週刊柏﨑 第495回_世界遺産と増税

まさにゴールデンウィーク真っ盛りであります。今年は、最近の円安と近場の人気スポットである韓国や中国と日本との微妙な関係悪化で、海外旅行より国内旅行が、多くなっているようであります。
娘に聞くところによると、街中では余り観光客が多いとは感じないということです。
やっと蹴上の浄水場のつつじが見ごろになってきた模様でありますので、京都においでの際は是非ともどうぞ。
なんでも5月1日からクールビズなんだそうでありますが、初日から私はストーブをつけております。北海道では今尚雪が降っているというし、少し暖かくなったと思ったらすぐ寒さがぶり返すのでいっこうに五月という感じがしません。
それでも、あと数ヶ月もすれば「なんだ、この暑さは。」という位、お約束の猛暑になっているのでしょうけど。

皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。
今週、やっとというか富士山が世界遺産に認定されることが決まりました。ずいぶん前になりますが、確か平泉が登録される時に、富士山が世界遺産にならないのはおかしいでしょ、ということをこのコラムで書いたことがありました。
現在日本には16か所の世界遺産が登録されており富士山は17番目となる訳であります。今まで、富士山は表向き、ふもとに広がる樹海などがゴミだらけで認定されなかったということになっていますが、実は、富士山には自衛隊の基地や演習所が4か所、米軍のものが1か所あり、それが世界遺産に相応しくなかったという経緯があったのです。ですから、今回の世界遺産登録は自然遺産ではなく、近辺の富士五胡や忍野八海など含む25か所全体を文化遺産として認められたものであります。
まあ、苦肉の策であったのでしょうな。ただ、同時登録を狙っていた三保の松原はあまりに富士山から遠いということで認定されず、広島の厳島神社と原爆ドームのようなセット登録はかないませんでした。
ただし、このところ富士山周辺ではちょっと不気味な兆候があります。例えば富士五湖の一つである河口湖では極端に水位が下がっていたり、近辺の至る所で地割れが起きていたりするのです。これを富士山の噴火の兆候という専門家がいるのも事実で、世界遺産の登録を祝して富士山の火口から祝砲があがるなんてことが、洒落になりませんな。

来年から消費税が引き上げられ、最終的に10パーセント、要は今の倍になる訳であります。この消費増税に合わせて、消費税還元セールをすることを国が禁じたそうであります。はっきり言って大きなお世話ですが、冷静に弊社の帳面を見ていて結構驚いてしまったのです。
前期に弊社が払った消費税は利益より大きいのです。ということは消費税が倍になって、なんとか消費税還元サービスをすれば、弊社は簡単に赤字になってしまうということなのです。当然、増税分は価格に転嫁しなくてはならないのですが、多分確実に売上は落ちると思います。5パーセントの増税は私達のような零細企業にとって本当に大きい負担になります。この消費税増税は、まさに今、景気回復が実感として表れなければ実行出来ないのですが、巷ではアベノミクスやらの効果で、もう間違いなく消費税は上げられるのでしょうね。
日本は長い間デフレでありまして、これをなんとかインフレにしようと市中にお金をジャブジャブ供給しようとしたのが、所謂アベノミクスであります。
前々から言っていますが景気が良くなるというのは、インフレに人為的にするとか、そういうことでは無く、あくまで供給を上回る需要があって初めて可能になることで、インフレによる先高感では決して消費は上がらないと考えます。
ここのところの円安にしてもしかり、円安は輸出企業にとってフォローにはなりますが、長期間に渡った円高に対する防衛策で既に大手の輸出企業は輸出用の生産ラインは海外に移転してしまっているので円安効果は限定的であります。
実際円安で日本の輸出量は全く増えていないのです。それどころか円安による輸入コストの増大で貿易赤字はむしろ膨らんでいるというのが現状であります。それでも日本がなんとなく景気が良くなっていると思わせてくれるのが、資産価格、特に株式や不動産価格の値上がりであります。当然、こういった資産が下がるよりは上がった方が良い事は間違いありませんが、基本一般市民にとって恩恵があるのかというと、余り実感が無いというのが現実です。
それでは何が今の景気回復感を感じさせているかというと、それはマスコミによる報道がそうさせていると思うのです。テレビにしても新聞にしても、あまりに、おかしいなと思われる記事やニュースが多すぎるのです。新聞記事をうのみにしてはいけません。何にもネゴ出来ず、譲歩ばかりさせられているTPPの報道をアメリカと対等に渡り合っていると書いているのをみるとよくわかります。
あのアメリカの著名投資家ウォーレン、バフェット氏は新聞には前日の野球の結果以外本当のことは載っていないとまで言っているそうです。
安倍政権はここのところ頻繁にマスコミ関係者と会談をしています。あの民主党政権を反面教師としている感がありますが、日本の政権運営としては賢明なやり方であります。但し野田氏にしても安倍氏にしてもアメリカ追従主義でありますので、どこかで必ずやっていることに矛盾がでてきておかしくなるのです。日本の政権運営の歴史であります。私達にこれだけ負担を強いるのですから、政治家も身を切ることが求められていますが、あれ程やるやると言っていた定員削減も0増5減でお茶を濁して終わりでしょうな。あれだけ批判された政治家の世襲問題ですが、ご存じの通りうやむやになりました。まあ、そんなことも出来ない政治家に何を期待してもダメなんでしょうね。増税にしてもTPPにしても自分でなんとか乗り切ることを考えなくてはなりません。

柏崎

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