週刊柏崎 第867回 将来どんな職業になりたいか。会社員、マジですか?

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3月も今週で終り、来週は新年度入りで新社会人や新入生は新しい生活に期待や不安を抱いていることでしょう。まあ、私は元気でやんちゃなオジイチャンをモットーにしている訳ですが、なんたって今や年金受給者でありますので、これからの新たな人生に希望を燃やしている若者が眩しく映ります。
京都の桜が満開になりました。鴨川沿いの桜並木はピンク色の花が正に見頃でありまして、エーエルジャパンの在る北山地区は鴨川から京都植物園にかけて多くの人で賑わっています。先週の緊急事態宣言明けの週末は、外出自粛疲れの地元民と桜目当ての観光客で四条界隈や観光名所はとんでもない人出で道路も至る処で渋滞となっていました。京都の経済はご存知の通り、観光業が大きなウェートを占めていますので、人出が多くなることは良い事です。ただ、人が多くなることは当然コロナの感染リスクも高まります。幸い、京都では今の処ですが東京や大阪のように感染のリバウンドが大きく表れていませんので、何とかこの状況が続いてくれればと思います。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

緊急事態宣言が解除になって、慎重にコロナ対策をしながら経済を回すようにすることは最早矢も負えないと先週のこのコラムで触れましたが、その舌先が乾かないうちにコロナ感染が再拡大しています。マスクして人との密を避けるそんなコロナ感染対策なのですが、実際インフルエンザや肺炎などの呼吸器系の病気の予防や死者数減にはもう凄く効果があったのですが、それでもコロナは感染するのです。実際コロナは怖い病気なのかというと、人によって全然違うのです。ただの風邪みたいなもの、という人も居れば、罹ったら後遺症は続くし、突然死の可能性もという人もいる訳です。海外では緊急事態宣言どころでは無く、非常事態宣言を出してロックダウンしている国も有ります。まあ、このままでは当分はコロナに世界中が翻弄されるのは間違いない事ですね。今はワクチンに期待するしかないのですが、肝心のワクチン接種率が日本は0.5%ですから悲しくなります。

第一生命が実施している小、中学生、高校生が大人になったらなりたい職業のランキング、まあ現代の世相を反映してユーチューバーとかゲームのプログラマーとかが上位に入っているのは、こんなお爺さんでも何となく知っていました。2021年のランキングが先日発表されて、私は結構衝撃を受けたのです。今年小、中学生、高校生の男子が選んだ「なりたい職業のトップ」はなんと会社員であります。実は女子に於いても会社員を選んだのは、小学生が4位だったものの、中学、高校生は男子同様1位です。まあ、会社員といってもピンからキリまである訳で、当然子供たちが選んだのはエーエルジャパンのような零細企業では無く、丸の内やヒルズにオフィスがある有名大企業なのでしょう。それに去年のテレビドラマで人気を集めた「半沢直樹」のような、中間管理職でありながら勤務先のメガバンクの危機を救ったり、融資先の破たん処理で政治家や官僚と戦ったりするスーパー会社員に憧れたりするのには釈然としないものの理解出来ない訳では有りません。ただ、小中高の男女が会社員になりたいというには違う理由があるのです。実はこの第一生命が実施したアンケートには他に「貴方が最も幸せに感じている時」という質問が有って、「家族といる時」という答えが女子小中高で1位、男子小が2位、中で3位とコロナ渦で多くの時間を家族と過ごした会社員に対して大きな魅力を感じていたと言います。要は、コロナ不況があろうとも、テレワークやリモートという業務形態をすることによって、在宅で家族と過ごしながら、多くは無くとも安定した収入を得るというライフスタイルを会社員であれば出来るという考えなのでしょうね。
ただ、子供たちが楽で安定した職業と考えている会社員は現在そんなに甘いものではありません。
超高齢化と少子化による人口減少が懸念されている今の日本では、AIの進化も含め、「職業」を取り巻く環境は加速度的に変化しています。「会社員」という抽象的な職業ですが、私が大学を出て就職した頃の「会社員」と今の「会社員」は確かに仕事をして給料を貰うのは一緒ですが、働く環境はかなり違っています。昔の「会社員」を守っていたのが終身雇用と年功序列です。
新卒で就職すれば、当時は悪ささえしなければ、定年まで雇用は約束されていて、まあ普通に仕事をしていれば段々給料も役職も上がっていくというのが終身雇用と年功序列制度です。私が子供の頃、クレージーキャッツの植木等さんが「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」と唄っていましたが、確かに会社員は安定して楽な職業であったのかも知れません。
それが現在会社員の働く環境ははっきり言ってかなり悪くなってしまいました。まず収入に関してですが、日本の会社員の年収は諸外国に比べて殆ど上がっていません。それなのに税金や社会保険料はドンドン負担分が上がって、結果同じ収入でも手取りが昔よりかなり減ってしまっています。基本、会社員は所得が鏡張りで、経費が殆ど認められていませんので、自営業者に比べると相当不利だと思いますね。また、今は前述した企業の終身雇用と年功序列制度がほぼ無くなってしまいましたので、企業の業績が悪化すれば、容赦なく首を切られたりする訳です。
今の子供たちが求めるものは現実的な安全性や安定性であることが窺い知ることが出来ます。それは日本の現状がコロナ渦によって生命や生活が脅かされ、子供なりに将来に危機感を持っているからだと思います。
私的にはどんな環境下に於いても、安全で安心で固い生活を将来に望むことは無いと思います。やはり子供心にも、一攫千金を狙って一生懸命努力するというスタンスを取るでしょうね。まあ、私の人生は正にジェットコースターのようでありまして、同乗者の嫁は安全性も安定性も全くない生活を否応無しに送ったと思います。
本当に何回も浮き沈みが有りましたが、今は結果的に皆さんのお陰で何とか生きられています。
日本の子供が希望を持って様々な職業に挑戦できる環境を私達大人は責任を持って作らなければ日本は本当にダメな国になってしまうかも知れません。子供が作る新しい日本が引き続き世界のトップレベルの国であるよう切望する次第です。

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