週刊柏﨑 第267回_いつかダメになる日

寒い、とにかくもの凄く寒くなりました。このところ毎週のように東京に出張しているのですが、京都は東京より確実に寒いです。今年最後の3連休は最終日に雨が降ったものの、前半2日は、秋晴れとなり、例年通り京都は観光客で大賑わいとなりました。いつも行っている銭湯で顔なじみの、下鴨の高級京菓子店の社長も、この連休は全く顔を見せていなかったところを見ると、多分大忙しであったと思われます。

しかしながら、私の私見ではありますが、今年は例年より人出はかなり少なかったような気がします。皆様お元気でお過ごしでしょうか?

私の知り合いの不動産の社長から聞いた話です。ここ数年前から今の時期、紅葉などの観光名所で夜間のライトアップが行われています。これは夜間にライトアップすることにより、昼間と違った雰囲気を醸し出すということと、昼も夜も拝観料を得るという、寺社仏閣などの観光名所のソロバン勘定がそうさせているのですが、そのライトアップをすることによって、売り物のモミジや他の木々が弱まってきて、事実、樹齢何千年という気が枯れてきているというのです。

そりゃ人間だって、ゆっくり寝ようと思っている夜間におもいっきりライトを照らされれば体調を崩すのであって、いくら植物といっても同じ様にストレスを感じるのです。いくつかのお寺では、今年一杯でライトアップによる夜間拝観を中止するという事です。出来る事ならそういった弱った木々に、クロワール・アイネオでSODやルテインを補給すれば元気になるのに・・・。今日もハイテンションな柏崎でございます。

さて、サブプライムや原油の異常高に端を発する世界同時大不況は、原油価格が暴落したにもかかわらず、収まるところを知りません。なにせ、破綻をしたリーマンや多額の資金を投入したシティグループやAIGグループなどの金融機関だけでなく、あのGM、フォード、クライスラーという自動車のビッグスリーまでもやばくなっているのです。

日本でもトヨタ、日産、ホンダ、マツダといった自動車メーカーも派遣社員を大量に解雇して状況は厳しくなっているものの、つぶれるというシリアスな状態ではないのです。

アメリカでは、このビッグ3に、国の金を入れて何とか救済しようとしていますが、なんとこのビッグ3の首脳陣はこの借金のお願いに自家用ジェットでやってきたというのです。当然の事ながら、アメリカの委員会は今回のこの借金の申し出を一時ペンディングにしたわけです。

多分、アメリカの象徴ともいえるこのビッグ3は今回つぶれなくても、過去のような栄光を取り戻すのは無理だと思います。この事は私は20年位前から思っていました。

当時、私は勤務していた証券会社からアメリカのペンシルバニア大学のウォートンスクールという大学院に留学していました。そこでの授業で日本の話題になりまして、私が「日本はアメリカと逆で、左側を車が通行していて、日本車のハンドルは右側についています。しかし、アメリカに日本車を輸出する時は、アメリカに合わせて左ハンドルにして、他のパーツもアメリカに合わせて輸出しているんです」と教授や他のアメリカ人の学生に説明すると、彼らは一様に「ウソだ・・」といい、はたまた「なんでそんなめんどうくさい事をするんだ」と質問してくるのです。それだけではなく「そんなことも知らないの」という日本では常識の事でも、アメリカ人は東の果てにある小国の事情なんて全く知らないし、あくまで、アメリカの常識が世界のスタンダードであるという考えを、ウォートンスクールのような、日本で言えば東大や早慶のビジネススクールにいる教授や学生が基本的に持っているのです。

実はこの時、いつかアメリカは本当にダメになる日が来るんだろうなと思っていました。オバマさんが大統領になって、いくらビッグ3に肩入れしようと、相手の国の事情も知らないようなマーケティングが世界に通用するはずがないのです。また、会社がつぶれそうな状況でも、自家用ジェットで借金しに来る経営者の考えが変化するとも思えないのです。アメリカが世界でトップの技術を持っていた金融工学と兵器産業、この片翼が破綻することで、アメリカはただの国になってしまいました。再び羽ばたくために、もう一つの兵器産業にかけるのなら、アメリカはどこかで戦争を起こすかも知れません。

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