週刊柏﨑 第394回_クロワールプラスと放射能
九州では、早くも梅雨に入ったなんてニュースが出ていましたが、今週で5月も終わります。今週は出張していた東京も地元の関西も、
ぐずついた天候であって、雨が降っていなくとも外出時は傘を持っていったほうがいいような感じの日が続いています。
私の住んでいる京都国際会議所付近は田畑が数多くある、まあ、田舎なわけであります。今の時期はその田んぼに水がはられて田植えの季節です。夜な夜なカエルの声も大きくなっています。しかしながら、私がこの地に移り住んだ頃から比べると、稲作する田んぼがかなり減っているのです。私の家の前のかなり広い田んぼも、今は何も作っていないただの空き地になってしまっていますし、野菜畑に変えてしまったり、家やアパートが建ってしまった田んぼがかなりあるのです。確かに稲作は田植えといい、稲刈りといい、大変手間が掛かるのは
理解できるのですが、やっぱり何か日本人として寂しい気持ちがあります。昔、出張先のタイで水を張った田んぼにモミを花咲かじいさんのように巻き散らかしているのを見て驚いてしまったのですが、日本の稲作というのは、その効率といい、規則正しさといい、日本の勤勉さを物語るものであると思います。皆さまお元気でお過ごしでしょうか。
先週から触れてきたお茶や農作物の放射線量の問題ですが、まさに予想した通りになっているようです。厚労省がお茶の生産農家に対し乾燥した茶葉の放射線量を測定して報告するよう通達を出したところ、全ての生産者が拒否したそうであります。それどころか、知事や首長レベルの代表者が先頭に立って、厚労省に対し抗議をしたそうであります。ゼロ以外はたとえ1ピコグラムでも消費者は受け入れない農薬のポジティブリストの時と全く同じであります。感覚としては「赤信号、みんなで渡れば怖くない。」という感じでしょうか。
しかしながら、なんとなく不安だけれど多分大丈夫という感覚が例のユッケ事件を起こしたと、私は思うのです。体調が悪かったにも関わらず、検査を拒み手遅れになったあの俳優さんも同様であります。ユッケ事件にしても、死者を出す以前からきっと何人かのお客さんは体調を崩していたはずです。俳優さんの件でも相当きつい状況であったと思います。検査や管理を怠り、危険性や不安感から目を背けたばかりにこういった結果になったということを忘れてはいけません。
基準値に達しない低い放射線量であれば健康被害はないのですから、国が主導した安全性をギャランティしたシステムが必要です。全てのものに目をつぶっては危険性のあるものも紛れ込む可能性があります。例えば基準値以内の品物には、国家公認の安全シールなどを張ったりしたら良いのではないでしょうか。あくまで私の考えではありますが。
ちなみに、お客様から多数お問い合わせのありましたクロワールプラスの放射線量でありますが、日本食品分析センターでセシウム134、セシウム137、ヨウ素131と不検出でありました。もしクロワールプラスから放射線量が検出されたらどうしたか正直、私はわかりません。
偉そうなことを言っていても、それが本音なのです。それだけにお茶の生産者の苦悩は理解できるし、なんとかして欲しいのです。
さて、今週も原発や放射線量に関する話題であまり変わり映えしないのですが、ご容赦下さい。
発電のエネルギーとして原子力を選択した理由というのは、やはり未来のエネルギーとしてクリーンであり、効率が良いからということなのですが、それと同時に言われたことが、石油や石炭などの既存のエネルギー資源には限りがあるということでした。
しかしながら、そうではないらしいのです。現在エネルギー資源として、ダントツの埋蔵量があるのが石炭で、今わかっているだけで800年は大丈夫という量、そして一番使われている石油が約70年。これには天然ガスやオイルシェルは含まれていません。
これら既存のエネルギー資源に比べて原子力エネルギーの元であるウランというのは、実は石油の数分の一、石炭の数十分の一にすら満たないという大変貧弱な資源であるのです。だから原発のエネルギー源であるウランというのは、実際は未来を担うには心もとない資源であるのです。しかしそれなら、世界的にどうして原発が推進されているのでしょうか。それは原発という仕組みが、他の発電方法と違うからであります。原発の発電方法はウランを燃やすというより、爆発させることによって水を熱しタービンを回して電力を作るのですが、
そこで終わりではないのです。ウランを爆発させることによってプルトニウムという物質が生まれます、それを再処理することによって再び燃料として再利用するのです。これが従来の発電方法とは違う点、核燃料は使い回しがきくということなんです。
一粒のウランから何倍もの新たな燃料を作り出し、原発のエネルギーとなる、それがプルトニウムです。
福島原発は1号、2号、4号機がウランで発電されていますが、3号機はこの使用済み核燃料プルトニウムで作ったMOX燃料で発電する、いわゆるプルサーマルという発電システムであります。プルトニウムというのは実は、地球上に存在しない物質である上に、とても危険性が高いのです。この使い回しのきくプルトニウム燃料も何回も使えば、最後は使えなくなって、廃棄しなくてはならないのですが、
簡単に捨てられるものではありません。そこで、廃棄物燃料でも使える原発、高速増殖炉というものを拵えて、この問題を解決しようとしているのです。「もんじゅ」をはじめとするこの高速増殖炉には、今まで何兆円もかけてきましたが、いまだ運転の見通しはたっていません。
原子力の世界というのは知れば知るほど異常であるし、この原発事故がなければそのことに気づくこともなかったのかもしれません。
何年かしたら原発の危険性も多分忘れてしまう人が多いでしょう。鉄は熱い時に打て。今しか原発の見直しはできないと思います。今回初めてクロワールシリーズのクロワールファインを動画で紹介しております。動画コンテンツだからこそ言えるファインの良さを伝えていますので、是非ご覧になってください。
