週刊柏﨑 第609回 オリンピックと土用の丑の日

今週、関東地方に続き関西地方でも梅雨があけました。中国、関西地方に上陸した台風が過ぎ去った後、真夏の陽気になったのですから、当然と思ったのですが、京都では週末にかけて梅雨に戻ったように雨降りの日が続いています。先週、台風が直撃しても神が住む京都は、全く大丈夫とこのコラムに書いたのですが、台風11号がもたらした大雨で、私の記憶では氾濫したことがない鴨川や高野川が、もう少しで決壊しそうであったのですから、今の異常気象の前では何があっても不思議でありませんな。祇園祭の山鉾巡航も、大雨の中予定通り決行されまして無事執り行われたようであります。祇園祭は、まだ後祭りが残っていますので、この雨が続くようでありますと今年の祇園祭は散々でありますね。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。今年も京都が、世界の訪れたい都市のナンバーワンになったようでありまして、これで2年連続です。今や外国人旅行者のインバウンド消費は、京都だけでなく日本中の景気を支えているといってもいい状態でありますので、有難い結果です。日本では45年ぶりに日本を訪れる外国人旅行者の数が、海外旅行に出かける日本人旅行者の数を上回りました。まあ、中国のバブル崩壊とか、ユーロのギリシャ問題とか外国も様々な問題を抱えていますが、日本という国の観光地としてのポテンシャルはこんなものではありませんので、まだまだ外国人旅行者は増えると思います。私も、仕事で色々な国に行きましたが、日本のサービスとか優しさ、安全性は本当に素晴らしいです。

東京オリンピックの開催に合わせて国立競技場を新しくする訳でありますが、その建設費用を巡って色々ああでもない、こうでもないという話になっているのですね。確かに、奇抜な近代的な建物であり簡単には建てられなさそうであります。当初は1000億円位で造ると言う話が、2500億円になり、最終的には5000億円になるとかトンデモナイ金額になってきて、挙句の果てに、もう一度始めからやり直しと、もう訳が分かりません。小さな話から、最後は青天井でトンデモナイ金額に膨れ上がるダムや道路みたいな大掛かりの公共工事と全く一緒ですな。これらの建設費に共通するのが、最後に「結構思ったより安く出来たからお金が余っちゃった。」なんてことは絶対になく、「やっぱり、色々あるからこんなに増えちゃった。」という税金を納めている国民からしたら許せない言葉であります。まあ、責任者の森元氏は、最後は「日本はたった2500億も払えんのか」とか「ボートレース場整備に1000億かかるのにそれはいいのか」、「オリンピック費用は2兆円以上要る」と逆ギレ状態です。一向に給料が増えないのに税金が上がり、ものの値段が上がって多くの国民はしんどい生活を余儀なくされています。それでもなんとかやっている訳で、こんな発言を平気でする政治家が国の方向を決めているなんて、花咲舞ではないですが、絶対に許されることではありません。私は個人的には、費用が幾らでもあんまり気にしません。要は費用対効果、幾らかかっても投資に見合うリターンがあれば全然OKです。前の壊しちゃった国立競技場は1964年の東京オリンピックの時に造った建物ですから、50年間スポーツ会場や音楽施設として稼働している訳ですから、新国立競技場の2500億円かかると、年間の償却費が50で割ると50億円、新国立競技場の人件費を合わせた維持費が20億円これに金利等と最低限の費用に対する利回りを考えると最低でも新国立競技場から生まれる利益が年間100億程度なければ全く話になりません。これは、2500億が1000億になろうと考え方は一緒です。まあ、国民の税金を使うという事はこれ位の重みがあります。前の国立競技場、壊さなかったらよかったのにね。今はリフォームの時代です。それにしても、チョット前まで、この奇抜な新国立競技場の建設を、「国際公約」「工期が間に合わない」などと変更不能と言っていた説明が全く嘘だった訳で、そこの説明は無しでいいのでしょうかね。まあ、暫くは関わった人たちの責任の擦り付け合いでしょう。私には、この白紙案が本来の「国民の為、オリンピックの為」ではなく、安保法制の強行採決に対する政権のイメージアップ作戦にしか見えません。

さて、今週末は土用の丑の日であります。まあ、私達にはうなぎを食べる日という認識しかありませんな。今年の土用の丑は2日ありますので、うなぎ屋さんには、良い年であります。元々うなぎの旬というのは、冬でありまして、暑い夏場は、うなぎもばてるのか味が落ち、江戸時代は、夏場がうなぎ屋さんは一番暇な時期であったそうです。そのうなぎ屋さんの窮地を救ったのが、あのエレキテルで有名な日本のエジソン平賀源内です。源内は店の前に「土用の丑にはうなぎを食べましょう」というセールスコピーを貼らせ、それが元で土用の丑といったらうなぎという風習が出来たそうです。ウナギの稚魚であるしらすうなぎが採れなくなっていて、ここのところの「うな重」は本当に高嶺の花になりました。日本人のうなぎ好きはやはり、かば焼きと言う調理方法が大きですね。うなぎを一番美味しく食べる方法と私は断言出来ます。世界のうなぎの漁獲高の70%を日本で消費しています。但し、昔は日本での漁獲高がピーク時200トン近くあったものが、現在は5,2トンと激減してしまっています。その減少分を輸入などで補おうとしているのですから、そりゃレッドリストで絶滅危惧種にも認定されちゃいますな。今から20年近く前になりますが、中国との貿易をしていまして、北京でデンマーク人からシラスウナギの日本への輸入を持ちかけられたことがありました。ヨーロッパ種は日本種とは違うのですが、その当時から日本では、シラスウナギは高価でかなり美味しい話でありました。当時、私にはそんな甲斐性はなく、話を聞いているだけでした。後で聞いたところ、知り合いの社長が仕入れて、日本の養魚池にいれたのですが、原因不明の病気で全滅してしまったそうです。それから、このヨーロッパウナギは、日本で大きな市場になり、日本人の胃袋はその資源さえ食べつくしてしまいました。大きなビジネスチャンスでした。まあ、そんなものです。今年は「うなぎ」例年より安いということで、一回ぐらいは食べたいと思います。

柏崎

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする