週刊柏﨑 第277回_踊らされる国民

早くも2月に入りました。今のままではカメ虫伝説(夏場カメ虫が多いと、その冬は大雪になるという京都の通説)は、間違いなく覆されます。家の庭にある梅の木には、赤い蕾がふくらんできました。
数年前までは、梅の木全体に貝殻のようなものがビッシリついていて、花どころか葉っぱも出ない状態であったのが、それを試しに取り除いてみると、葉はしっかり繁るわ、花は咲くわ、実は実るわで、去年は梅酒を漬けました。
つくづく植物のパワーというか、生命力というのはすごいなと思います。
人間というのは、雑食であるのですが、基本的には草食動物であるというか、少なくとも草食である方が健康的であることは間違いないと思います。それは植物の持つ持つ力を考えると当然なのかもしれません。そうは言っても、肉とか魚の方が、野菜より断然好きな柏崎でございます。
AだかBだか、もう入り混じってしまう位色々なインフルエンザが流行していますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか?
我々流通業に携わる者として驚いたのが、そごう本店の大丸への売却の話です。破綻したそごうと西武百貨店が一緒になって、ミレアホールディングスという会社が出来て、全面立て替えして3年前に再オープンし、バックにセブン・イレブンやイトウヨーカドーを経営するセブン・アイ・ホールディングスがついているのにです。
その数年前は、北海道の百貨店最大手、丸井今井が民事再生法を申請しています。はっきり言って、百貨店という流通形態というか、ビジネスモデルが終わったと私は考えます。以前の常識は今は全く通用しない、本当に暮らしにくくなりました。
さて話は変わりますが、今年の初場所は、相撲ファンからしたら、多分予想外ということなのでしょうが、横綱朝青龍が優勝をしました。私は別に相撲ファンでもないのですが、今回の初場所を見ていて、とても不思議に感じたことがあるのです。確か去年、朝青龍が地方巡業をサボってモンゴルでサッカーをしていた時、それは朝青龍に対するバッシングは強いものでした。それこそ相撲人気が落ちたことは全てコイツのせいという感じで、テレビ・新聞・週刊誌などマスコミは、彼を徹底的に叩いたのです。
それがどうですか。この初場所は。朝青龍という紙を持つファンとか、彼に対する声援とか、もう私が子供の頃の大鵬とか全盛期の貴乃花と見違えるばかりのヒーローになってしまっている。
これははっきり言って、マスコミの取り上げ方が違うだけで、天下のヒール朝青龍は、一躍ヒーローに様変わりしてしまったのです。私はこのマスコミの取り上げ方次第で、国民の感情が全く変わってしまうことに、本当に危険性を感じてしまうのです。以前このコラムで付和雷同型の日本国民は、マスコミの操作によって簡単にコントロールされてしまっていて、その典型的なパターンが小泉劇場ですと書いたことがあります。
まさしくこの朝青龍のケースもそれに当てはまるのです。相撲の世界は「良かった良かった」で済みますが、これが政治の世界だったら、仮に自民党があの末期状態の麻生さんを見限って、小池ユリ子さんとか渡部善美さん(これは無いかな?)とかを総理大臣にして、それに全マスコミが総乗りして、テレビなどで涙ながらに「役人の世界を変えて、国民の為の国にするチャンスを!本当のチェンジを!」とか訴えたら・・・。それを毎日イヤというほど放送して、それと同時に民主党とかの野党のスキャンダルを流しまくったら、私は悪役朝青龍が国民に支持されたのと同じ様に、いつの間にか自民党が圧勝なんて信じられないことが起きても不思議ではないと思います。
マスコミの報道を冷静に見ていると、国がどういう方向に向かうか解かる、と思うのは、私だけではないはずです。
このコラムのお読みの皆さんは、こういった作られたマスコミ報道に惑わされることなく、本当の姿を冷静にご判断いただきたいと思っています。

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