日本の医療費 週刊柏﨑 第216回
この11月の連休、京都は凄まじい事になっていて、とにかくどこも超満員。有名観光名所の側のバス停には、どこも100人以上の観光客が並んでいたくらいで、道は大渋滞。京都に住む身としては、何もこんな時に来なくても…と思ってしまうのですが、今年1番の人出であったと個人的には思っています。先週、ミシュランのレストランガイドブック日本版が販売されました。3つ星を得た食べ物屋が約150件紹介されていますが、これらのお店はほとんどが年内予約で埋まったようです。私は、おそらくどこにも行ったことがないと思いますが(ガイドブックは見ていません)、まず、これらのお店に共通しているのが、とても高級であること。食品や日用品の物価が上がって大変だとか、物価が暴落して不況になるとか言っているマスコミを見ると、なんとも日本というのは不思議な国だと思わざるを得ません。
皆様、お元気でお過ごしでしょうか?1万円以上の支払いの店では、深呼吸が必要な柏崎でございます。
この頃、病気になったり、出産時に救急車に乗っても病院をたらい回しにされるといったケースが増えているようです。受け手の病院では、医師が手いっぱいだとか、数が足りないとの弁解をしていますが、本当に医者の数というのは不足しているのでしょうか。
1965年の医師総数は約11万人。その後約40年の2002年の総数は、約25万人です。なんと約2.5倍になっているのです。普通就業人口が2.3倍になれば、その業務からあぶれる人が出るものなのですが、先ほどの救急現場などでは人が足りていないというのが実状なのです。でも医者がホームレスをしているなんてあまり聞いたことがないですよね。
確かに国としては下げたい医療費は、どんどん上がっていて、それを報酬として受け取っているのですから、収入を確保することはできるでしょう。昔から「医者は金持ち」というのが日本ではよく言われていましたが、なぜそう言われていたかという理由を考えたことはありますか?
実は、医者というのは文字通りサジ加減ができる商売なのです。例えば、血圧が少し高い患者が診察に来たとします。患者がもしたくさん来るような流行っている病院なら、「大丈夫、心配ないです。1ヵ月後にまた来てください。」と診断するのです。もし、患者が少ないのなら、「血圧高くて心配ですね。しばらく1日おきくらいに来てください。更に心臓も1回検査しましょう。お薬も出しますね。」などと言えば、同じ状態で病院に行ったはずなのに、費用は10倍などということが起きてしまうのです。
それに、近代医療の考え方によって、様々な数値の範囲が狭くなっているのです。先ほどの血圧については、1960年くらいでは、正常値が150/100とされていたのが、10年代にWHOから、160/95となり、更に1990年になって、140/90と決められました。しかも、70年代までは、高い方と低い方の両方とも、超えて初めて高血圧だったのですが、今は最高140、最低90のどちらか一方を超えていたら、高血圧と言われるようになっています。このことによって、以前の最高血圧160と、今の基準140の境界域20が上がるだけで、高血圧患者は以前の5倍近くになってしまっているのです。これらの数値は血中コレステロールなど他の数値でも同様で、医者に言われるままの医療というものに私たちは疑問を持たなくてはなりません。
今の日本、総人口1億2千万人に高血圧の人間が3000万人。糖尿病は予備軍を入れて1370万人なんて、絶対異常だと思いませんか?確かに病気になる前に予防というのは、絶対に必要です。しかし、予防する段階で病気にしてしまうという医師のサジ加減。こういったものを無くさないと医療費なんて永遠に下がりませんよ。