週刊柏﨑 第643 景気はいかがでしょうか。
京都の桜も先週末がピークでありましたが、今年は3月下旬から4月初旬にかけて結構寒いようで、まだまだ桜は残っています。この土日はそれは凄まじい人出でありまして、観光地は人でごった返していたようです。家の嫁が土曜の晩に友達と木屋町に出かけたのですが、あんなに人が居る木屋町を見るのは初めてと言っていました。当然、私は日曜の午前中にテニスに行ったあとは、近所の銭湯に行った位で、家でグタグタしていました。今週は、週後半にかけて鹿児島に出張する予定でありまして、早めにこのコラムを書いているのですが、今の処天気にも恵まれ、観光関連は好調であります。
皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。
京都の飲食店でボッタクリという話がありまして、まあ繁華街や観光名所の店は基本的に高いです。それでも京都ではボッタクリという店は余り聞いたことがないのですが、それでもこの頃色々な人がいるし、外から資本も入ってきていますから、あっても全然おかしくないです。ただ客引きがいる店は避けた方が無難でしょう。京都で有名なのが「一見さんお断り」というシステムなんですが、この「一見さんお断り」の理由というのが、常連客を大切にするためで、今は一部の閉鎖的な店を除いて聞かなくなりました。ですから、「一見さんお断り」の店に特別に入れるという事もないし、料金がとてつもなく高いということもありません。京都のいい店は、観光シーズンに予約なしですんなり入れることはありませんから、まあ予約なしだったらホテルの料理屋に行くのが一番無難であります。最近「京都きらい」という京都の嫌なところを書いた本が結構売れていて、私も興味があって読んだのですが、正直本に書いてある通りでありますな。京都といっても昔から京都に住んでいる生粋の京都人は街中、それも下京区、中京区、上京区辺りしか京都と認めませんね。私は、京都に20年近く住んでいますが、やっぱり京都の人が何を考えているか良くわかりません。ただ、ちゃんと付き合うと時間はかかりますがいい人も多いです。戦前、戦後の基本になる戦争が「応仁の乱」とか、有名なぶぶ漬けの話とか、京都の人は笑っていても目は笑っていないとかは本当の話であります。ただ、若い世代に関しては、余り京都の嫌なところを感じません。考えてみれば、ウチの娘や息子は人生の殆どを京都で暮らしていて、言わばそれなりの京都人であるのですけども、その点京都人らしさを感じません。一般的に京都人は、性格が悪いとか上から目線と言われていて、私もそれを否定はしませんが、時代と共に変化してきていることは確かであります。
年金基金の運用をしているGPIFの2015年の損失が5兆円というのですけれど、試算したのが、運用元の証券会社というのだから全然あてになりません。ネットでは、泥棒が盗んだ金を自己申告しているようなものとか酷いことを言っているのですが、まあ、あてにならないことは間違いないです。前にも言いましたが、運用というのは儲ける為にするものであって、年金基金を使って日本の株式相場の値段を恣意的に高く操作するのであったらトンデモナイことになりますよということ。アベノミクスという金融緩和策はスタート時には必ずしも間違いでは無かったと思います。その結果、株式は予想以上に高くなったし、行き過ぎた円高を是正して円安にすることにより企業の利益も増えました。しかしながら、景気が良い時はインフレという考えの元、インフレにすれば景気が良くなるという本末転倒な理屈が通用する筈がないのです。金融政策によって景気を刺激しようとする経済策は格差を拡大し、国民生活の疲弊をもたらすだけであり、それは今のアメリカの姿をみれば分かることであります。あのトランプ氏が言っているのは、非常にシンプルであります。彼が訴えているのは、「アメリカの富はアメリカに使うべき」、「外国に戦争に行って死ぬことも金をつかうこともバカらしい」、「不法移民が多いからアメリカ人を雇用しないなら、移民を入れるな」、「アメリカのものを買わないで、自国のものを売る中国や日本は許せん。」ということであります。