ぐずついた天候であって、雨が降っていなくとも外出時は傘を持っていったほうがいいような感じの日が続いています。
私の住んでいる京都国際会議所付近は田畑が数多くある、まあ、田舎なわけであります。今の時期はその田んぼに水がはられて田植えの季節です。夜な夜なカエルの声も大きくなっています。しかしながら、私がこの地に移り住んだ頃から比べると、稲作する田んぼがかなり減っているのです。私の家の前のかなり広い田んぼも、今は何も作っていないただの空き地になってしまっていますし、野菜畑に変えてしまったり、家やアパートが建ってしまった田んぼがかなりあるのです。確かに稲作は田植えといい、稲刈りといい、大変手間が掛かるのは
理解できるのですが、やっぱり何か日本人として寂しい気持ちがあります。昔、出張先のタイで水を張った田んぼにモミを花咲かじいさんのように巻き散らかしているのを見て驚いてしまったのですが、日本の稲作というのは、その効率といい、規則正しさといい、日本の勤勉さを物語るものであると思います。皆さまお元気でお過ごしでしょうか。
先週から触れてきたお茶や農作物の放射線量の問題ですが、まさに予想した通りになっているようです。厚労省がお茶の生産農家に対し乾燥した茶葉の放射線量を測定して報告するよう通達を出したところ、全ての生産者が拒否したそうであります。それどころか、知事や首長レベルの代表者が先頭に立って、厚労省に対し抗議をしたそうであります。ゼロ以外はたとえ1ピコグラムでも消費者は受け入れない農薬のポジティブリストの時と全く同じであります。感覚としては「赤信号、みんなで渡れば怖くない。」という感じでしょうか。
しかしながら、なんとなく不安だけれど多分大丈夫という感覚が例のユッケ事件を起こしたと、私は思うのです。体調が悪かったにも関わらず、検査を拒み手遅れになったあの俳優さんも同様であります。ユッケ事件にしても、死者を出す以前からきっと何人かのお客さんは体調を崩していたはずです。俳優さんの件でも相当きつい状況であったと思います。検査や管理を怠り、危険性や不安感から目を背けたばかりにこういった結果になったということを忘れてはいけません。
基準値に達しない低い放射線量であれば健康被害はないのですから、国が主導した安全性をギャランティしたシステムが必要です。全てのものに目をつぶっては危険性のあるものも紛れ込む可能性があります。例えば基準値以内の品物には、国家公認の安全シールなどを張ったりしたら良いのではないでしょうか。あくまで私の考えではありますが。
ちなみに、お客様から多数お問い合わせのありましたクロワールプラスの放射線量でありますが、日本食品分析センターでセシウム134、セシウム137、ヨウ素131と不検出でありました。もしクロワールプラスから放射線量が検出されたらどうしたか正直、私はわかりません。
偉そうなことを言っていても、それが本音なのです。それだけにお茶の生産者の苦悩は理解できるし、なんとかして欲しいのです。
さて、今週も原発や放射線量に関する話題であまり変わり映えしないのですが、ご容赦下さい。
発電のエネルギーとして原子力を選択した理由というのは、やはり未来のエネルギーとしてクリーンであり、効率が良いからということなのですが、それと同時に言われたことが、石油や石炭などの既存のエネルギー資源には限りがあるということでした。
しかしながら、そうではないらしいのです。現在エネルギー資源として、ダントツの埋蔵量があるのが石炭で、今わかっているだけで800年は大丈夫という量、そして一番使われている石油が約70年。これには天然ガスやオイルシェルは含まれていません。
これら既存のエネルギー資源に比べて原子力エネルギーの元であるウランというのは、実は石油の数分の一、石炭の数十分の一にすら満たないという大変貧弱な資源であるのです。だから原発のエネルギー源であるウランというのは、実際は未来を担うには心もとない資源であるのです。しかしそれなら、世界的にどうして原発が推進されているのでしょうか。それは原発という仕組みが、他の発電方法と違うからであります。原発の発電方法はウランを燃やすというより、爆発させることによって水を熱しタービンを回して電力を作るのですが、
そこで終わりではないのです。ウランを爆発させることによってプルトニウムという物質が生まれます、それを再処理することによって再び燃料として再利用するのです。これが従来の発電方法とは違う点、核燃料は使い回しがきくということなんです。
一粒のウランから何倍もの新たな燃料を作り出し、原発のエネルギーとなる、それがプルトニウムです。
福島原発は1号、2号、4号機がウランで発電されていますが、3号機はこの使用済み核燃料プルトニウムで作ったMOX燃料で発電する、いわゆるプルサーマルという発電システムであります。プルトニウムというのは実は、地球上に存在しない物質である上に、とても危険性が高いのです。この使い回しのきくプルトニウム燃料も何回も使えば、最後は使えなくなって、廃棄しなくてはならないのですが、
簡単に捨てられるものではありません。そこで、廃棄物燃料でも使える原発、高速増殖炉というものを拵えて、この問題を解決しようとしているのです。「もんじゅ」をはじめとするこの高速増殖炉には、今まで何兆円もかけてきましたが、いまだ運転の見通しはたっていません。
原子力の世界というのは知れば知るほど異常であるし、この原発事故がなければそのことに気づくこともなかったのかもしれません。
何年かしたら原発の危険性も多分忘れてしまう人が多いでしょう。鉄は熱い時に打て。今しか原発の見直しはできないと思います。今回初めてクロワールシリーズのクロワールファインを動画で紹介しております。動画コンテンツだからこそ言えるファインの良さを伝えていますので、是非ご覧になってください。
クロワールカフェ:http://www.al-japan.com/movie/index.html
楽珍堂:http://www.rakuten.ne.jp/gold/al-japan/movie/index.html