第908回 これからの日本が必要なこと
今年もあっという間に4分の1が経過しまして4月に入りました。京都は、春の観光シーズン突入し、市内の桜の名所には多くの観光客が見受けられます。この時期、鴨川や高野川沿いを車で走ると満開に咲いた桜が本当に綺麗です。このコラムで毎年書いていますが、桜の花は地面を向いて咲きます。私たちが下から桜を見上げると花に包み込まれるように感じるのはその為です。今週は前半からかなり冷え込んでいまして、朝晩は冬に逆戻りしたようです。
先日QVCのオンエアの為に、海浜幕張のホテルに滞在中、東北を震源地とする震度4の地震が起きてかなりビビりました。関東の友人に聞くと、この程度の地震は日常茶飯事ということで、天災の少ない京都に住んでいる私としては「関東は怖い場所」というイメージがあります。実は、今週に京都伏見を震源地とする震度3の地震が起きまして、翌日家族や社員さんが大騒ぎでした。かなり揺れたらしく、日頃地震慣れしていない京都人には震度3ぐらいでこのざまです。まあ、「らしい」というのは私地震が起きた23時半過ぎは爆睡しておりまして、全く気づきませんでした。
数日後、再び伏見で小規模な地震が起きまして、日本であればどこでも地震のリスクはありますな。
ロシアによるウクライナへの武力行使が報道のメーンになっていますが、オミクロン株の感染が高止まりしていて再び感染拡大するような状況になりつつあります。このコロナがヤバいところは短時間で形がコロコロ変わって完全に収束することなく約3年間も経過しているところです。お隣の韓国は、現在世界最悪の感染状況で毎日数十万人が感染し、300人以上の死者が出ています。日本だっていつこのような状況になっても不思議でない訳です。だからといってコロナの感染拡大の都度緊急事態宣言や蔓延防止などの行動宣言を発出し経済を止めて、その保証として財政出動をしていたら本当に日本はパンクしてしまうとおもいますね。結局これからはコロナと共存していくしか道はなさそうです。
皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。
4月1日から成人となる年齢が20歳から18歳に引き下げられ、明治以来140年間以上続いてきた大人の定義が変わります。既に選挙権は18歳になっているし、違和感は有りませんな。個人的には18、19歳の犯罪手続きを一般の大人と同じにすること、また飲酒、喫煙、競馬などの公営ギャンブルは「20歳以上」と維持するなどは当然であると思います。
ただ、成人の年齢を下げたところで日本の若者の本質が変わるとは思えない訳で、大切なのは、成人としてどういう生き方をするかという意識であり、やはり子供のころからの教育なんでしょう。
コロナによる不況とウクライナ問題での資源や食品価格の高騰等が直撃して、今の日本はかなりヤバイ状況であると思っております。ご存じの通り、日本は原油や天然ガスなど99%超を輸入しています。その上、直近の円安でガソリンや灯油など燃料コストの上昇は深刻な問題です。その結果、電気料金やガス料金は上がりますし、物流コストもプラスチックなど資材コストも上がります。日本の場合、肝心の給料が上がらない訳ですから、可処分所得は確実に減ります。大体、少しばかり給料が上がっても、それ以上に社会保険料や税金が上がりますから、まさに一般ピープルは雪隠詰めであります。
今まで日本が取ってきた政策は、金融緩和と公共投資の拡大でありますが、それはその殆どが国民を向いておらず、全てが大企業の為にとってきたと言っても過言では有りません。
元々、数年前には原油価格は安値であったし、為替だって今ほど円安でもなかったし、コロナだって戦争だって存在して無かった訳です。個人消費だって今よりは良かったし、その頃は外国人による爆買いだってありました。でも、日本政府は何もしなかったどころか、日本の成長エンジンである個人消費を消費税でぶっ壊し、様々な社会保障も削減したのですから、今日本が世界経済の成長から取り残され、衰退していくのも仕方がないのかも知れません。
まあ、日本の個人消費を喚起させるには、消費税を下げることが一番だと思いますが、コロナ関わる財政支出が莫大な金額になる今、予算の骨子となる税金を減税することは容易では有りません。
そうなると今必要なのは日本のグランドデザインを変えていくことだと思います。前述した通り、日本は大企業と金持ちを優遇し、一般ピープルに負担が多すぎます。ここは消費税を減税する財源として法人税と金持ちの所得税を上げるべきだと思います。また導入予定のインボイス制を徹底し、税金逃れを許さないことです。
また個人的に必要と考えるのが食料自給率を上げることです。食料自給率はカロリーベースの表され、実は野菜等など個別で見れば国内で賄っているものは結構多いのです。圧倒的に不足しているのが、小麦や大豆、トウモロコシなどの穀物であります。現在、日本では法人の農地取得は禁止されていまして、原則企業が農業に携わることは出来ません。日本には、有休農地が多くあります。また、農地に転用するような土地も潤沢にあります。ここは、国が主導して農業を大規模で行い、不足している食料の自給率を上げるべきです。元々小麦は国が外国から全量を買い上げ、それにマージンを乗せて、民間に転売しているのですから、自給することは全く問題ない筈です。全国に国営の農事組合法人を作れば、雇用促進にも生活保護対策にもなると思います。日本に比べて、世界の物価が上がり、円が世界通貨の中で力を失う現在、自給自足可能な食料を海外から輸入するメリットは無いと思います。日本はコメが余っているのに海外からコメを買わされています。もう日本にはそんな余裕も、また輸入する有効性も有りません。今の日本をもう一度復活させるには、国内で見直せることを真っ先に手掛けるべきだと考えます。