような、我々国民をなめきった政治に対して、行動に出なければならないと思います。
 
さて、このコラムでも何回も触れましたが、現在は100年に一度の未曾有の大不況であります。
知り合いと会えば「しんどい」というのが当たり前になっているし、テレビのニュース番組を見れば、全てのキャスターが眉間にシワを寄せて「どうなってしまうのでしょうか」なんて言ってます。
そう言われると、それこそ不況とは関係ない年金生活者の方までが「大変だ」と思ってしまうのです。はっきり言います。
日本は大丈夫です。ただ回復にある程度の時間がかかるということです。日本の場合大きいのは、金融経済が傷んでいるのではありません。またかつての不動産バブルの時のように、実体経済もハチャメチャなことをしていた訳でもないのです。今回の世界同時不況は、やはり石油や食料などの資源が大暴騰し、その後大暴落した事が原因と考えています。
原油などは、1バーレル40ドル位のものが、半年で150ドル位まで上がり、今は40ドル以下というまさにジェットコースター並みの上げ下げであったのです。原油が上がったときは、中国やインドなどの新興国が、工業化によって需要が高まるといったような材料で買われたのです。しかし、これらの資源価格を暴騰させたのは、アメリカを筆頭とした世界の投機マネーだったのです。このことにより、世界に資源バブルが起こり、一気にパンクしたその影響は、元々バブル商品だった「サブプライムローン」にも及び、世界の金融市場を崩壊させたのです。
現在は世界が一つの情報によりいっせいにアクセルを踏み込む時代です。当然全ての国がヤバイと思ってブレーキを踏んだのですから、このような状態になってもちっともおかしくないのです。
ただ以前のような、トヨタやキャノンを初めとする、輸出企業が外国に物を売って日本をひっぱる時代は、しばらくは来ないと思います。ただ100年に一度といっても、今の世界人口は約67億人で、100年前の3.2倍であり、需要ははるかに大きいのです。それにしても日本はアメリカGMやシティバンクのように、破綻しそうなのに10億も20億もボーナスをもらったり、労働組合が賃金カットに応じないといった良識をもたないトップも社員もいないのですから。
 
今は新しいビジネスが生まれ、再び羽ばたく時を待っている時なのです。
明けない夜はありません。
自信を持って生きていかなくてはなりません。

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