紫根とは一体何なのか?
塗り薬、漢方薬で知られるムラサキ草の根。
第三類医薬品に指定され、主に抗菌・抗炎症を目的として用いられている。
今一番注目されているお肌トラブルの特効薬は?と聞かれて、「紫根!」と答える方は多いのではないでしょうか?
紫根はその名の通り、ムラサキ草という名の植物の根部分のことです。
これは古くから塗り薬だけでなく、着物などの色を鮮やかなムラサキ色に染めるための染料として使用されてきました。
その歴史は古く、日本最古の和歌集と呼ばれる万葉集にもムラサキ草のことを歌った和歌が収録されているほどです。
記録によると、ムラサキ草の栽培が頻繁におこなわれていたのは、奈良~江戸時代(末期)にかけてまで、1856年に世界初の合成染料が登場すると、そちらの方がメインとなり、ムラサキ草の栽培はそれ以降は縮小していきました。
今では絶滅危惧種として選定されているほどです。
そのため今の市場で多く出回っている紫根は、「軟紫根」と呼ばれる韓国や中国からの輸入ものです。
国内で栽培されているムラサキ草は「硬紫根」と呼ばれる品種です。
軟紫根と硬紫根の違い
・根の芯までムラサキの色素があり、層になっている(軟紫根)
・根の表面にムラサキの色素があり、根の芯は白い(硬紫根)
生薬や染料として使用されている紫根は、ほとんどが中国産です。
一方、硬紫根の方は絶滅危惧種なので薬や化粧品として使用されることがある、といった形ですね。
もちろん、どちらの品種においても紫根の注目成分である「シコニン」は含まれていますのでご安心ください。
このシコニンが我々に数々の薬効を授けてくれる主成分ですから。
紫根の薬効主成分は6種の「シコニン誘導体」なのですから。
シコニンさえ得られれば…それでOK!なのです!
シコニンは抗菌・抗炎症・皮膚活性化(ターンオーバー促進)養毛促進作用が、認められているだけでなく、最近の研究によれば抗腫瘍効果、つまりガンへの効果を検証した結果も発表されていたりします。
そのため、白血病や乳ガンなどの病種に対する臨床応用の効果検証がおこなわれているわけですね。
そのあたりのことも次回以降、掲載していければと思います。