中国         週刊柏﨑 第230回

週始めは東京に居てとても暖かかったのですが、京都に帰ってきたら横殴りの雪が降っていてとても寒い。
その雪の中で、家の梅の木は紅い花をつけています。一歩一歩春は近づいています。皆様お元気でしょうか?
先週中国の公安局(日本の警察の様なもの)が、例のメタミドホス入りの冷凍ギョウザについて、「中国国内で殺虫剤が混入した可能性は極めて少ない」という見解を発表しました。今回の事件については、北京オリンピックを控えて、中国政府がいつもと違う対応をするかと思っていましたが、「やっぱりな」という印象しかありませんでした。この発表後に、中国湖北省の高速道路でメタミドホスを満載したトラックがひっくり返って、高速道路を閉鎖する事故があったとの報道がありました。
でもちょっと待ってください。中国政府によると、2007年1月からメタミドホスなどの毒性の強い農薬5種類が全面使用禁止になり、今年1月からは生産禁止、運ぶことや、ましてや売買自体も禁止であるのです。
実はこの少し前に日本の共同通信社の記者が、中国でメタミドホスを購入してそれを所持しているのがバレて(多分売った業者からの密告であると考えられています)、それを中国国内で報道されて、中国国内ではやっぱり毒入りギョウザは日本人の自作自演だと騒ぎ立てられていたのです。でも、今でもこれだけ大量のメタミドホスが流通していたなんて、中国って一体どういう国なの!という感じです。そういえば、半年前に中南米パナマで、中国製咳止め薬で387人もの死者を出した事件があり、この時も中国政府は、中国に責任はないという形でうやむやになってしまっています。
そして毒入りギョウザと平行する形で、今年に入りアメリカでは、中国製原材料を使った「ヘバリン」という血液が固まるのを防ぐ注射薬で、400件以上の副作用が報告され、21人の方が亡くなっています。この「ヘバリン」という薬は豚の小腸から原料を作っているのですが、その豚の小腸が不衛生に扱われたことが原因ではないかと言われています。この豚を使ってギョウザやカツを作っているのを考えると、農薬が入っていなくても、中国冷凍食品は食べるのを控えたいと思ってしまいます。
そして極め付きは、イタリアで中国製ステンレス鋼材に放射性物質が含まれていたことです。だって、スプーンやフォークを作るのに使う鋼材が放射能汚染って、冗談としか思えないでしょう。この放射能汚染については、もし高炉全体に問題があれば大問題で、農薬どころの話ではないのです。先週も触れましたが、「頼むから中国、ちゃんと調べてよ。」という他ないのです。JTフーズの冷凍食品売上は、前年同月比90%以上のダウンだそうですし、「ヘバリン」を販売していたバクスターという会社は多分つぶれてしまうのではないでしょうか。
でもこの原因を作った中国は、知らぬ存ぜぬって、私にはどうしても納得いかないのです。私には中国人の友達も何人かいますし、ノーマン君のように身内同然の付き合いをしている方もいます(ノーマン君は香港ですが)。人間としては良い人が多いと思うのですが、国としての中国を考えると、少なくともオリンピックを開催する国としてはいかがなものかと、悲しいかな言わざるを得ないのです。
中国については前フリだけで、違う話を書こうと考えていましたが、思わずこの問題だけで終わってしまいました。ご気分を害された方がいらっしゃったら、申し訳なく思っております。

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