週刊柏﨑 第311回_ゴマと耐震
今週に入り久しぶりに雨が降りました。今年は何か台風も少なく感じますし、気候的には本当に良い秋といえそうです。街中を歩いてみれば郵便局には「年賀状はお早めに」なんてのぼりがはためいているし、新聞の折り込みチラシには、ダレダレのクリスマスディナーショーだとか、有名おせちの広告とかが出ていて、冬突入というよりももう「今年も終わりでしょ」という感じなのです。
10月6日、QVCさんにクロワールアイネオでバリュー価格最終で出演予定なのですが、
私はこの日で満54歳になります。人生の約3分の2の年齢になってしまったのですが、本当に1年経つのがターボがかかったように早く感じてしまいます。
皆様お元気でお過ごしでしょうか。今週初め九州の島原に出張に行ってきました。
実は10月発売予定の、クロワールシリーズの新商品「クロワール・ファイン」に含まれている成分の1つ、黒ゴマの畑を視察するのが目的であったのです。ゴマというのは日本じゅうだいたいの場所で栽培されている作物なのですが、その中でも九州産のゴマは非常に高品質であるとされています。このゴマを販売しているゴマ屋さんは自社で持っているゴマの種を契約農家に渡して、発育方法までしっかり指導している方で、自ら「ウチのゴマは高いよ、だってそれだけ価値のあるゴマだから」と言ってはばからないのです。当然無農薬で栽培しているのですが、普通の農家はこの業者さんが少しでも目を離すと、すぐに農薬を撒いてしまうそうです。ちょっとでも虫がつくと農薬、葉の調子が悪いと農薬。農薬は農家にとって、本当に魔法の粉なんです。それだけに無農薬で作物を育てるのは、難しいのです。
それでも島原のような山に面した農地では、となりの畑が農薬を使ってしまったら、もはや無農薬作物とは言えないので、なんかこんなに苦労しているのに気の毒だと感じてしまいます。それでも品質的には私はピカ一だと思っているので、このクロワール・ファインの原材料の一つとして選んだのです。(他の原材料も同様です)
さて、週半ば、今ではあまり驚かなくなってしまいましたが、インドネシアのスマトラ島で、マグニチュード7.6の大地震が発生しました。
今のところ死者数が約800人と大惨事になっているのですけれども、昨年の四川大地震の時と同様、今なお瓦礫の下で行方不明になっている人々が数多くいるのです。最終的には2000人規模の被害となりそうです。この地域は数年前にも、マグニチュード9だの8だのの大地震が起こって、その時も大津波に襲われたり、建物が数多く倒壊したりして2次的な被害による死傷者が多数出ているのです。この地域の建物の耐震機能は日本の5分の1地くらいしかないそうです。
今更ながら、建築物の耐震機能の整備が絶対に必要であることを痛感します。
また、今現在も生きながら瓦礫の下敷きになっている人たちの救出に対しても手際というか、その方法についての国や国際機関の対応のマニュアル化が必要だと思います。
日本としても、インドネシアに対しては毎年多額のODAを拠出してきたのに、いったい何に使われてきたのか検証すべきであると思います。
少なくともこれだけ同一地域に数年おきの大地震が起こっているのですから、インドネシアは国の責任として、日本や諸外国からのODAなどの援助資金を学校や公共施設、そして湾岸設備などに有効に活用して、このような天災に備えなくてはなりません。
そして、そういう日本も地震に関するリスクはとても高い国であります。
あの阪神大震災や例の耐震偽装問題で、日本の耐震に対する規制は多分世界で一番厳しい水準にあります。しかしながら、分かっているだけで、日本の学校や公共施設には未だに危険性のあるものが多く残っています。
また、一般道で車を運転しているとき、つい邪魔だなぁと思ってしまう電柱も地震のときにはとても危険なものなのです。
民主党政権になった今、自民党時代に計画されたり、すでに着工している公共工事の見直しが問題となっています。八ツ場ダムや川辺川ダムなどの、すでに着工して多額の予算を使ってしまった工事では、ダム推進派と反対派の言い分がマスコミを賑わせています。
民主党としては先の衆院選のマニフェスト通り、これらの公共工事の建設中止という方向で、決着をつけようとしているのです。しかしながら、未曽有の大不況の時にやみくもに公共工事を無くしていくというのは、実体経済に対して大きなリスクがあるのです。実際、鳩山総理は必要な物はしっかり造ると言及しています。
総理のいう必要な物はまだ明言されていませんが、私は従来の道路やダム建設から、学校や公共施設の耐震化工事や光ケーブルを用いた電柱の地中化を、公共投資の目玉とするのがいいと思うのです。
税金を使って行う公共工事なのですから、一部の人のためになるより、国民全体の人の利益にあることを最低限のルールとして守ってほしいと思うのは私だけではないはずです。