今の金が金を生むアメリカの新自由主義、自体が通用しなくなっています。その考え方を踏襲している日本がやばくなることは当然の話なのです。少なくとも、アメリカは人口が増えていて個人消費という面ではそれなりの成長がありますが、人口が減っている日本は衰退のスピードが早いです。それに個人消費にとって最悪な消費税増税という選択をしたのですから話になりません。年金運用の話に戻りますが、マイナス金利になることによって儲けが膨らむのが国内の債券投資です、しかしながら、国内株式投資に関しては今日の日経ダウの終値15700円から考えると今年に入って更に数十兆円位やられていても不思議ではないです。それに外国株式、債券もなにせ為替がここの処エライ円高な訳で損が膨らみます。それが要因でか、政府は例年なら5月に発表していた運用成績を7月にするそうで、そりゃ正直に、こんなにやられちゃったから、年金は半分ネとか言ったら、7月の選挙は戦えません。これは昔株式投資に携わってきた経験則として損を先送りしても絶対に損が膨らむだけ、株式相場は不思議なもので期待と逆にいきます。だってGPIFが持っている日本株をブン投げたら日経ダウは1万円位まで下がります。だから、持ち続けるしかないという最悪の展開です。円が80円の時に買ったアメリカ国債を売るのは今でしょうね。売らないでしょうけど。まあ、トランプ氏が大統領になった時の切り札に使うのも手です。トランプだけに。でもこのままでは、私が貰えるだろう年金が少なくなるのは、最早避けられないような感じがします。老後が保障されないということは、結構つらいと言うか、不安なものだと思います。健康で長生きといったって、それはあくまで普通の生活を送れると言う経済的基盤があっての話ですから、株でやられたから年金無しねと言われても到底納得出来ることではありません。
個人的には、日本の復活には現行の消費税を下げる、減税策が一番であると思っています。消費税8%を元の5%に下げるこれだけで、日本経済は復活すると考えます。元々アベノミクスというのは、金融緩和して円安にし、輸出企業を儲けさせ低金利よる投資を促進させ、サラリーマンの所得を増やし、雇用を増やすこと、株などの資産価格を増大させること、これらによって個人消費を増やし景気を回復させることです。それを根本から否定してしまったのが消費税増税であります。先週のコラムにも書きましたが、昔から課税というのは減らしたいものに掛けるものです。日本という国は海外に物を輸出して伸びてきた訳でありますが、今はGDPに於ける輸出比率は15%程度でありまして、85%を国内消費に頼る完全な内需国です。ですからその内需の大部分を占める個人消費の課税を増税することは自殺行為なのですな。個人消費を増やしたいなら、消費に掛かる税金を少なくする、消費税減税が手っ取り早いと何故気付かないか不思議であります。それに円安にしたって内需主導である以上円安メリットより円安によるコストアップなどデメリットの方が国民生活に於いては遥かに大きいのです。多分この消費税減税に反対するのは、自民、公明の与党でも民進、共産など野党でもありません。この消費税増税に執着しているのが、官僚機構です。政府というのは、メンツがコロコロ変わります。各省庁の大臣なんて、そりゃ早ければ1か月位で変わります。ですから、日本の行政を動かしているのは官僚であります。この頭がいい官僚が何を考えてやっているかは、私のような下々には図り知れません。3月は百貨店売り上げ、車の販売台数、住宅販売などが軒並み減少しているようであります。普通なら、マイナス金利でこれらの需要が高まる筈であるのに、状況は極めて深刻であります。アベノミクスの語源となった、アメリカ大統領ロナルド、レーガンが執ったレーガノミックス、この経済政策の基本となったのは大胆な減税策であります。(記憶が定かであれば)今、いきなり消費税減税を発表したら、私は間違いなく経済は活況になると断言させて頂きたいです。世界との約束?何で外国に我々の生活をガタガタ言われなければならないのか不思議です。それなら、こんな日本の円を何故買っているのか、理由を聞きたいですな。私には、外国が日本を都合のいいように利用しているだけのような気がします。