週刊柏﨑 第517回_消費税って今上げなくてはならないの?

暑いのか、寒いのか、よく分からない陽気が続いています。
近所の田んぼは稲刈りも終わり、
夜は虫の鳴き声が鳴り響き季節的にはすっかり秋であります。

先週も触れましたが、ここのところの寒暖差は
毎週のようにやってくる台風がもたらしているということで、
まだまだ不安定な陽気は続きそうです。

東京の出張でも前日30度近い気温から
翌日は20度を割ったりするのですからそりゃ体調も崩しますな。

先日の台風の被害にあった観光名所である嵐山では急ピッチで復興が進んでいて、どうやら紅葉のシーズンはなんとか迎えられそうです。知り合いの不動産屋さんの話では、浸水した不動産の価格は三分の一になってしまうそうで、京都の西部と南部の不動産価格は大きく毀損してしまった模様です。

10月6日、私は58歳になります。自分では若い、若いと思っているのですが、現実はどうしようもありませんな。しかしながら、後2年して自分が赤いちゃんちゃんこを着ている姿がどうしてもイメージできません。テニスだジムだと、頑張って体を動かしているのですが、やはり体を動かした後は、あちこち痛くなってしまうし、疲れも中々回復しないのですよね。それでも先日受けた人間ドックでは何故か血液の色々な数値から、体の各部位まで全く問題なく若い頃より健康体になっています。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

JR横浜線の鴨居―中山駅間の川和踏切で線路にうずくまっていたお年寄りの男性を助けようとした女性が電車に轢かれて亡くなりました。電車は停止信号が出たため停車しようとしていましたが、間に合わず、車に同乗していた父親の制止を振り切って男性を助けようと踏切内に入った女性の命を奪ったのです。その女性がとった行動は本当に勇気があり凄いことなのですが、同じ娘を持つ親としては複雑な釈然としない気持ちがあります。結果としてお年寄りの男性は命を取り留めました。しかし私がこの方の親であるならこのお年寄りにどういう感情を持つか分かりません。この女性のご冥福を心からお祈り申し上げます。

合掌。

さて、今週、消費税の増税が決まりました。来年の4月から現行の5パーセントから8パーセントとなるわけであります。増税の決め手となったのは、増税と前後して発表された日銀短観という景気指数が大きく改善されたことであります。前から言っているように円安というのは個人にとって何のメリットも無い訳で、大企業のみが大きな利益を出すことが出来ますので、大企業が大きくプラスなるのは当たり前田のクラッカーであります。また消費税増税も輸出企業は消費税が還付されますのでノープロブレムであります。我々中小企業は改善したといってもまだまだマイナスであります。いいのは消費税増税の前の駆け込み需要が大きい建設と不動産ぐらいです。但しこの好況も需要の先食いしているのですから来年は当然きつくなります。

大体民間の給料は一年以上連続して下がっているのですよ。来年は間違いなくしんどくなると思います。増税して景気が悪くならないよう法人向けにバラマキをするというのですから日本国民が怒らないで誰が怒るのですかね。何でもそのバラマキで雇用を増やすという考えらしいです。こう言っちゃなんですが、景気が悪くなることが明白であるのに、弊社だって怖くて人を雇うなんて出来ませんよ。10月1日に発表された8月の失業率は前月比0,3ポイント増の4,1パーセントに悪化していますし、家計の8月消費支出は1,6パーセントのマイナスであります。要は、大企業の景況感は改善していますが、庶民レベルというか私たちの生活は苦しくなるばかりなのです。

アベノミクスの始まりに2パーセントのインフレターゲットを定めていましたが、消費税が3パーセント上がるのですから、何もしなくても目標達成は間違いないところです。それプラス円安による食品やガソリン、灯油などの燃料費、電気、ガスといった料金の値上げが加わるのですから大変になりますな。後、アベノミクスの一番の拠り所、株式高ですが、あの史上最高値をクリアーしたアメリカの経済状況をみる限り、あんまり期待は出来ないです。消費税は確かに上げなければならないのかもしれませんが、今の国のやり方を全く改めないで増税による国民負担を求めるのは、私は納得いかないのです。エーエルジャパンの年間利益は総売り上げの3パーセントより少ないので、増税分を価格に転嫁しなくては、当然赤字になる訳で、来年の4月以降はお客様に増税分の負担をお願いすることにならざるをえません。

増税はもう決まったことですから、どうしようもないことですがエーエルとしてお客様のために出来ることはしなければならないと考えています。まあ、GDPの60パーセントを占める個人消費を間違いなく下げる消費税の増税は、私達零細企業にとって本当に厳しいものであります。政府は日本を支えているのは大企業であるという認識であるでしょうが、日本の企業のほとんどは中小企業と我々のような零細企業なんですよ。元々、消費税は滞納額が年間約4000億円という、国税の中でも滞納額が飛び抜けて多い税です。あくまで消費税というのはお客様から私達企業がお預かりして、国に渡す義務があるものであるのですが、経営が苦しいとどうしても使い込んでしまい、払いたくても払えない企業が皆さんが考える以上に多いというのが現実なんです。

滞納した消費税には14パーセント以上の金利が加算され国税から請求されます。そんなペナルティーがあるにも関わらず、払えないのですからそりゃ本当にしんどい訳です。97年に消費税が増税された時に初めて自殺者が年間3万人を超えたのですから、今回も同じような事態になるのは避けられないのかもしれません。国民は国がやることに対していつも「しょうがない」と言って許してしまっているようなきがします。だからこの国は政治家が選挙の時、何か大きなこと決める時、平気でウソをつきます。だってウソをついたことに対し誰も咎めないし、怒りもしないのですから、完全に舐められてますな、日本人は。

まあ、政府としてここのところの一番の懸念事項であった消費税増税は色々都合のよい数字を並べ立てて、無事に乗り切ったし、オリンピック招致も汚染水はコントロール出来ていると驚くようなことを平然と言い放って成功し、当面政局に問題は無いし、あとはTPP位ですから、いつものように政府は何もしなくなる可能性は高くなると思います。日本という国は、先のお年寄りを自分の命を顧みず助けようとする女性のような勇気や優しさ、思いやりを持った国民が数多く居ます。

そんな素晴らしい国民が多いのに
どうして国のことに多くの人が無関心なのかとっても残念であります。

柏崎

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする