特定健康診査について 週刊柏﨑 第232回

長かった冬が終わり、春といっていい季節となってきました。もうすぐ桜の花も咲き、日本は入学式シーズンに突入です。親として、子供の進学というのはとても気になるところですが、昨年、中学受験に失敗した息子も、一年間たくましく育っています。全ては子供の人生、親として出切る事は限りがあり、最終的には子供が自己責任において自分の生きる道を選択しなければなりません。その為にもせめて、子供も含めて、まわりの人達の範となるべく頑張って生きなくては、と、ガラにもなく考えています。
皆様元気でお過ごしでしょうか?
さて、今年の4月より、特定健康診査・特定健康保健指導という制度がスタートします。これは膨れ上がる医療費対策として、40~74才までの保険加入者に対して、病気の予防をしましょうという考えで、それ自体には何の問題もないのですが、問題は「メタボ対策」と称して、ウエスト・血圧・中性脂肪・血糖値などの基準値を設けているのですが、その基準値がとんでもない数値であることなんです。
たとえばウエスト。男性が85cm、女性が90cmを上回ったらまずメタボ判定で候補者入りです。ここで不思議なのが、なんで男の方が女性よりもお腹まわりが少ないかということ。外国と比較して日本だけです。だって夫婦茶碗だって男の方がでっかいし、私の銭湯仲間のオッサンで85cm以下なんていませんよ。
確かに女性でお腹まわりが90cmというと、ヤバイかなと思いますが、それでも身長差とかはあるんだし、それだけで「ハイ、メタボ」は納得できません。そして、メタボ候補の中で、以下の検査をします。
1.空腹時血糖値100mg/dl(デシリットル)以上または、HbALcが5.2%以上、または薬剤治療を受けている場合。
2.中性脂肪150mg/dl以上またはHDLコレストロール40mg/dl、または薬剤治療を受けている場合。
3.血圧の上の方が130mmHg以上または下の方が85mmHg以上、または薬剤治療を受けている場合。
4.喫煙している人。(ただし、1~3の該当の場合のみカウントします。)
そして1~4のうちあてはまるものが2個以上で積極的支援レベル、1個で動機付け支援レベル、0個で情報提供レベルということになります。
またウエストが、男性で80cm以下(なぜ男だけ5cm減っちゃうの?)、女性90cm以下でも、BMIが25以上だと、上記と同じ判定をされます。
当然この被保険者約5600万人は、医療機関で検査しなくてはならないし、メタボ判定されれば、専門家から食事や運動指導を受けなくてはいけません。国はメタボ判定された被保険者を、平成24年度で10%~25%減らすことを目標としています。
現在、製薬会社、コンサルタント会社や検査会社などは、この制度をビジネスチャンスと捉えていて、様々なサービスの提案がなされています。
それだけこの制度にはお金がかかるし、道路利権の様に、様々な健康利権が見え隠れしているのです。
そして私が本末転倒と思うのが、この制度にはペナルティとご褒美があることで、達成状況により、後期高齢者支援金が10%減らされたり、加えられたりすることです。健康になりたいとか、痩せたいのはやまやまなのです。でも、それが出来ないから大変なんです。検査して(メタボであることだけは判る)指導されたって、出来ないモンは出来ません。それをノルマ化するなんて、とんでもないと思いませんか。私はちょっと位メタボの方が、長生きできると信じています。ちなみにウチの嫁は「あなたはチョットじゃなくて、メッチャメタボだから、保険料が上がったら自分で払ってね。」と言っています。

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